長崎旅行の2日目後半です.このシリーズを終えないと他の旅行関係の記事が書けないというわけで,ピッチを上げていきます(笑).
軍艦島ツアーから桟橋に戻ると,今度は長崎市屈指の観光地,グラバー園に向かいます.大波止電停から南行きの電車に乗り,2つ目の築町電停で5系統に乗り換えて終点の石橋電停で下車します.グラバー園への王道は大浦天主堂下電停で下車し,旧香港上海銀行長崎支店記念館やANAホテルのあるあたりから,土産物屋通りの坂を登っていくコースです.ただこのコースは結構な坂を登らなくてはならないので,年配者にはキツイものがあります.今回は後期高齢者(笑)の親が一緒ということで,この王道は取らず,かわってグラバー園の裏側に設置されているグラバースカイロードを利用するコースを選択しました.
(左写真1) 背後からグラバー園を見上げる,(右同2) グラバースカイロード
グラバースカイロードは一見エレベーターに見えますが,実は斜めに斜面を昇降する装置で,登っていくとグラバー園の裏側の第2ゲートに出る形になります.通常の見学ルートとは逆にんるんですが,スタートからひたすら下りという高齢者にも楽に歩けるコースになっています.
(左写真3) スカイロードの終点から市内の展望,(右同4) ドッグハウスのテラスからの展望
ゲートで料金を払っていよいよ観光の開始です.まずは旧三菱第2ドッグハウス,ここは船が修理に入っている間に船員たちが宿泊する施設で,元々は三菱重工長崎造船所第2ドッグそばにあったレトロな洋館です.ここのベランダからは市内が一望できるほか,目の前の池にはたくさんの鯉が泳いでいてなごむことができます.
(左写真5) 旧スチイル記念学校,(右同6) 旧リンガー住宅内部
その後は旧スチイル記念学校,旧オルト住宅,旧リンガー住宅,旧グラバー住宅といった具合に見学していきます.
(写真7) フリーメイソンの石門
グラバーは幕末期に活躍したイギリス人の商人で,特に薩長など倒幕派を支援していたことで知られています.亀山社中を作った坂本龍馬とも深い関係にあり,グラバー屋敷には彼らが非常の際に隠れることのできる小部屋も作られていました.長崎はまたイタリアの作曲家プッチーニの歌劇「蝶々夫人」の舞台でもあり,それにちなんでプッチーニの像もあるほか,フリーメイソンの石門などもあり,当時日本には行ってきた西洋文化の一端がうかがえました.
(左写真8) プッチーニの像,(右同9) 旧グラバー住宅
出口のところにはショップの外に,長崎伝統芸能館があったんですが,ここに展示されている船が,ノルウェーのオスロにあるコンチキ号博物館に展示されているラー号に似ているなと思いました.
(左写真10) なんとなくラー2世号に似ている,(右同11) 土産物通り
グラバー園を出て土産物通りを下っていきます.時間的にそろそろ昼食にしようということになりました.せっかく長崎に来たのだからちゃんぽんにしようと,近くにある四海楼に行ってみたんですが,店の前に30分待ちの表示が… ( ゚Д゚).そこまで待つガッツはないため,ANAホテルの地下にあるレストランでいただくことに(美味しかったです !(^^)!).
(写真12) 長崎チャンポン
昼食後は長崎孔子廟を見学,長崎は古来中国との関係が深いこともあってこういう施設があります.内部には大成殿や賢人の石像といった中国的なモニュメントの外に博物館も充実していました(博物館内部は冷房がガンガン効いて涼しかった 笑).賢人の石像はいろんな表情の人物がいるんですが,これだけあると一体くらい自分に似たのがあるかもと思いました.
(左写真13) 長崎孔子廟,(右同14) 賢人の像です
その後は近くにあるオランダ坂へ.坂の街長崎を代表する坂ですが,じつはここ日本の道100選でもあるのです.散策と共に顕彰碑探しにも精を出しました
(日本の道100選では顕彰碑探しが見学の柱になる).それにしてもこの坂周囲に結構学校があるんですが,ここの生徒たちは毎日この坂を登って登校しているのかと感心します.
(写真15) 日本の道100選オランダ坂
オランダ坂から海岸沿いに出てそこから再び電車に乗り込み,次に向かうのは日本三名橋として名高い眼鏡橋,賑橋電停で下車,徒歩数分の距離です.眼鏡橋は日本最古の石造りのアーチ橋として知られ,江戸時代初期の寛永十一年(1634年)に興福寺の2代目住職の黙子如定が造ったといわれています.川面に映った時の姿が双円形で眼鏡を彷彿させることからその名があるとされています.眼鏡橋がある中島川には江戸時代以来の古い橋が数多くあったのですが,昭和57年の水害によって多くが流されてしまいました(眼鏡橋も一部が損壊したものの,修復がなされました).さすがに名所だけあってこの日も大勢の観光客で賑わっていました.
(左写真16) 眼鏡橋,(右同17) 記念撮影です
眼鏡橋観光の後は徒歩で思案橋方面に向かいます.長崎といえば内山田洋とクールファイブの歌によく登場する街ですが,そんな彼らの歌に関連した地を訪問しようという企画です.今は電停がある思案橋に現在は橋はありませんが,かつてはこの辺に川が流れていて同名の橋が架かっていたそうです.思案橋の南側に遊郭として知られた丸山があり,ここにやって来た男たちが「(丸山に)行くべきか,やめとくか」思案する橋だったことからその名があります.現在橋はありませんが,交差点には橋の欄干を模したモニュメントがあります.
(写真18) 思案橋の欄干
思案橋から思案橋通りに入って数分,柳小路通りとの交差点には思い切り橋の碑があります.内山田洋とクールファイブの同名の曲で知られる変わった名前の橋ですが,ここも現在は川&橋ともに存在しません.思案橋を越えてやって来た男たちが,最終的に決意して(思い切って)丸山に入ることからその名があります.一方で丸山で一夜を明かした男が後ろ髪をひかれるようにここで振り返った場所でもあることから見返り橋という異名もあるようです(碑のそばには見返り柳というのもある).思い切り橋の碑の近くには丸山公園があり,そこには龍馬像が鎮座していました(龍馬も丸山で遊んだんだろうな 笑).
(左写真19) 思い切り橋の碑,(右同20) 丸山公園の龍馬像
丸山公園でこの日の観光は終了,一旦ホテルに戻ってその後夕食に繰り出したのでした(ふと稲佐山方面を見上げたら山頂は完璧に雲に隠れていた.この日は夜景は見られなかったようです(昨夜行っておいてよかったと実感した瞬間).
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