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2016年3月13日 (日)

楽劇 サロメ

Img109  演奏会ウィークが終わり,通常の日常が戻ってきた.

 それが理由でもないんのだが,3月12日に新国立劇場にて公演中のリヒャルト・ シュトラウスの楽劇「サロメ」を観劇してきた.

 R. シュトラウスといえば,自分の学生時代の友人が彼をさして

シュトラウスといってもヨハン・シュトラウスのような華麗さはなく,リヒャルトといってもリヒャルト・ワーグナーには到底及ばない二流の天才」

 と評していたのだが,まあそんな面もあるかと感心した記憶がある(ちなみにリヒャルト・シュトラウスとヨハン・シュトラウスには血縁関係はないらしい).

 R. シュトラウスの歌劇作品としてはなんといっても1911年初演の「ばらの騎士」が有名だが,彼の出世作となったのが表題の「サロメ」である.一般に楽劇(ドイツ語でMusik Drama)と冠されることが多いことからもわかるように,ワーグナーの影響が色濃く出ている.オスカー・ワイルドの戯曲に作曲されたオペラで,1幕モノ,全体で2時間に満たない長さでありながら,そうとは思えないほどに音楽は濃密で鑑賞後の疲労度が高い作品だ(笑).少なくとも時代的には変わらないはずのプッチーニの諸作品よりよっぽど疲れる.まあ,プッチーニのような美しい映画音楽みたいな世界とは縁遠い不協和音バシバシのなんだこりゃ音楽だから当然か(後のばらの騎士ではだいぶマシになりますが 笑).

 聖書の時代,捕らわれていた預言者ヨハナーン(聖書では洗礼者ヨハネの名で登場)に性的な魅力を感じたサロメが彼を誘惑するも,全く靡かないためにヘロデ王の前で七つのベールの踊りを舞い,その報酬としてヨハナーンの首を所望する… 世紀の変わり目の退廃的な空気を色濃く映している.新国立劇場としては2000年の新制作以来今回が6度目のプロダクションとのことであるが,自分は2011年に続く2度目の鑑賞だった.歌手陣はサロメにカミッラ・ニールント,ヨハナーンにグリア・グリムスレイ,ヘロディアスにハンナ・シュヴァルツ,そしてヘロデ王にクリスティアン・フランツという完全にワーグナー歌いの面々(当初ヘロディアスはプローライトの予定だったが変更になった),ワーグナーの影響を強烈に残すこの作品にはうってつけのメンバーで堪能した次第である(疲れたけど).それにしてもサロメ役って,これだけ強烈な歌を歌ってかつダンスもこなさなくてはならないから大変だろうなぁと思ったのだった.

 実は最近横溝正史作品にハマっていて,今見ているのがTBSの横溝正史シリーズⅡの第2作品真珠郎,この作品の冒頭メイン人物が空に浮かぶ雲を見て「サロメのヨハナーンの首のようだ」というシーンがあって,今回の鑑賞との偶然の一致に戦慄を覚えたのだった(笑).

Jochanan 写真 真珠郎冒頭のヨハナーンの首に見える雲

 ちなみに真珠郎のオリジナルは戦前の作品で,謎解きをする探偵は警視庁OBの由利麟太郎であるが,TBS版では当時存命だった作者の承諾を得て,有名な金田一耕助に置き換えている.

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