ドイツレクイエム演奏会
3月最初の週は演奏会の週でした.3月4日~9日にかけて,岡山シンフォニーホールの企画制作による東日本大震災心の復興祈念コンサートとしてブラームスのドイツレクイエム演奏会が岡山・盛岡・仙台・山形の4都市で行われ,そのうちの6日の盛岡と8日の仙台公演に参加する機会を得ました.
1869年に初演されたドイツレクイエムはブラームスの出世作ともいえる作品です.レクイエムというのは本来カトリック教会において死者の安息を神に祈る典礼音楽で,モーツァルトやフォーレなどの作品がとりわけ有名です.しかしながらブラームスのドイツレクイエムはレクイエムと言う名称が付いているものの,カトリックのミサ固有文とは関係なく,ブラームス自身がドイツ語訳の聖書から歌詞を選んで作曲した作品となっています(恩師であるシューマンや自身の母親の死を契機に作曲したと言われる).
素晴らしい作品ではあるんですが,その規模の大きさからなかなか演奏する(というか自分が演奏する側)機会がありませんでした(過去に1992年と2013年にピアノ版ではありますが演奏会に参加できる機会があったんですが所用のため参加できず).そんな名曲のしかもオケ版のコンサートに参加できるという,今後二度とないだろう機会に遭遇し,絶対に参加するという決意で取り組んでいた演奏会でした.
合唱団の主体は東北ですが自分は神奈川在住ということで,練習面で不利ですが,そこはいろいろ工夫をして(時には夜行バスを駆使して)盛岡や仙台の練習に参加し,先日等々本番を迎えることになったのです.
左 盛岡公演のオケ合わせ(中央が指揮者のシェレンベルガー氏),右 仙台公演のリハーサル
いやぁ,本当に涙が出てきました.一般にキリスト教の音楽とされるドイツレクイエムですが,その精神は一宗教の枠組みを超えた普遍的・人類的なものだと改めて感じました.
日程的には3月5日のお昼に盛岡入りして午後から練習,翌6日の本番を終えて新幹線でいったん小田原に戻り,7日は普通に仕事をして8日の朝に仙台へ,そのままリハーサル&本番を経て終演後速攻で小田原に戻るというかなりの強行日程だったんですが,それだけに充実度の高い数日間でした(自分的に今年の10大ニュースの上位に来ることは間違いない).
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