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2016年2月29日 (月)

ロッシーニの56回目の誕生日

 今日はほぼ4年に一度の2月29日である.ほぼというのは,うるう年は西暦で4で割り切れる年に設定されるのが原則だが,一方で100で割り切れる年には設定しないことになっているためである(ただし400で割り切れる年には設定される.これがため西暦2000年はうるう年だった).

 4年に1回しかないとはいえ,この日に生まれる人もいるわけで当然誕生日が2月29日という人が存在する.子供の頃は2月29日生まれの人は4年に1回しか年を取らないのかなどと思っていたのだが,法的には3月1日として処理するらしい.

 さて,そんな2月29日生まれの有名人として作曲家のG. ロッシーニがいる(1792年2月29日生まれ).歌劇「セビリアの理髪師」,「チェネレントラ(シンデレラ)」,「ウイリアム・テル」などの作曲家として有名だ.彼はイタリア出身であるがヨーロッパ各地で活躍し,その作品は当時ヨーロッパ各国で大人気を博していた.それがために同時代の作曲家の妬みも買ったようで,あのベートーベンも友人にそのような愚痴をこぼしている.

 ロッシーニは76年の生涯の中で,作曲として活躍していたのは前半生のみで,37才のときに「ウイリアム・テル」を作曲すると,以後はオペラ作曲の筆を折り,残りの40年は食っちゃ寝の生活をしていたという羨ましい人生を送っている.尤もまったく作曲をしなかったわけではなく,私的にはいくつかの作品は遺している(私も好きな小ミサ・ソレムニス)は彼の晩年の作品である).

Rossini2 Rossini1 (左) 若き頃のロッシーニ,(右) 晩年のロッシーニ

 一方で彼は作曲が早かったことでも知られている.オペラの作曲というと時間がかかって大変そうというイメージは,後のヴェルディやワーグナー以降の話で,ロッシーニの時代にはウケるオペラをいかに早く書くかが大事だったのである(今でいえば流行作家か).あの名作「セビリアの理髪師」ですらロッシーニはわずか3週間で書き上げている.ただ,上には上がいるもので,ある人がそのことを同時代の作曲家ドニゼッティ(「ランンメルモールのルチア」や「愛の妙薬」で有名な作曲家)に言ったところ,「そりゃそうさ,それだけ彼は怠け者だってことだ」と答えたという(ドニゼッティもまた,筆が早い作曲家だった.そのためオーケストレーションが結構陳腐で,後にワーグナーに大きなギターと揶揄されている).

 結局1868年に滞在中のパリで亡くなったのだが,死因は大腸がんといわれている.今残されている彼の肖像画を見ると,恰幅がよく今風に言えばメタ ボリックシンドロームのようだ(高血圧や高脂血症もありそう).食生活と大腸がんは関連があるといわれており,彼の場合もそうだった可能性はある.ちなみに後半生のロッシーニはグルメに生きたのであるが,彼の名を冠した料理として「○○のロッシーニ風」というのがある.これはメイン素材にフォアグラとトリュフを付け合わせたもので,牛フィレ肉のロッシーニ風がとくに有名だが,それ以外の素材も存在する.

Img_6 Mukaka (左) 牛フィレのロッシーニ風,(右) イチジクのロッシーニ風

 そんな音楽と料理を思い出した2月29日だった.

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