立山・黒部旅行5
立山黒部旅行実質2日目の後半です.
室堂周辺の散策からターミナルに戻ってきました.植物や美しい山々の風景は堪能できましたが,結局雷鳥は見つけることができませんでした(泣).
さて,ちょうどお昼時ということで,ターミナル内にあるレストラン立山へ.ここは隣接する売店とともに,ホテル立山の外来部門になっています.標高2400メートルの山岳地帯ということで,豊富なメニューというわけではないんですが,ホールの係員はきちんとした服装をしています.立山は近年アジア系の旅行者にも人気のスポットになっており,ウェイターにもそっち系の人がいました.この日はとやまポークのカツカレーをいただきました.
昼食後は少し売店を覗いて買い物タイム,妹は趣味の鉄道チョロQを購入していましたが,私はというと富山限定のしろえびポテトチップスを.標高が高くて空気が薄いため袋がパンパンに膨らんでいました(売り場にも「破れる恐れがありますので優しく扱ってください」の張り紙が 笑).
買い物後,室堂を後にして今度はトロリーバスに乗ってアルペンルートの先に進みます.トロリーバスは架線から電気エネルギーを受けてモーターで走行するバスです.外観は完全にバスなんですが,架線のあるきまった経路のみを走るため,日本の法律上は電車に分類されるんだそうです(馬が軽車両に分類されるようなものでしょうか 笑).現在トロリーバスは日本ではこのアルペンルートにのみ存在し,室堂-大観峰間と黒部ダム-扇沢の2路線があります.
室堂から大観峰間は立山連峰の主峰雄山の直下を走行しており,全長3.7キロ,所要時間は10分です.この日は3両のバスが出動していました.狭い通路をうまく走るもんだ(さすが大型二種)と感心しているうちに大観峰に到着します(笑).ここは山を貫いたトンネルの出口の断崖絶壁に作られた駅のため,室堂のような高原はありません.駅から外には出られませんが,展望台から雄大な後立山連峰や黒部湖の姿を拝むことができます.
(左写真4) もうすぐの表示が!,(右同5) Extraがあるというオチでした(笑).
駅から屋上の展望台へは50段くらいの階段を登らなくてはならないんですが,残りの段数が表示されていて励みになります.展望からの眺めは最高です.眼下にはこれから向かう黒部湖が見えました(空気が薄いせいか日差しはまぶしかったです).
(左写真6) 後立山連峰と黒部湖,(右同7) 先ほど購入したポテチ,袋がパンパンです.
しばらく眺めを堪能した後,今度はロープウェイに乗り込みます.このロープウェイは大観峰駅から黒部平駅まで全長1.7キロ,標高差500メートルを一気に下っていきます.途中に支柱が1本もない,ワンスパン方式と呼ばれるスタイルです.こんなところによくこんなものを作ったなぁと感心しながら降りていきました.
約7分で黒部平駅に到着,久しぶりに2000メートル以下の場所に降りてきたためか,空気の量が多くなった感じがします.ここからも山々が眺められました.
(左写真8) さっきまでいた大観峰を望む,(右同9) 黒部平です
15分ほどの滞在で,いよいよ黒部湖に向かいます.今度の乗り物は再びケーブルカー,黒部平駅から黒部湖駅までの0.8キロを最大斜度30度で走っています.全線がトンネルの中を走っています.朝最初に乗った立山ケーブルカーと同一経営ですが,あちらのケーブルカーは何度か車両の更新が行われているのに対して,こちら(黒部ケーブルカー)は1969年の開業以来同一の車両が使われているのだそうです(たしかにこんな山奥じゃ,新しい車両を運び込むのも大変だ).
約5分で黒部湖駅に到着,ここは黒部ダムの西側地下に位置する駅のため,ダムに行くには階段を上る必要があります.地下道はひんやりと涼しかったです.地上に出ると目の前には巨大なダムが! おおっ,黒部ダムだと感動していたら,ちょうど湖の遊覧船の発車時刻が近いことが判明,せっかくだから乗ることにしました(ただ乗り場まで結構距離があるのと,船着き場まで長い階段になるため足腰が悪い人には辛い).
(左写真11) 黒部湖遊覧船ガルベ,(右同12) 湖に乗り出します
黒部湖の遊覧船は日本で最も高所を運行している遊覧船なんだそうです(世界ではペルーとボリビアの国境にあるチチカカ湖が最も高所の遊覧船(汽船)が走っている).船着き場から湖に出て約30分のクルージングです.周辺には木々が青々と茂っており,先ほどまでの高地帯とは違った趣を示しています.ふと見ると湖畔に釣り人っぽい人がたたずんでいました.
クルージング終了後はダムの堤防を歩いてみます.黒部ダムは戦後の高度経済成長期に,当時電力供給のひっ迫していた関西電力が社運をかけて着工した発電用の巨大ダムです.高さ186メートル,総貯水量2億立法メートルと国際最大級の大きさを誇ります.昭和31年から工事が始まり,特に建築資材を現地に運び込むために,長野県の大町市と当地を結ぶトンネル(現関電トンネル)掘削にあたっては,途中破砕帯と呼ばれる脆弱な地層から水が大量に発生し,工事が極めて難航したことでも知られています(この様子は石原裕次郎主演の映画「黒部の太陽」で描かれている).
(左写真16) ダムの下流側,(右同17) 観光放水している黒部ダム
ダムからは放水の様子を見ることができますが,これは発電のためではなく,あくまでも観光客を喜ばせるための演出です(観光放水 実際の発電所はもっと下流にある).
次にダムの全体像を見るために,高台にある展望所に登ってみました.行きはレストハウス脇から300段近い階段を登っていきます.直射日光で暑いのに加えて,途中工事中の箇所もあってかなり厳しかったです(母親は端から無理なのでレストハウス待機).とはいえ,上から見るとダムの巨大さを改めて実感できました.
帰路は駅とつながっているらしいトンネル内コースへ.こちらはひんやりとしていて快適,しかも階段も220段程度と少ないと楽勝でした(とはいえ,往路も徐々にダムの全景が見えてくるというワクワク感はある).
駅からレストハウスに戻り,関電トンネル工事で話題になった破砕帯の水で作ったサイダー(その名もハサイダー 笑)を飲んで休憩です.
その後夕方5時のトロリーバスに乗って,アルペンルートのターミナル扇沢に向かいます.途中,破砕帯のある地域を通過するんですが,案内板は立っているものの,いまではほとんど一瞬で通過してしまうため,当時の難工事を偲ぶのは困難でした.約15分でトンネルを通過,扇沢駅に到着です.北アルプスの東側の17時半は夏でも太陽は山の向こうに隠れてしまいます.ここで朝に立山で預けたレンタカーを受け取ります.そしてそのままこの日の宿泊先であるくろよんロイヤルホテルに向かったのでした.
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