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2015年8月11日 (火)

立山・黒部旅行4

 ちょっと時間が空きましたが,立山黒部旅行の続きです.

 立山黒部旅行実質2日目の朝になりました.外を見ると快晴の良いお天気です.ビュッフェスタイルの朝食を食べて(さすが富山,ご飯がおいしかった)早速出発です.この日の予定は立山黒部アルペンルートを富山側から長野側に抜ける行程,まずは富山側の拠点となる立山駅に向かいます.

 アルペンルート内はマイカーは入れないため,人間だけが長野側に抜けると車の処置が問題になります.そんな状況に対応するために当地では車の回送サービスというのが行われており,今回はそれを利用することにしました.駅前の事務所で手続きを済ませ,ついでに母親用にトレッキングポールをレンタルします.貴重品と飲み物以外の大きな荷物は車に残せるので身軽になって駅に入りました.

P7210505_480x360 P7210508_480x360 (左写真1) 立山駅,(右同2) 改札に並ぶ観光客

 アルペンルートは有名な観光地で,ピークシーズンは順番待ちの長蛇の列というウワサを聞いてたんですが,3連休明けの平日ということで意外に空いています.当初は9時20分発のケーブルカーを予約して,かなり余裕をもって駅に来たのですが,手続きがスムーズに済んだため9時発のに変更してもらいました.

P7210511_480x360 P7210513_480x360 (左写真3) ケーブルカーです,(右同4) 車窓から見えた柱状節理

 立山ケーブルカーは立山駅(標高475メートル)と美女平駅(標高977メートル)の標高差500メートルを1.3キロで結んでいます.最大斜度は29度,そのため車内はさながら大学の階段教室の趣です.時間になっていよいよ出発,ケーブルカーはするすると登っていきます.途中には柱状節理の岩肌が露出している部分もありました.約7分で美女平駅に到着,あっという間のケーブルカーでした.

P7210514_480x360 (写真5) 美女平駅の改札口

 美女平周辺を散策するのも良いのですが,この日は先を進むことにして,今度は高原バスに乗り込みます.これは美女平から立山登山の拠点となる標高2400メートルの室堂まで一気に登るバスで,立山黒部アルペンルートの中では距離,乗車時間ともに最長となる乗り物となります(環境への負荷を考慮して現在はハイブリッドバスが主体になっている).定期便まで30分くらい時間があったんですが,この日は臨時便が出るとのことで9時20分に美女平を出発しました.

P7201095_480x360 (写真6) 最初は鬱蒼とした森の中を進む

 この高原ルート,標高差が1500メートルもあるので周辺の植生がどんどん変わっていきます.当初は巨大な樹木が立ち並ぶ森林地帯で樹齢数百年という立山杉が見られるほか,昨日の夕方に訪問した称名滝を遠望できるポイントもありました(午前中なので昨日とは逆に日陰になってましたが).

P7201098_480x360 P7201100_480x360 (左写真7) 立山杉),(右同8) 称名滝の遠望

 それが,標高が上がるにしたがって周辺は木々の背が低くなり,いまだに雪を残している立山連峰の山々が間近に迫ってきました.途中,弥陀ヶ原と天狗平のバス停があるんですが,この日は途中での乗降はありません.やがて周囲から樹木の姿が消え,開けた感じになってきました.ふと見ると道の右側に巨大な雪の塊があります.これが春先に雪の回廊として有名なスポットのなれの果てなのでした(8月には完全に無くなるらしい).雪の壁を過ぎると大きな建物が見えてきます.これがホテル立山で,ここの1階がバスの終点室堂駅となります.

P7210524_480x360 P7210550_480x360 (左写真9) 残雪のある山,(右同10) 天狗平山荘

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Yukikairo (左写真11) 雪の壁の名残り,(右同12) 春先はこんな感じになります

 バスを降りて外に出ます.室堂は標高2400メートル,日本で気軽に来られる高地としてはかなり高い場所です(日本最高はおそらく乗鞍スカイラインの頂上,標高2700メートルだと思いますが).ちょうどペルーの有名な観光地,マチュピチュと同高度になります.あそこもそうなんですが,こういう高地帯は酸素が薄いので走ったりするのは危険です.まずは深呼吸をしてゆっくりとターミナルのなかへ.この日下界は猛暑日だったらしいんですが,ここは涼しくて快適な環境でした.

P7201142 (写真13) 晴天の室堂

 トイレを済ませて,さっそく付近の散策に繰り出します.ターミナルの外に出ると,青空と雪を頂いた山々,高原の緑が美しいコントラストを作っています(本当に日頃の行いがいいのか素晴らしい天気でした).ふと近くの看板を見たら,10時30分から立山自然保護センター主催の自然観察ツアーがあるとのこと.せっかくだから参加しようと受付に行きました.

P7201276_2 (写真14) 立山は名水の地でもあります

 時間になって出発ですが,他の参加者がいません(笑).というわけで完全貸し切りツアーになりました.ガイド(ナチュラリスト)は初老の男性,この地で何十年もガイドをやっている大ベテランでした.「何が見たい?」と聞かれたので,「雷鳥が見たいです」と答えたんですが,「今日は天気が良すぎるから,逆に難しいかもなぁ」とおっしゃっていました(雷鳥も強い日差しは苦手な模様 笑).

P7201160 P7201157 (左写真15) 重文の立山室堂,(右同16) 修験者がいました!

 オフィスを出発してまず向かったのは室堂の名前の元となった立山室堂です.これはこの地を訪れる修験者が祈祷をするためのお堂で,現存する建物はなんと!江戸時代の享保年間に造られたのだそうです(国の重要文化財).その後立山登山者のための宿泊所としても利用されるようになり,利用者の増加によって手狭になったことから,現在は隣に立派な室堂小屋(立山室堂山荘)が建てられています.ガイドさんのお話では,この山荘の基本部分は極力石材を利用し,コンクリートは使わないのだそう.なぜかというと,冬の寒さが厳しすぎるためコンクリートが壊れてしまうためとか.たしかに足元を見るとコンクリート部分にはひびが入っているところが多いようでした.ちょうど室堂を見学していたら,本当に修験者の方がやってきていて法螺貝を吹いていました(なんてラッキーな 笑).

P7201116_480x360_3 P7201146_480x361_3 P7201170_480x361_3 P7201182_480x359_3 (写真16-19) 左からヨツバシオガマ,イワカガミ,イワイチョウ,クルマユリ

P7201274_480x360_2 P7210582_480x360_2 P7210599_480x360_2 P7210720_480x360_2 (写真20-23) 左からミヤマリンドウ,シナノキンバイ,チングルマ,イワギキョウ

 続いては遊歩道を歩きながらミドリガ池へ.こじんまりとした池ですが,周囲には高山植物がたくさん見られるポイントになっています.この時期はチングルマやミヤマキンバイ,イワカガミなどが咲いていました.

P7201192 P7210648 (左写真24) ミドリガ池,(右同25) 水がきれいです

 ミドリガ池から今度はエンマ台と呼ばれる展望スポットへ.ここからは地獄谷と呼ばれる硫化水素が漂う地域を望むことができます.本来ならトレッキングロードもあるんですが,現在は有毒ガスの量が多いということで通行禁止になっています.ガイドさんによると,今日は環境省から調査員が来ているはずだということで,じっと観察していたら,たしかに山肌を数人の人が歩いているのが見えました(お疲れ様です).

P7201231 P7210695 (左写真26) 地獄谷,(右同27) 環境省の職員が

 地獄谷の近くには雷鳥荘やロッジ立山連峰といった宿泊施設も立っています.有毒ガスが出ている場所からもそんなに離れていないんですが,それでも大人気なのだそう.ちょっと危険なくらいの方が客が集まるのかなぁとはガイドさんの弁でした.

P7201250 P7201259 (左写真28) ミクリガ池,(右同29) 雪渓が残っています

 エンマ台から引き返して,今度はミクリガ池を望みます.立山室堂のガイドブックには必ず出てくるスポット,我々も写真を撮ったのは言うまでもありません.池には雪渓が残っていたんですが,毎年8月初めごろに夏の陽気でこれが解けて崩れ落ちる瞬間を狙った写真家がたくさん集まるんだそうです.

 こうして約2時間の散策は終了し,出発地点に戻って来たのでした.

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