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2015年7月13日 (月)

鋼鉄参謀

 子供の頃特撮好きだった自分,最近でもレンタルで様々な昔の作品を鑑賞している.今見ているのは1975年(昭和50年)に放送された仮面ライダーストロンガーである.全39話なのだが,前半から中盤のブラックサタン編はあえて無視して,今回は第27話からのデルザー軍団編のみを鑑賞している.

Del2 (写真1) デルザー軍団結成

 昭和の仮面ライダーシリーズでは,世界征服をたくらむ悪の軍団は定番で,最初の仮面ライダーにおけるショッカーやゲルショッカー,仮面ライダーV3のデストロンなど有名な組織も多い.そんな中にあって,ストロンガーのデルザー軍団は異色の存在であった.ショッカーに代表される一般的な悪の組織では首領を頂点として,大幹部-怪人-戦闘員と厳しいヒエラルキーが確立しているのだが,デルザー軍団にはそのようなものはない.軍団を統括する大幹部は存在せず(最後の最後に大首領が出てきたが),参加してる各々の怪人は基本的にすべて対等なのである.成立の成り行きでジェネラル・シャドウがリーダーっぽいふるまいをしているが,彼に他の怪人への指揮権があるわけではなく,イメージは小学校の学級委員に近い.戦闘員にしてもデルザー軍団の戦闘員ではなく,あくまでも各々の怪人に付属した存在なので所属する怪人の利益のためなら,他の怪人の戦闘員と戦う場合もあったりする(このあたりを踏まえると戦国時代の国人連合政権のイメージか).

Del3 (写真2) 左からドクターケイト,荒ワシ師団長,ジェネラル・シャドウ

 そんなデルザー軍団であるから,組織としての結束力はまったくない.各々が我こそは一番と思っており,ストロンガーとの戦いでも協力して当たるという考えはなく,むしろ互いに足を引っ張り合うありさまである.デルザー魔人はそれぞれがショッカーなどの歴代幹部並みの実力があるという触れ込みであり,たしかに個々の戦闘ではストロンガーは押され気味だった.ここでデルザー魔人たちが協力して戦えばストロンガーはあっさりと葬り去られていたに違いない.が,現実にはデルザー軍団内部の内輪もめのおかげでストロンガーは何度も危機を脱する.そうこうしているうちに超電子ダイナモ(なんだそれ (^.^))を体に埋め込まれてパワーアップ,逆にデルザー軍団は粉砕されてしまったのだった.

Del5 (写真3) デルザー魔人鋼鉄参謀

 そんなデルザー軍団の最初の刺客としてストロンガーに挑んだのが,魔人鋼鉄参謀である.シャドウをはじめ他の魔人たちが様々な策謀でストロンガーを陥れようとするのに対し,鋼鉄参謀は基本的に真正面からの力勝負一本でストロンガーに立ち向かった.彼は第27話~29話と3話に渡って登場,ストロンガーとは合計5回戦って3勝1敗1分けという成績である.1度目の対戦は鋼鉄参謀のパワーに圧倒されてストロンガーはなすすべもなく逃走,2度目もほぼ同様の展開で気絶させられてしまう.そしてとどめ!というところで,鋼鉄参謀の功を妬んだ荒ワシ師団長によって拉致され九死に一生を得る(その後荒ワシのミスに付け込んでストロンガーは脱出できたため皮肉にもそうなった).3度目の対戦も一時は鋼鉄参謀の重さを利用して崖から突き落とすという作戦を仕掛けるものの,やっぱりパワーで圧倒され,最後は退却しようとしたところを網にかけられてあっさりと捕えられたのだった.ただ,またしても荒ワシ師団長の横やりでとどめを刺すことには失敗してしまう(この時はさすがの鋼鉄参謀も怒ってシャドウに詰め寄っていた.もっとも,ずるいシャドウは「私には指揮権がない」みたいなことをさらりと言ってのけたが).

Del6 (写真4) ストロンガーを圧倒する鋼鉄参謀

 その後荒ワシ師団長はストロンガーに撃破され,代わってドクターケイトが登場する.ケイトはその策謀によって子供を人質にするのだが,何を思ったか鋼鉄参謀はその人質を横取りしてストロンガーを誘い出す(荒ワシ師団長に感化されたか?).しかしこれがケイトの逆鱗に触れてしまう.ストロンガーとの4度目の戦いの最中にケイトは自身の毒ガスを鋼鉄参謀に浴びせる.全身鋼鉄の彼の弱点は腐食性のガスだったのだ.ひるんだ鋼鉄参謀,かくして4度目の戦いは引き分けで終わる.そして最終決戦,最後の5度目の対戦で,またしてもケイトの毒ガスを浴び,今度は本当に腕が溶けてしまい内部が露出したポイントに電キックを受け,かくして鋼鉄参謀は爆死したのだった.

 こうして超電子ダイナモを埋め込まれる前のストロンガー相手とはいえ,常に優勢でありながら,とことん味方(といえるのかは不明だが)に足を引っ張られて敗れた鋼鉄参謀は,やっぱりデルザー軍団最強の魔人だったのではと思ったのだった(味方に邪魔されなかった唯一の戦いとなった第1回戦で仕留めきれなかったことが彼にとって痛恨だったのではないか).

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