噴火警戒レベル
今日,気象庁が箱根山周辺の噴火警戒レベルを従来のレベル2からレベル3に引き上げると発表しました.これは29日から30日にかけて箱根の大涌谷で小規模な噴火が起こったとみられることに伴う処置のようです.
で,この噴火警戒レベルというシロモノ,自分は今までよく知らなかったんですが,せっかくの機会なので勉強してみることにしました.
噴火警戒レベルとは,火山活動の状況に応じて「警戒が必要な範囲」と防災機関や住民等の「とるべき防災対応」を5段階に区分して発表される指標このとです.これは日本にあるすべての山が対象になるわけではなく,「火山防災のための監視・観測体制の充実等の必要がある火山」として火山噴火予知連絡会によって選定された全国47の火山が対象となります.
噴火警戒レベルの5段階とは
レベル1(予報) 火山は現在静穏であるが,そこが火山であることに留意すること.
レベル2(警報 火口周辺規制) 火口周辺に影響を及ぼす噴火が起こる可能性があり,火口付近への立ち入りを制限する(ただし周囲の住民の生活には変化はない).
レベル3(警報 入山規制) 居住地近くまで重大な影響を及ぼす噴火が発生あるいは発生すると予想されるため,火口から居住地付近を含む一定範囲への入山を制限する(住民の生活は通常通りだが,避難準備等に切り替わる可能性もある).
レベル4(特別警報 避難準備) 居住地に重大な被害を及ぼす噴火が発生する可能性が高まっている状態で(警戒が必要な地域では避難準備や災害時要援護者(病人や足腰が悪い人など)の避難が必要).
レベル5(特別警報 避難) 居住地に重大な被害を及ぼす噴火が発生,あるいは切迫した状態(危険な居住地域からの避難が必要≫。
となっています.外務省から出ている海外安全情報における,危険段階(「十分注意してください」,「渡航の是非を検討してください」,「渡航の延期をお勧めします」,「退避を勧告します」)のようなイメージでしょうか.
ちなみに全国47の火山の中で,最高のレベル5になっているのがいま現に噴火し住民が避難している鹿児島県の口永良部島,レベル4の火山はなくて,レベル3が鹿児島県の桜島と今回の箱根山(正確には箱根山という名の山はないので大涌谷)ということになります.鹿児島市内に行ったことがある人ならわかるでしょうが,市内から錦江湾を挟んで桜島が見え,しかも時々噴煙を上げており,風向きによっては火山灰が降ってきます(このため地元のローカルニュースでは火山灰予報みたいなものもある).箱根山の大涌谷も現在そんな状態にあるというわけです.鹿児島と違うのは,麓の小田原からだと木々や他の山々に隠されて噴火の様子が見えないということで,逆にそれが人々を不安に陥らせるのかもしれません(桜島の場合,目の前にドドーンとそびえているせいか,噴煙を上げていても特に恐怖は感じない).
観光関連だと,毎年この時期恒例となっている箱根登山電車の夜のあじさい号という観光電車が今回のレベル引上げによって,今年の夏の営業を中止してしまいました.実は自分の職場のレクレーションで,この電車に乗るというのがあったんですが,このためにそちらも中止となりました.
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