初日の取組
今大相撲五月場所が開催されている.ちょうど震災の少し前に明るみに出た,いわゆる八百長騒動によってその土台が大きく揺らいだ大相撲であるが,最近は徐々に盛り返してきており,2015年に入ってからは連日満員御礼の盛況となっている.
私の職場の隣の席にいる女医さんがライトな相撲好きで,場所が始まると「誰が勝った」,「今場所は誰が注目だ」と盛り上がるのだが,今日「そういえば初日に白鵬が逸ノ城に負けましたけど,横綱と小結の取組って初日にしては早くないですか?」と聞いてきた.
う~ん,どうなんだろう.確かに横綱は場所の後半に同じ横綱や大関といった上位陣と対戦し,逆に序盤は平幕の上位あたりと対戦しているイメージがある.小結とはいえ初日から役力士と当たるものなんだろうかと考えたのであった。で、「初日だから観客動員のために注目される取組にしたんでないですか」と答えたのだが,後で調べたら,この初日「横綱 vs. 小結」という取組は少なくとも10年以上前の貴乃花,武蔵丸時代から続いているようである.すなわち毎場所初日の取組は東の横綱は西の小結と,西の横綱は東の小結と対戦するのが慣例のようなのだ.もちろん同部屋などの理由で,その法則が当たらないケースもあるわけだが,そのような障害がない場合は原則この組み合わせになっているのである.
横綱は2日目以降は平幕上位力士との対戦に入り,中日を過ぎたころから関脇・大関など上位陣との対戦が組まれはじめる.したがって,時に横綱が初日に敗れて,スポーツニュースなどで,「横綱が初日から土!」,「○△場所は初日から大波乱」なんて騒がれるが,小結とはいえ相手は役力士,負けるのがそんなに大波乱なのかと思うのだった(むしろ,平幕と当たる2日目以降に敗れた方が大波乱な気がする).
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