長興山紹太寺のしだれ桜
今日から新年度,自分の職場でも転勤者や新人がやってきて,華やいだ雰囲気になっていました.
さて,春といえば桜,関東周辺ではちょうど見ごろを迎え,これから徐々に桜前線が北上していくことになります.当地にも小田原城など複数の桜の名所があるんですが,その中の一つ長興山紹太寺のしだれ桜が満開になっているというウワサを聞きつけ行ってみました.
長興山紹太寺は徳川幕府第三代将軍家光の乳母で,春日局ことお福の嫁ぎ先である稲葉家の菩提寺です.稲葉氏は安土桃山時代にはそれほど大きな家ではありませんでしたが,春日局が大奥で大きな権勢を握ったことによって出世し,寛永九年(1632年)には彼女の息子稲葉正勝が,8万5千石を与えられて小田原藩主になりました.江戸時代の小田原は東海道の重要拠点であり,そこに封じられたということは,稲葉氏がいかに将軍家から信頼されていたかがわかります.
さらにその子正則の代にたびたびの加増を受けるとともに,正則自身も順調に出世,寛文年間には老中首座となって幕政の中心で活躍しています.ちょうどその頃に彼が一族の菩提寺となっていた長興山紹太寺に父母と祖母春日局の霊を慰めるために植えたのがこのしだれ桜といわれています.
このしだれ桜に行くためにはお寺の入り口から上り坂を15分くらい歩く必要があります.コースは2種類で,参道の階段を上るルートと舗装道路を登るルートです.後者の方が距離は短いんですが,風情は断然前者です.今回は参道を行くルートにしました.
行ってみると桜はまさに満開,樹齢350年になる老木のため,びっしり花が付いているわけではないんですが,それでも見ごたえは十分です.
ちなみに桜の種類はエドヒガンザクラの一種ということで,故郷盛岡の石割桜の仲間ということになります.
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