ボリビア旅行記5
2月10日,ボリビア旅行記第5日目です.
念願のウユニ塩湖に到着して最初の夜が明けました.この日は早朝4時から星空観察&朝日鑑賞ツアーです.早起きしてさあ出発と思ったんですが,ウチのKの調子が悪そう,ここまでの疲れが出たのでしょうか.まだまだ先があることもあって「無理しなくていいよ」とおいていくことにしました.
ロビーに行ってみると,同様にこの朝はお休みという方がいて,参加者は4人でした.それでも車は昨夕と同様4台出動とのこと,なんて贅沢なんだと思いながら乗り込みます.ホテルの外に出た瞬間空を見上げる一同,星が輝いています.「おおっ~」,「キャー」と歓声が上がりました.一方でこの日の月齢は21,ちょうど下弦の月の前日あたりということで,右側が欠けた月が高いところに上っています.この月明かりがどれだけ星の観察に影響するのかがポイントです.
車は連なってホテルを出発,なにしろ雨季でぬかるんでいる時期です.単独行動していて万一スタックしたら大変というわけで,いつでもお互いに助けられるように固まって走っているのだそうです.ホテルから30分ほど走って撮影スポットに到着しました.相当な寒さを覚悟してきたんですが,思ったほど寒くなく一安心です.
見上げると,南天の星が輝いています.月明かりでたしかに星が降ってきそう… というレベルではありませんが,それでも南十字座など主だった星は観察できました.
(写真1) 月明かりのためやや明るいですがそれなりに撮れました
(写真3) 星座を同定してみました.はちぶんぎ座,カメレオン座,ふうちょう座,テーブル山座の4つは北半球からは見られない星座です
そうこうしているうちに周囲は徐々に明るくなってきます.いよいよ夜明けです.ウユニ塩湖は見渡す限り地平線というわけではなく,東側にはアンデスの山々があります.まずは山の少し上の空が白みがかってきます(枕草子における「やうやう白くなりゆく山際…」というやつか?).
(左上写真6) 太陽柱,(右上同7) ウユニの影文字,(左下同8) 日の出,(右下同9) ジャンプ!
時間とともに空の色もどんどん変わっていき,やがて東の空にオレンジ色の柱が出現,「太陽柱が出ていますね」と高坂先生,まったく自然現象の素晴らしさに息をのむ瞬間でした.やがて日の出,太陽は顔を出したと思ったらどんどん登っていきます(日没の時もそうですが,日中はあまり太陽の 動きは意識しませんが,日の出と日没の時は動きがやたら早いように感じます).一同夢中になってシャッターを切っていました.
日の出後しばらく周辺の景色を楽しんだのちホテルに戻ります.部屋に行くとKの体調も良くなっていたようでそのまま朝食へ.ここの朝食もビュッフェスタイルで,卵料理付きでした.ウユニ塩湖は世界中から観光客が訪れる人気スポットなんですが,今回我々が泊まっている塩のホテルは特に日本人に人気があるらしく,宿泊客に占める日本人率は非常に高かったです.この朝食時に大阪から来たという美人姉妹!と今朝の夜明けは素晴らしかったですねという話をしました(彼女たちは一昨日から泊まっているそうですが,昨日の朝は見られなかったとか).
(左写真11) ホテル ルナ・サラダ,(右同12) パブリックスペース(床は塩です)
朝食後は部屋に戻って荷物整理です.今回我々はこのホテルに三連泊するんですが,必ずしも同じ部屋に連泊というわけではなく,この日は部屋移動があるからだそうです.そして9時半にロビーに再集合,お昼の塩湖観光に出発です.
まずは昨日の夕方も見た盛り塩スポットへ.ここは塩湖の入り口に当たります.広大なウユニ塩湖ですが,どこからでも自由に入っていいというわけではなく,入場可能なポイントが決まっているのだそうです.盛り塩はよく見ると昨日とは微妙に変わっています.聞くと,朝の段階で切り出されたり,新たに作られたりするんだとか.ここから切り出された塩は町の工場で加工されることになります.
その後いよいよ塩湖の内部へ,広大な塩湖ですが,どこを撮影ポイントにするかは,その日の天候や他の観光客とのからみ等もあって難しいそうです.我々のグループではレジェンドのトシさんが先行してポイントを探してくれているのでした.しばらく走ってポイントに到着,ちょっと雲が多かったですが,風もなく一面鏡張りの光景が見られました(まさに天空の鏡).で,私はというとさっそくネタ写の準備,この日のために持ち込んでいた新選組装束(笑)やヘビのフィギュアを出して遊んだのでした(新選組はウケていた.浅黄色の羽織は景色に溶け込みそうだし,隊旗の赤は絶対に映えると思っていた).
(左写真15) 天空の新選組,(右同16) 右端の方のジャンプが凄い!
しばらく天空の鏡を堪能したのち,今度は近くのコルチャニ村に出かけます.先述のようにウユニ塩湖には無尽蔵ともいえる塩があるわけですが,そこで切り出された塩はこの村に運ばれて加工されています.まずはその塩の工場を見学します.日本だと工場というと機械がたくさん並ぶ光景を想像しますが,ここの塩工場は「こうじょう」というよりも「作業場」という感じでした.塩の乾燥から精製,袋詰めと進んでいくんですが,問屋制家内工業といった趣でした(マニュファクチュア(工場制手工業)の前段階).ここでは塩の販売もやっていて,精製前の粗塩と精製後の細かい塩の二種類を売ってましたが,どちらも1袋1ボリ(約17円)でした.
工場見学後はしばし自由時間,この村はウユニ塩湖に最も近い村ということでたくさんの観光客が訪れます.それらの人たちを相手にするお土産物屋もたくさんありました.私とKは近くにあった塩の博物館を見学したりして過ごしました.
村の観光が終わるとちょうどお昼時,この日はウユニの町に繰り出してランチとなります(村には外国人観光客向けのレストランはないということらしい).入ったのは Sal Negra (黒い塩の意)というレストラン,メニューはスープとチキンパスタでした(麺は完全にソフト麺,この辺は仕方ないか).私のテーブルはKともう一人の男性参加者,高坂先生だったんですが全員ビールを注文しました(例のフアリビール).ちなみに直後に別な日本の団体客も来たんですが,我々の注文した分でビールの在庫が無くなったらしく,急いで取りに行ってた模様です(笑).
(左写真26) はるか太平洋に続く線路,(右同27) お約束です
ランチ後は町の郊外にある列車の墓場と呼ばれるスポットへ.ここは元々鉱物資源を太平洋沿岸に運ぶ鉄道の拠点だったそうですが,鉱業の衰退とボリビアが戦争に敗れて海を失ったことも相まって,使われなくなった列車が朽ち果ててこのような姿になったとのこと(隣国のチリが車両の購入を持ち掛けたらしいんですが,チリとの戦争に敗れて領土を失ったボリビアはプライドのためにこの申し出を拒否したらしいです),今ではウユニの町の観光名所になっています.
その後は一旦ホテルに戻ります.途中でビクーニャの姿を見つけて撮影タイムとなりました.結局ホテルに着いたのは15時半ごろ,フロントでカギをもらいます.この日から部屋が変わるんですが,なんとデラックスルームにグレードアップ! ここは新しい宿泊棟らしく,まだ工事が完全には終わっていないようでした(ほんのりと有機溶剤の匂いも 笑).昨日泊まった部屋は床まで完全に塩だったんですが,デラックスルームは床はフローリングでだいぶ寛ぎやすかったです(塩の床は昨夜経験したから良しとしましょう 笑).
(左写真29) 壁は塩のブロック,(右写真30) デラックスルームです
夕方まで休んで,再び夕日ツアーに出発です.この日は昨日とは違うスポットへ.もちろん場所の選定はレジェンドのトシさん,30分ほど走って到着しました.この日は夕日は昨日とはまた違ってきれいでした(レジェンドも「なんだ!この色は!」と叫んでいたほど).一同夢中になって写真を撮ったのはいうまでもありません.途中みずえさんが用意してくれたホットワインもいただきました(美味しかったです (*^^)v).
日没後夕食のためホテルに戻ります.食事は昨夜と大差がないメニューでした(スープの種類が微妙に変わっていた).夜は昨夜行けなかった星空ツアー,その代り明日の朝はゆっくり… の予定でしたが,またしても雲が広がってきたために星空ツーは中止に(泣).明日朝再びチャンスを狙うことになったのでした.私とKはレストランで寝酒用のワインを調達して部屋に戻ったのでした(この頃には日本から持ってきた緊急用ウィスキーは無くなっていたので).
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コメント
ビザ皇帝様、こんにちは。
ウユニ塩湖は、本当に幻想的ですね。
ネタ写真、楽しませていただきました。
新選組inウユニ塩湖もナイスですね(笑)。これまた不思議な感じ・・・。
星空ですが、日本で見られない南十字座が見られたのは貴重でしたね。
投稿: まりも | 2015年3月 7日 (土) 08:31
まりもさん
こんにちは,コメントありがとうございます.
ウユニ塩湖は本当に幻想的な雰囲気で,地球上にこんなところがあるんだ!という感じでした.
新選組ネタは特に旗の赤が絶対映えると思ってました.
ネタ写は実は翌日が本番です(笑).
星空は月がなければもっとよく見えたのにと,ちょっと残念でした.
投稿: ビザ皇帝 | 2015年3月 9日 (月) 05:51