地下鉄の所要時間
世間では三連休となるこの週末,その初日である10月11日は午前中からは内科学会の地方会に参加するため,都内の日内会館に出かけました.今回は特に演題を出しているわけではなかったんですが,参加するだけでも認定更新に必要な単位がもらえるからです.
自分に興味のあるセッションを中心に参加し,会場を後にしたのは3時半ごろ,この後夕方からは合唱団の練習が赤坂であるんですが,それまではまだ3時間近くあります.「どこかで時間をつぶすにしても長いな」と思っているうちに,頭の中には「そうだ,あの実験をやってみよう」という考えが浮かびます.
あの実験とは,「新宿から六本木までメトロの丸ノ内線・日比谷線乗換で行くのと大江戸線一本で行くのとどちらが速いのか?」です.乗換案内などで検索すると,圧倒的に大江戸線の方が早いような結果が出ます.この手のソフトは単純な乗車時間と複数の電車を乗り継ぐ場合には標準的な乗り換え時間を合計したものが出てくるので,それだと大体大江戸線が9~10分,メトロの乗換だと23~24分と案内されます.
しかし,地下鉄はあくまでも移動の手段であり,真の所要時間は自分の出発地からその目的地までなハズです.この点を考慮すると,丸ノ内線や日比谷線は地下の比較的浅い部分を走っているため,出発地や目的地へのアプローチは容易です.一方で大江戸線は新しい路線なので,地底かなり深い部分を走っており,地上からだとホームにたどり着くまでが結構大変です.その辺も考慮した真の所要時間を自分で体験してみようという企画です.今回出発地に選んだのは,自分が利用する機会の多い,小田急新宿駅の4/5番ホーム中ほどにある,登り階段の脇にしました.そしてゴールは六本木の中心地とでもいえる,六本木交差点としました.小田急新宿駅ホームに待機して午後4時ちょうどにまずはメトロ経由での実験開始です.
16:00 小田急新宿駅4/5番ホーム出発
16:01 小田急西口改札通過
16:03 丸ノ内線改札口通過
16:03 丸ノ内線ホーム到着
16:04 丸ノ内線池袋行き発車
16:18 霞ヶ関駅到着
16:19 日比谷線ホーム到着
16:20 日比谷線中目黒行き発車
16:24 六本木駅到着
16:25 日比谷線改札口通過
16:26 六本木交差点到着
結局26分で到着しました.ちなみに歩行は,自分にとっての普通の歩行です(世間の平均よりは少し早い程度).基本的に疲れることはしないので,階段とエスカレーターがある場合は基本エスカレーター,ただし登りの際はエスカレーター歩きはしません(下りはすることも).エレベーターは利用しません.
来たコースを戻って再び小田急新宿駅ホームへ.今度は午後5時ちょうどに大江戸線の実験開始です.
17:00 小田急新宿駅4/5番ホーム出発
17:01 小田急南口改札通過
17:03 大江戸線改札口通過
17:05 大江戸線ホーム到着
17:06 大江戸線都庁前行き発車
17:16 六本木駅到着
17:21 大江戸線改札口通過
17:23 六本木交差点到着(1時間前と同じ場所ですが,だいぶ暗くなっています)
実験の結果,所要時間は26分対23分とわずかに大江戸線有利という結論が出ました.乗車時間で圧倒的優位の大江戸線が僅差での勝利となったのは,やっぱり地上からのアプローチで,特に六本木駅ホームに降りてから目的地までの時間が7分というのがマイナスになっています.対する日比谷線は六本木駅ホームからわずか2分という近さでした.
一方で新宿駅でのアプローチについては,ホームまで丸ノ内線3分,大江戸線5分と予想に反して大きな違いが出ませんでした.大江戸線が近かったというよりも,小田急のホームから丸ノ内線の改札までが意外と距離があったからです.
ちなみに今回の実験の精度はなかなかいいのではと思います.どちらもホームについたら電車がすぐ来たため,ホーム上での時間のロスもほとんどありませんでした.また同じ人間が歩いて実験しているわけですから歩行速度も変わらないわけです.
時間的には大江戸線がやや有利ですが,料金的にはメトロ195円,大江戸線216円とこちらはメトロがやや有利であり,総合した場合どちらに軍配が上がるかは議論がありそうです.
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