長興山紹太寺のしだれ桜
年度が替わった4月1日は朝から晴天でした.職場ではさっそく新しい職員のガイダンス等も始まっているんですが,自分はというと好天に惹かれて,見ごろを迎えたという噂のしだれ桜を見に行ってきました.
長興山の紹太寺は徳川幕府第三代将軍家光の乳母で,春日局ことお福の嫁ぎ先の稲葉家の菩提寺です.稲葉氏は安土桃山時代にはそれほど大きな家ではありませんでしたが,春日局の活躍によって出世し,寛永九年(1632年)に彼女の息子稲葉正勝が,8万5千石を与えられて小田原藩主になりました.江戸時代の小田原は西から攻めてくる敵を食い止める重要拠点であり,そこに封じられたということは,将軍家からの信頼の高さを物語っています.
さらにその子正則の代にたびたびの加増を受けるとともに,正則自身も順調に出世,寛文年間には老中首座となって幕政の中心で活躍しています.ちょうどその頃に彼が一族の菩提寺となっていた長興山紹太寺に父母と祖母春日局の霊を慰めるために植えたのがこのしだれ桜といわれています.
このしだれ桜はお寺の山門から長い階段をひたすら登ってたどりつくのが本来の道なんですが,ここは過去何度も登っているためにこの日はパスし,脇を走っている緊急車両用の道路を行きました(こちらの方が勾配は急ですが距離が短い).登ること10分でしだれ桜が見えてきました.
桜はちょうど満開を迎えていて,平日だというのにたくさんの観光客であふれていました(桜の前に茶屋があるんですが,そこも大賑わいでした).
このしだれ桜,かれこれ樹齢300年以上といわれており,近年は樹勢の衰えが見られるとのことで,以前は行われていた夜間のライトアップも中止するなど保護がなされるようになっています.
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コメント
こんばんは!
小田原にこんな素敵な枝垂れ桜があるんですね!
知りませんでした。
私は昨日、三嶋大社など三島の桜を堪能してまいりました♪
投稿: みゆみゆ | 2014年4月 1日 (火) 17:09
みゆみゆさん
小田原の桜というとお城がよく知られているんですが,この長興山紹太寺も地味に人気スポットなんですよ(ただアクセスが大変なのが難ですが).
三島大社の桜は規模が大きそうですね(その時期に見たことはないんですが…).
投稿: ビザ皇帝 | 2014年4月 3日 (木) 10:32