最近の国家試験の問題
冬といえば,各種試験シーズンでもあります.高校や大学の入学試験ももちろんですが,各種資格試験もこれから年度末にかけて行われるものが多々あります.医師国家試験もその一つです.
日本で医師になるためには大学で医学に関する課程を修了し,さらに国家試験に合格しなければなりません.このうち大学部分は文科省,国家試験部分は厚労省の管轄になるため医師養成には2つの役所がかかわっていることになります.
一般の学部だと卒業にあたって卒業論文が課されるところが多いですが,医学部には卒論は存在せず,代わりに卒業試験というものがあります.これは6年生の秋から冬にかけて行われる臨床各科(内科,外科から産婦人科,耳鼻科,眼科等臨床のすべての分野)と公衆衛生の試験で,これの全科目に合格して初めて卒業となります.逆に言うと一科目でも不合格だと卒業できないというかなりハードな試験です(この時期の医学部6年生はこの卒業試験と国家試験の準備を並行して行わなければならない).ただ,この卒業試験は大学独自に行われるため,試験の形式や内容は大学によってかなり違うようです.ちなみに私が卒業した大学では,当時の麻酔科の教授が医学史に造詣が深かったため,花岡青洲とか三国志でおなじみの華陀とかに関する問題が出て,「この忙しい時期に何が悲しくて漢文の勉強をしなきゃならないんだ」と思った記憶があります(笑).
一方の国家試験は全国統一の日程,問題で行われる一発勝負の試験です(卒業試験なら再試験やらなにやら救済手段があるが,こちらにはそのようなものはない).私が受験したころは2日間の日程だったんですが,必要な医学的知識が増えた昨今では,なんと3日間の日程になっています.
で,自分も某医学部で非常勤講師をやっている関係上,最近の国家試験の傾向を見てみようと,先日昨年の国試の問題を見ていました.自分の頃の試験問題はもっぱら医学的な知識を問うもののみだったんですが,最近では患者対応に関する問題も出ているようです.
正しい対応は「b」なんだろうなと思うんですが,内心「c」や「d」の対応をしたくなるケースもあったりします(汗).
国試の問題も時代とともに変化しているようです.
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コメント
医師国家試験は、患者対応に関する問題もあるんですか!!
・・・うーん・・・私は医師でもなんでもないですが・・・
確かに、bがベストっぽいですが、患者さんによっては、Cとかdのように強く言ったほうがいい場合もありそうですよね。
「人による」と答えてしまいそうです・・・選択肢にないですが(笑)
投稿: みゆみゆ | 2013年12月24日 (火) 12:14
みゆみゆさん
こんばんは,コメントありがとうございます.
時代の流れとはいえ,こういった問題まで出てくる時代になったんだなぁと感じました.
おっしゃる通り,模範解答はbなんでしょうが,ケースによってはcのように叱咤する方が有効な症例もありそうで,
はたして問題としてどうなのかという議論にはなりそうな気がしますね.
「人による」 その方が正解に近い気がします.
投稿: ビザ皇帝 | 2013年12月24日 (火) 12:48