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2013年1月19日 (土)

宇宙戦艦ヤマト2199 ~第四章~

 昨年の4月から映像展開が始まった宇宙戦艦ヤマト(いわゆるテレビ版第1作)のリメイク作品,宇宙戦艦ヤマト2199,旧作ファンとして見ておかねばと昨年4月に劇場で第一章ウィ見て,「なかなか面白いじゃないか」と思ったため以来欠かさず鑑賞しています.今回は第四章「銀河辺境の攻防」が1月12日から2週間の限定で劇場公開されているため,おとといの1月17日に見に行って来ました.

G1_259 今回の第四章は,将来テレビ放送される際の第11話から第14話に相当します.全26話ですからちょうど中間地点のエピソードということになります.

 宇宙戦艦ヤマト2199は旧作ヤマトのリメイクではありますが,もちろんすべて同一というわけではなく,設定その他に新しいものが数多く取り込まれています.ストーリー的には第一章,第二章はかなり旧作に忠実,第三章になってオリジナルな内容が登場していました.そして今回の第四章はほぼ旧作にはない新しいエピソードが中心になっています.

 以下ネタばれ注意

 大筋の流れとしては太陽系を脱出したヤマトがイスカンダルへの中間地点であるバラン星を目指すところです.旧作では宇宙嵐に阻まれて航海が大幅に遅れ,ヤマト艦内が不穏な雰囲気になる話やビーメラ星での森雪とアナライザーの話,ドメル将軍が登場してヤマトと初めて対峙する話が出てくるあたりです.

 今回の第11話では前回の次元断層脱出の経緯でヤマトの捕虜になったガミラス士官(実はガミラス航宙艦隊司令長官ディッツの娘)をめぐるヤマト乗組員の葛藤が描かれるんですが,注目したのはその前のシーン.ドメルの艦隊が小マゼラン銀河方面で敵と戦っているシーンが登場しますが,なんとその相手はあの白色彗星帝国(ガトランティス帝国)の空母や駆逐艦じゃあありませんか!! 後にデスラーが亡命する先である白色彗星帝国とこの頃のガミラスは戦っていたわけですね(描写の様子では全面戦争というわけではなく,国境をめぐっての小競り合いという感じでした).と,本筋に関係ないところで感動したのでした.それ以外では無断で戦闘機を発進させた揚句機体を全損させてしまった航空隊員が営倉入りになる場面も面白かったです(ヤマトにも営倉があったのね 笑).あと森雪と航空隊士官が大浴場でくつろぐシーンが… これは完全にサービスシーンでしょうが,宇宙空間では水は極めて貴重品でしょうしこんな大浴場をどうやって維持しているのか不思議に思いました(戦艦大和の場合は周囲が海ということで,海水を沸かした風呂があったそうですが,真水は貴重品なので兵士1人洗面器3杯の水で濯いでいたそうです).

 続いての第12話では大きな戦いはなく,ガミラス側ではドメルが本星に呼び戻されて勲章を授与されてそのまま銀河方面司令長官に転属される話が中心です(この場面だけは旧作にもあった).ここでここでドメルに妻がいることが判明します.またデスラーはというとホットラインで何者かと電話中,なにやら親密な様子です.側近たちはその内容に興味深々なようですが,電話の相手は… まあ,あのお方でしょうね(笑).一方でヤマト側では前回の続きで古代と島が言い争いを始めます.旧作では宇宙嵐に遮られて航海が遅れていることにいらだち,将棋盤をひっくり返して喧嘩するシーンが印象深かったですが,今回の方がスマートだと思いました(罰として沖田から艦内掃除をさせられるあたりは学園的ですが).また機関室では旧作で反乱をおこす藪機関士が不可解な行動を… これは今後に注目です.

 第13話はドメルが呼び寄せたガミラスの次元潜航艇とヤマトの戦いが描かれます.次元潜航艇という艦種は旧作にはなく,これは後のテレビ版ヤマトⅢに登場するものです(艦長もⅢと同名のフラーケン).突如魚雷攻撃を受けるヤマト,敵の姿は見えない,第一艦橋内に緊張が走ります.その中で突然沖田が倒れ緊急手術が行われることに,乗組員に動揺が広がります.この緊急事態に副長の真田さんが指揮を執ることになりますが,敵は亜空間に潜んでいるなろうとまずは的確な判断を下し,星間物質が密な原始恒星系にヤマトを隠します.そこからは潜航艇とのにらみ合いとなり,動いてきた敵にヤマトはどう反応する! という段階で新見情報長と古代戦術長の意見が対立,真田さんは新見の意見を採用します.しかしその策が裏目に出てヤマトはピンチに,一方で古代は独断で自分の作戦を実行,結局これが功を奏してヤマトは次元潜航艇の回避に成功したのでした.結果オーライですが,古代の行動は明確な軍紀違反です.しかし真田さんは結局おとがめなしで済ませてしまいました.個人的にはここは許しはしつつもとりあえずは古代は営倉入りにして欲しかったですね(前話で航空隊士官山本は営倉入りになってるし,バランス的にも).一方で沖田の手術は無事に終了しました.佐渡先生が遠隔操作っぽく手術をしていましたが,映像から見て開胸術のようでした.沖田艦長の病気の種類がはっきりしませんが,発作の具合から虚血性心疾患かと思いました.なら開胸術じゃなく血管内手術にして欲しかったですね(術後の勤務復帰も血管内手術の方が断然早いし,組織への影響も少ないし).などと余計なところに突っ込みたくなる回でした(笑).

 そしてこの日最後の第14話,サブタイトルが「魔女はささやく」になっています.この回は前回とは打って変わって精神戦となります.古代と雪が哨戒任務から戻った時,ヤマト艦内はまるで無人のような状態になっていました.デスラー総統の側近の一人である女性閣僚セレステラがバラン星にある遺跡から超空間ネットワークを通じてヤマトの乗組員に精神攻撃を加えたのです.破滅に向かってひとりでに動き出すヤマト,古代たちはその動きを止めるために自動航法室に向かいます….古代や雪に襲いかかる幻影,旧作では両親がちゃんと登場する森雪ですが,今作では1年以上前の記憶をなくしている設定になっています.今後少しずつその過去が明らかになりそうな伏線でした.

 ネタばれ終わり

 いよいよ佳境には入ってきた宇宙戦艦ヤマト2199,第五章は4月13日からの公開だそうですが,同じく4月からTBS系日曜5時からテレビ放送も始まるようです.

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コメント

古代の軍規違反については、その後謹慎処分で任務を外されている事が14話冒頭で説明されてますよ。

投稿: TSH | 2013年2月28日 (木) 14:13

TSHさん

ご指摘ありがとうございました.そうだったんですね.
劇場で一回見ただけなので,スルーしてしまったのか記憶にありませんでした.
それにしても謹慎とは,営倉入りよりは罪が軽い印象です.まあ艦載機を1機全損させる方が罪が重いということなのでしょう.

投稿: ビザ皇帝 | 2013年3月 1日 (金) 14:17

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