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2012年7月20日 (金)

海軍の主計科

 先日宇宙戦艦ヤマト2199の話題を載せたんですが,作品中,主計科から航空隊に転属になる女性乗組員が登場します.

 今回のヤマトが旧作と違う点に階級や兵種の設定があります.現実の海軍の兵種を元に設定されているようで,戦術科や航海科,機関科,船務科など細かく設定されています(戦術科・航海科は旧海軍では一括して兵科に分類されます).そして件の主計科も立派に存在していました.

 主計という用語から類推される有名なものに,財務省主計局があります.ここは国の予算編成を主な業務とする役所です.政治とはすなわち税金の使い道をどうするかということですから,税金の使い道である予算編成を握っている財務省主計局の権限は非常に大きく,役所の中の役所,キングオブ役所とでもいえるところです.実際に主計局長を務めた人物は,ほぼ例外なく財務事務次官(財務省の事務方トップ)に昇進しています.

 そんなデスクワークの権化のような名称を持っている海軍の主計科,ここもデスクワークのイメージがします(実際主計科の兵士,主計兵の袖章は筆のマークだったそうです).しかし,現実にはデスクワークをしているのは幹部クラスの人たちだけで,一般の主計兵の業務はというと,烹炊所と呼ばれる軍艦内の厨房でひたすら食事の支度をすること,すなわち飯炊きだったそうです.海軍主計兵として徴兵され,大戦中に戦艦霧島などに乗務した経験を持つ高橋孟さんの著書,「海軍めしたき物語」は世間にはあまり知られない軍艦内における主計兵という存在にスポットをあてたもので読みごたえがあります(高橋さんは徴兵時に第1志望を機関科,第2志望を主計科で出したそうです.主計科という名前のイメージから事務で楽そうだからという理由だったそうですが,現実を知った時は唖然としたそうです).

 ひるがえって宇宙戦艦ヤマトの主計科,もちろん厨房はあるハズですが,劇中の艦内食堂はカフェテリアの雰囲気,先の著書のイメージを全く彷彿させない点に時代の変化を感じたのでした.

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コメント

伯父(A)、父(A)、母のいとこ(N)叔父(N)文系で徴兵されたのは皆主計科でした
経理学校の演習では米軍が使ってる沼図の上陸場で一戦交えて御殿場線沿線で戦闘して分倍河原で決戦、後はゲリラ戦というトホホな橋頭堡からのシナリオだったそうです
計算尺が使えロジスティックスの勉強をしてた為内地勤務ですんだそうです
高校同級生のコネで物資調達をしてたからかもしれません

投稿: Gustus | 2012年7月23日 (月) 20:44

Gustusさん

こんにちは,コメントありがとうございます.
主計科関係者が多いんですね.
みなさん経理学校に行ってらっしゃいますから,本当のデスクワーク部門に配属されたようですね.
「海軍めしたき~」の著者も後に経理学校に入ったためその後は事務系に回ることができたそうです.もっとも学校の成績が良くなかったそうで,内地勤務ではなく輸送船勤務になってしまったそうですが…

経理学校でも机上演習があったんですか,外向けの発表はともかく,内部での研究は正直にやらざるをえませんから,トホホになってしまうんでしょうね.

投稿: ビザ皇帝 | 2012年7月24日 (火) 07:24

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