ロンサム・ジョージ死す
今日のニュース記事に出ていた話題ですが,南米ガラパゴス諸島のピンタ島出身の最後のゾウガメが亡くなったそうです.
ガラパゴス諸島はダーウィンの進化論発祥の地と言われるように,構成する島毎に固有種が生息していることで知られています.このゾウガメについても,ガラパゴス諸島では島が違えば生息するゾウガメもその紋様などが異なっており,島が違えばゾウガメの種も異なります.ということは,ある島からゾウガメがいなくなれば,それは一つの種の絶滅を意味するわけです.事実20世紀初頭には諸島のうち,サンタ・フェ島とフロレアナ島のゾウガメが絶滅してしまったのです.
今回死亡したゾウガメの出身地のピンタ島でも,かつてはすでにゾウガメは絶滅していたと思われていたのですが,1971年に2頭の生息が確認され,そのうちの1頭が今回のゾウガメでした.もう1頭のゾウガメは発見後まもなく死亡してしまったため,このゾウガメがピンタ島出身のゾウガメ(ピンタゾウガメ)の最後の個体となっていたのです.このゾウガメの愛称がロンサム・ジョージでした(ロンサムとはひとりぼっちの意).彼が死んだことでピンタゾウガメは絶滅した可能性が高いといわれています(ピンタ島にまだ別の個体が生息していない限り).
私もガラパゴス諸島は未訪ですが,以前インド洋に浮かぶセイシェル諸島でゾウガメを見たことがあります.巨大なその体に似合わない(?)愛嬌のある顔がとても素敵なカメでした.
ちなみにさいとうたかお氏の劇画,ゴルゴ13にこのロンサム・ジョージを扱った作品があります.リイド社のコミックスだと第84巻に収録されています(私もこの作品で彼の存在を知りました).
ロンサム・ジョージの冥福を心からお祈りいたします.
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コメント
ロンサムジョージ・・・何かの記事で見たことあります。絵本にもなっていたかな??
写真も見ましたが、おめめがつぶらで愛嬌のある子でしたが・・・なんとなく寂しそうに見えたのは私だけ??
あの可愛らしい姿がもう見れないと思うと・・・寂しいです(TT)
いつか会いに行こうと思っていたのに・・・。
投稿: キョンチママ | 2012年6月25日 (月) 13:39
お久しぶりでございます。最後の個体って、名前のとおり、寂しいだろうなあ…と感じた覚えがあります。冥福をお祈りします。
土方家の梅といい、寂しいニュースが続きますねぇ
投稿: おねえさま | 2012年6月25日 (月) 16:19
キョンチママさん
ロンサム・ジョージ,私が存在を知ったのはゴルゴ13ででした.
絵本にもなっているんですね(環境破壊の問題点を子供向けに教えるにはいい題材かもしれません).
何度か近縁種との交配も試みられたようですが,上手くいかなかったみたいですね.
投稿: ビザ皇帝 | 2012年6月26日 (火) 14:36
おねえさま
こんばんは,お久しぶりです.コメントありがとうございました.
最後の個体,本当に寂しいですね.
彼らにそうした意識があるのかどうかはわかりませんが,
あの寂しげな雰囲気からは,やっぱりなにか感じるものはあるんでしょうね.
投稿: ビザ皇帝 | 2012年6月26日 (火) 14:38