戸定邸
昨日3月31日は朝から雨降り,おまけに風が強く各地で電車が停まったりして混乱した一日でした.本来この日は出勤しなければならない日だったんですが,急な勤務変更があって一転してお休みになりました.
というわけで,せっかくの休日だからと出かけたのが千葉県松戸市にある表題の戸定邸です.「どこそれ?」という声が聞こえてきそうですが,ここは江戸幕府十五代将軍徳川慶喜の実弟で最後の水戸藩主となった徳川昭武が後半生を過ごした屋敷なんです.
徳川昭武は慶応三年(1867年)に開催されたパリ万国博覧会に将軍慶喜の名代として派遣された人物です.万博に参加する傍ら欧州各国を歴訪し,フランスのナポレオン3世やイギリスのビクトリア女王とも会見しています.日本の歴史上,時の政権の重要人物がヨーロッパに行ったのは彼が初めてだと思います.私が好きな大河ドラマ「獅子の時代」の最初にも登場しています.
維新後は一時軍人になりますが,明治17年(1884年)に松戸の地に戸定邸を建てて隠居,以後は写真や狩猟,自転車などの趣味に生きて明治43年(1910年)に亡くなっています(31歳で隠居なんて凄い気がしますが,江戸時代には商家でもこれくらいでの隠居はよくあったらしいです).
そんな昭武の晩年の住処である戸定邸,一度行ってみたいなと思いつつ行けないでいたので,この機会にと出かけてきました(雨降りしかも常磐線は大風のためダイヤが乱れていたんですが,構わず出かけました 笑).場所はJR松戸駅から歩いて15分ほどのところです.悪天候もあって観光客はほとんどおらず,貸し切りに近い状態で見ることができました.建物は明治期の建設ではありますが,屋敷の造りは江戸時代の大名屋敷の流れをくんでおり,渡り廊下によっていくつかの棟が連結されている構造になっています.
そばには昭武や慶喜関連の資料を展示している歴史館もあります.パリ万博関係の資料もあるかなと入ったんですが,その辺の資料は企画展の時にしか出さないのか(この日は常設展でした),ありませんでした(残念).今度企画展の時に再訪したいと思います.
なお1867年のパリ万博が開幕したのが,今から145年前の今日4月1日なのでした.
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