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2012年4月19日 (木)

宇宙戦艦ヤマト2199 ~第一章~

 私は宇宙戦艦ヤマトの世代です.この作品は原作・西崎義展氏,監督・松本零士氏で昭和49年に最初のテレビ放送が行われましたが,裏番組に強力な作品があったため視聴率的には低迷し,それほど注目されませんでした.しかし,その後の再放送で徐々に人気が高まり,劇場版の公開で一気に人気に火が付いたのは有名な話です.その後もテレビ版,劇場版両方で続編が作られました.途中著作権をめぐる訴訟があったりしましたが,作品そのものは継続的に販売されており,最近では2010年に実写版映画の公開があったのは記憶に新しいところです(先日テレビでもやってました).

Img006 そんな宇宙戦艦ヤマトの第1シリーズをリメイクした作品が表題の宇宙戦艦ヤマト2199です.監督は出渕裕氏,予定では旧作と同様テレビシリーズ26話で,2013年以降に放送される予定だそうです.そしてそれに先だって劇場で先行公開することになり,今回はその第1話,第2話が4月7日~20日まで期間限定で公開されています.以前から気になっていたので,昨日都内に出かけていた帰りに横浜ブルク13に寄って鑑賞してきました.

 公式サイトによると

 「宇宙戦艦ヤマト」は、1974年に読売テレビ系列で放送され、今なお絶大な人気を誇るTVアニメシリーズです。

 「宇宙戦艦ヤマト2199」は、そのTVアニメシリーズ第1作をベースに、
 新たなスタッフで制作する完全新作TVアニメーション用シリーズ作品です。

 とあります.サイトを見てみると,メカなどの基本コンセプトは一緒のようですが,キャラクターは今風(笑),期待半分不安半分といった感じでした.

 (以下ネタばれ注意)

 で,感想ですが,まずは26回シリーズのテレビ版ですから,映画版とは違ってストーリーが詳細に描かれています.今回は第1話&第2話でヤマトが発進するところまででした(旧シリーズでは第3話でヤマト発進だった記憶があります).キャラと声優の違いは最初は違和感がありましたが,10分もすれば慣れてしまいさほど気になりませんでした.ストーリーは旧作ベースではありますが,修正が施された点もありました.

 たとえば,サーシャの乗った宇宙艇が火星に不時着して古代と島がそれを発見するシーンは,旧作ではほとんど偶然の産物で,しかもこの時が地球人とイスカンダルとの初遭遇でしたが,新作ではサーシャ飛来の1年前にすでにスターシャは別のメッセージを波動エンジン設計図とともに送り込んでおり,今回の飛来はその最後の部品を届けるものと変更されていました.これは,旧作の設定だと地球人が波動エンジンの設計図を手に入れてからヤマトが完成するまでがやけに早いのではという指摘があるからと思います.そしてそれに付随して第1話冒頭で描かれる地球艦隊とガミラス艦隊との冥王星付近での戦いも,旧作では地球側が一方的に敗れるまさに絶望しかない戦いだったのに対して,新作ではサーシャの飛来からガミラスの目をそらすための陽動作戦という位置づけに変更され,その結果,戦いも戦術的には地球の敗北ではあるが,イスカンダルのメッセージを無事に受け取れたという意味で戦略的には成功したといえる救いのあるものになっています(古代守の乗艦するユキカゼが撃沈されるのは一緒ですが).

 また設定で,ガミラスの遊星爆弾で地球が放射能汚染されるという話が,放射能という言葉が削除され,風の谷のナウシカに出てくる腐海のイメージに近い概念に変更されていたのは今の世相を反映しているものと思われます.登場キャラは基本的には旧作に忠実ですが,旧作では女性乗組員が森雪くらいしかいなかったのに対して,今回はたくさんの女性乗員が登場するのも21世紀らしいといえます.また,乗組員も役職とともに階級が設定されているのも,みんな軍人なんだから当たり前といえば当たり前ですね.しかも階級が自衛隊風の一尉とか三佐とかなのが興味深かったです(ちなみに真田さんは三佐,古代進や島大介,森雪は一尉だそうです.真田さんはともかく,古代たちは進級が早すぎないか!).これも自衛隊の存在がほとんどの国民に当然のものと認識されている今の時代を映しているんでしょう.

 一方で旧作の第2話で描かれていた実際の戦艦大和の最期を描いた部分は描かれていませんでした.これも上述の設定変更に伴い,ヤマトの出撃が前作ほどの悲壮感に覆われたものではなく,宇宙戦艦ヤマトは戦艦大和の生まれ変わりではないということなのでしょう.さらに細かい点では,旧作では名物だったアナライザーの森雪へのセクハラ行為(要はスカートめくり 笑)が無くなっていました.これもそういうものは排除していくという21世紀社会の姿勢の反映でしょう(か?).

 第1話&第2話で1時間弱の上映,アニメもさすが現代作品だけあってきれいでしたし,私的には満足できる内容で,続きが楽しみだなと思いました.

 

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コメント

こんばんは、ビザ皇帝様。
色々こだわりの新設定は好感が、持てますよね。でもキャラにアホ毛があるのはどうも・・・「放射能」も出てこないのですね。旧帝國海軍階級じゃないのも残念が気がします。やはり松本零士っぽさが欲しいですよ。
予告見て一番気になったのは発射の時の掛け声が全員「ってー!!」
きちんと「撃てー!」と言わないのはなぜ?

投稿: KAGAYAKI快男児!! | 2012年4月20日 (金) 02:25

KAGAYAKI快男児!!さん

こんばんは,コメントありがとうございます.
アホ毛に関しては監督は反対だったらしいんですが… その辺も21世紀なんでしょうね.

階級に関しては私は自衛隊風でいいと思います.女性乗組員がいる状況もありますし,なんといってもレクレーション施設が充実しているヤマトには,帝国海軍の月月火水木金金のイメージはありませんから(笑).

松本零士氏は本作品には一切関与しないと思いますから,それっぽさがあったら逆にマズイかもしれませんね.

投稿: ビザ皇帝 | 2012年4月20日 (金) 22:22

通りすがりに失礼します

KAGAYAKI快男児さんへ
>発射の時の掛け声が全員「ってー!!」
 きちんと「撃てー!」と言わないのはな  ぜ?
おっしゃる様に陸軍では「撃てー」と号令を掛けますが

海軍では「撃てー」と言わずに「ってー」
というのです、現代の海上自衛隊でも同様で海軍用語です
旧作ではその他にも「面舵」「取り舵」
「よーそろー」
てゆう用語も使用していました

投稿: | 2012年4月28日 (土) 03:57

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