幕末の青嵐
この冬は全国的に気温が低く,日本海側を中心にたくさんの雪が降っているようです.南国九州の鹿児島でも雪マークが出ていました.鹿児島の雪なんて,西郷どんが決起した西南戦争以来ではなどと考えてしまいました(ウソウソ).
さて,今日のテーマは久しぶりに新選組,先日近くの書店を覗いたら平積みになっていた本です.
タイトルは新選組幕末の青嵐,著者は木内昇氏,字面だけだと男性かと思いますが実は女流作家です(きうち のぼり さんとおっしゃいます.「漂砂のうたう」で第144回直木賞を受賞されています).実は本作は著者の処女作にあたります.
本作の特徴は新選組の歴史(下澤寛氏の新選組始末記をベースにした正統的なもの)を継時的に,かつ重要な局面に区切って,しかもその場面ごとに重要な位置にいた人物の目線で見たものとなっている点です.重要な人物といっても近藤や土方,沖田といった主要人物だけではなく,たとえば遠景の光の巻の「今の若いものは」の章は浪士組を率いて上洛した旗本,鵜殿鳩翁の視線でにわかに天下の雑群を率いる羽目になり困惑した様子が描かれていますし,初期には清河八郎や山岡鉄太郎が主役の章もあります.一方で新選組を物心両面で支えた佐藤彦五郎が中心となる部分もあり,通して読むことで一面的ではない,さまざまな人物の思いが錯綜した新選組の歴史絵巻を楽しむことが出来ます.
出張のお供に少しずつ読んできたんですが,魅力的な文章と相まって,久しぶりに楽しめる本に出会ったなと思いました.
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コメント
すぐ手がかじかんで寒さに弱い私です。(幼少の頃、ソリ遊びで手が冷たく痛くなって泣いて帰る。)
今晩もシバレテいます。お晩です、ビザ皇帝さま。
私は読書しないのですが、なかなか興味深い作品ですね。
投稿: きらめき快男児!! | 2012年2月 2日 (木) 18:21
気になるぅ〜(><)明日本屋さんにいってみよう!ひの新選組まつりの、隊士募集ももうそろそろかなと待ち遠しい今日この頃です。ご紹介をいただいたこの本を読みながら待ちたいと思います
投稿: おねえさま | 2012年2月 3日 (金) 14:00
さっそく図書館で探してみましょう。
・・買わない私。木内さんごめんなさい
最近新撰組関連の本は読んでいないので嬉しい情報です。ありがとうございます。
(オセッカイですが、青い文字で書かれたタイトルは漢字の間違いかな?)
投稿: パンダ子 | 2012年2月 4日 (土) 08:00
きらめき快男児!!さん
こんにちは,コメントありがとうございます.
今年ほど「この冬一番」という言葉を聞き飽きた年はないですね.本当に寒い日が続いています(私も寒いのは大の苦手です 笑).
私は映像作品も好きですが,文字から情景を想像していくのも好きなんですよ.
投稿: ビザ皇帝 | 2012年2月 4日 (土) 09:18
おねえさま
こんにちは,いつもありがとうございます.
私はゲーム系の新選組には全く興味がないので,こういう基本をベースにした小説の微妙なソースの味付け的な違いを楽しむのが好きだったりします.ぜひお読みになってください.
ひのパレの募集は例年2月中に始まりますが,今年はどうなるのかですね.気長に待つことにしたいと思います.
投稿: ビザ皇帝 | 2012年2月 4日 (土) 09:28
パンダ子さん
こんにちは,コメントありがとうございます.
図書館… にもあるかもしれませんね(なかったら古書でも購入してみては).
新選組の通史的な小説は山ほどありますが,こういう章ごとに視点を変えた造りのものは見たことがなかったので新鮮でした.
文字は… あっ,誤字でしたね.「セイラン」で変換したんですが,これだと潜水艦搭載の攻撃機になってしまいます(笑).直しておきます.
投稿: ビザ皇帝 | 2012年2月 4日 (土) 09:35