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2011年10月 7日 (金)

怪獣使いと少年

 電車で出張のお伴は本です.最近では電子端末を使っての電子図書もありますが,昔ながらの文庫本の味も忘れられません.大抵は雑学本などの肩の凝らないモノなんですが,たまにはそうでないのを読むこともあります.

4796618384 で,ここ1,2週読んでいるのが,切通理作氏の著,「怪獣使いと少年」です.これは昭和40年代に放送され,当時の子供たちの絶大な支持を得ていたウルトラマンシリーズの脚本家たちの人物像・作風などを考察した本です.ウルトラマンシリーズでは複数の監督や脚本家が同時進行的に話を収録していくスタイルで製作されていました.そのため同じウルトラマンでも脚本家や監督の思想によって世界観なんかが大きく異なっていたのです(な~んて偉そうなことをいってますが,当時の私がそんな違いを理解できるはずもなく,大人になってから見直してそれとわかった程度です).

 タイトルとなっている「怪獣使いと少年」というのは,昭和46年(私は幼稚園だ 笑)に放送された帰ってきたウルトラマン第33話のタイトルです(脚本は上原正三,監督は東條昭平.帰ってきたウルトラマンは昭和40年代後半という高度経済成長に陰りが見え始め,公害問題など社会のひずみが現れてきた時代に製作されたためか,結構シリアスな人間ドラマを描いていました.特に30話台には重苦しい雰囲気の作品が多かったんですが,その中でもとりわけ強烈だったのがこの回です.

 テーマは差別といじめ,そしてちょっとしたことがきっかけで理性を失い暴徒化する大衆など,現在も根強く残っている社会の暗部をこれでもかとえぐり出している作品です.本放送だった幼稚園時代はよく意味がわからず,ただウルトラマンや正義のチームがあまり活躍しない面白くない話だなという認識でしたが,大人になってから見直した時には,「よく子供番組でこんな重苦しい作品が作れたものだ」と感心(?)した記憶があります(なんたって,本来なら人間の味方になって怪獣をやっつけるウルトラマンが,大衆に怒るのですから).

 近未来的な純粋SFヒーロー作品だった初代ウルトラマン,同じく近未来で宇宙の中の人類というテーマのウルトラセブンに対して,現代社会を扱って極めて人間臭い帰ってきたウルトラマン,この機会にまた見てみたいななどと思ったのでした.

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コメント

ビザ皇帝様、こんばんは。
ウルトラマンメビウス32話「怪獣使いの遺産」は続編ですよ。
スペクトルマンもそうですが、社会性の高い話がありますよね。

投稿: きらめき快男児!! | 2011年10月 8日 (土) 10:28

先生、こちらではお初でございます!!
きらめき快男児様が先に書かれてますが、
メビウス32話は「怪獣使いと少年」の解決編的なエピソードです。
是非是非見ていただきたいです(ムルチも出るし^^)

て言うかメビウス自体が昭和ウルトラファンへの最高のプレゼントみたいな作品ですので
この機会にDVD全巻レンタルをお勧めしますよw

投稿: フロどん | 2011年10月10日 (月) 14:56

ビザ皇帝様、(先日は大変失礼しました)フロどんさんのおっしゃる通りです。
昭和ウルトラシリーズの数々の心残り部分をファンの納得のいく形で解決編としてみせてくれた集大成的作品です。
私は「80」の卒業式に感動しましたし、メフィラス星人の光線を片手ではじいてみせる初代マンの場面が好きです。

投稿: きらめき快男児!! | 2011年10月10日 (月) 17:39

きらめき快男児!!さん

こんばんは,コメントありがとうございます.
私はウルトラマンレオを最後に見なくなってしまったのでメビウスは未見です.

昭和ウルトラマンの怪獣や宇宙人が多数登場するシリーズなんですね.
こんど探してみたいと思います.

メフィラス星人…
当時所持していたウルトラマン大百科に,「いつも悪いことばかり考えているメフィラス脳」と出ていましたが,悪いことばかりってどんなだろうと当時は素朴に思ってました(笑).

投稿: ビザ皇帝 | 2011年10月10日 (月) 18:33

フロどんさん

こんばんは,ご訪問&コメントありがとうございます.
ウルトラマンメビウス,こんど探してみます(って,レンタルもあるんですね.今ミラーマンをレンタルで鑑賞中,で次は先日購入したカラー版ウルトラQを見るのでその次あたりに 笑).

ムルチ懐かしいです.怪獣使い~の時は雨の中の死闘でしたが,翌年のウルトラマンAの際には超獣ドラゴリー(だったかな?)にズタズタにされる役回りでかわいそうでした.

投稿: ビザ皇帝 | 2011年10月10日 (月) 19:01

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