猿の軍団
先週SF作家の小松左京氏が亡くなったというニュースが流れていました.
小松左京氏は福島正実氏や筒井康隆氏などと並ぶ日本SFのパイオニアの一人です.子供のころからSF大好き少年だった私にもなじみのある作家です.
日本のSFの夜明けはアメリカやイギリスに大きく遅れ,1959年のSFマガジンの創刊からですが小松氏はこの創刊直後のSFマガジンに衝撃を受けてSFを書こうと決意したんだそうです.その最初のSF作品が1961年の「地には平和を」で,これは第1回のSFコンテストに入選しています.
小松氏といえば有名なのがテレビドラマや映画にもなった「日本沈没」や「復活の日」などの終末モノ(?)ですが,これらが書かれたのは東西冷戦やオイルショックによる狂乱物価,公害問題などから,世間に終末観が漂っていた時代です.
さて,そんな小松左京氏といえば忘れられないのが表題の猿の軍団です.これは昭和49年に放映されたテレビ映画です.タイトルからピンとくるかと思いますが,アメリカ映画猿の惑星のヒットに触発されて作られた作品です.”二番煎じ”,”パクリ”といわれてしまえばそれまでなんですが,そう切り捨ててしまうには惜しい魅力にあふれた作品です.なんたって原作者に小松左京のほか,豊田有恒氏・田中光二氏というSFの大物をそろえ,製作はあの円谷プロなんですから.世界観や設定は結構練り込まれているし,猿の造形は本家よりもレベルが高いんじゃないかと思えるほどです.
(写真) 猿に軍団オープニング
そんな猿の軍団,放送時には裏番組に宇宙戦艦ヤマトとアルプスの少女ハイジがあったことでも有名です.後にブームになるヤマトもこの頃は超マイナーで,人気面では猿の軍団以下だったそうですが,なんといってもハイジの人気が圧倒的で猿の軍団は視聴率で敗れ去ってしまいました.とはいえ,これは大都市部での話で,私が住んでいた岩手県では当時民放の数が少なかったため,ハイジは同時間に放送されておらず,結果として猿の軍団を見ていた子供の割合は大都市部よりかなり高かったと思われます(私のクラスでもヤマトを観ていたのは少数派で猿の軍団の方が人気が高かったです).
今回小松左京氏の訃報に接し,この猿の軍団のDVDを借りて観ている次第です.
子門真人氏の歌うオープニングテーマが素晴らしく,頭の中で渦巻いています(猿のぐぅんだ~ん,猿のぐぅんだ~ん,何するもの~ぞ~,何するもの~ずぉ~).
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コメント
こんばんは、ビザ皇帝さま。
日曜8時TV版「日本沈没」も丁度、同じ頃の放送でしたよね?五木ひろしのOP曲が印象的です。6時に「好き好き魔女先生」だったかな?
北海道はUHF局が多く、昔からかなり民放が充実しておりましたので、日曜7時半の三つ巴では、我家では「ヤマト」でした。
(日曜7時ではミラーマンvsシルバー仮面vsマジンガーZと言う時もありました)
主題歌は任せてください!転調強弱が激しいですよね。
で、猿の軍団は一度も未見なのですが、(評論あらすじを見た限りでは、内容は、本家猿の惑星TV版よりは面白いでしょう!
投稿: きらめき快男児!! | 2011年8月 3日 (水) 17:15
きらめき快男児!!さん
こんにちは、コメントありがとうございます。
そうそう、日本沈没も同じ時期で、猿の軍団から日本沈没へと流れると、なんと1時間半にわたって小松左京ワールドだったんですね。
北海道は昔から民放が充実してたんですよね。ウチのKも言ってました。
ミラーマン、マジンガーZ、シルバー仮面のバッティングは聞いたことはありますが、岩手では3つとも全て違う時間でした ( ̄▽ ̄)。なので全て同じ頃に観ています。
主題歌披露の機会はまたぜひに。
投稿: ビザ皇帝 | 2011年8月 5日 (金) 09:06