2011年夏至考察
今日6月22日は2011年の夏至でした.夏至とはいうまでもなく,一年で最も昼が長い日(北半球だと太陽の南中高度が高い日)ということになります.要するにこの日を境にしてあとは日が短くなる一方なわけで,まだ真夏はこれからなのに… と複雑な気分にもなります.
日本では夏至の季節は梅雨時でもあるため,一般に天気が悪いことが多いんですが,今年の夏至は朝から晴天で太陽が燦燦と輝いていました.夕方からちょっと出かけたんですが,午後7時くらいでも結構明るかったです.
夏至は昼が長くて当時は夜が長い,まさにその通りではありますが,日本は緯度的に北緯30~40度の中緯度帯に位置しているので,東京あたりでは夏至の昼は14時間半,冬至の昼は9時間半程度とその差は5時間くらいです.夏至と冬至の昼夜のアンバランスは緯度が高くなるほど激しく,低くなるほど少なくなりますから,日本よりも緯度が高いヨーロッパではより露骨になります.この時期にフランスのパリ辺りに行くとサマータイムの採用もあいまって(サマータイムを採用すると南中時間が遅くなるため日の入り時刻がいっそう遅くなる),午後9時でもまだ明るい状態で感激します.そして更に緯度が高くなって,66.6度を越えるとついには夏至の季節には一日中太陽が沈まない白夜の状態になります(英語では white night とは言わず,midnight sun と呼ぶ).
ひと口に白夜と言っても北緯70度付近の白夜は真夜中には夕方のように薄暗くなりますが,より北の北緯80度付近まで行くと一日中景色が変わらないスーパー白夜になります.
(左) 北緯80度の夏至頃の真夜中(2003年訪問 スピッツベルゲン島ロングイヤービーエン),(右) 北緯70度の夏至頃の真夜中(1999年訪問 ノルウェー・ノールカップ) ともに方角は真北です.
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