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2011年2月17日 (木)

テレビの影響力

 近年ではインターネットにその王座を奪われた感もありますが,社会に影響を与える媒体としてマスメディアは大きな力を持っています.私が関係する医療の分野でもテレビで取り上げられると速やかにその影響が現れます.以前もやれココアがいいとか,赤ワインがいいとか様々な話題が出ては消えてゆきました.

 そんな社会的にインパクトのあるテレビ番組のひとつ,NHKのためしてガッテンで,昨夜高血圧が取り上げられました.普段はあんまりテレビを見ない人間なんですが,夕方番組予告を見て,「これは見なくては」と思ったのでした.とはいっても内容に強い関心があるというわけではなく,どういう論調で取り上げるのかが気になったからです.今回の番組ではある種の高血圧患者さんに対して利尿剤(おそらくはサイアザイド系)を投与することで血圧の著明な改善が得られたという話題を取り上げていました.

 高血圧は生活習慣病の代表選手みたいな疾患で,最近では身近に高血圧を持った知り合いが全くいないという人を探す方が難しいんじゃないかというほど身近な存在です.近年では治療薬も数多く発売されていて,その種類もARB(アンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬)やACE阻害薬,カルシウム拮抗薬,α・βブロッカー,利尿剤と多種にわたっています.最近では降圧効果が優れているなどの理由でARBやカルシウム拮抗薬が処方される機会が多くなっています.

 ただ,それらの薬では十分な降圧効果が得られない患者さんもまた多いのが実情で,そういった中の人に利尿剤を併用することでより高い降圧効果が期待できるという話でした.内容としてはもっともで,利尿剤は私が医学部生時代の薬理学の授業で高血圧治療薬の最初に習ったものです.それ自体はいいんですが,番組の中で「これによって3週間で血圧が正常になりました!」,「わずか10円の薬でこれだけの効果!(これはウソではなく,実際利尿剤は古い薬なので安い)」みたいな,まるでテレビ通販のような紹介をされていたのには閉口してしまいました.こんな紹介をして明日の外来はどうなるんだろうと…

 で,本日は外来だったんですが,予想通り「昨日テレビで見たんだけど」と,この話題を振ってくる患者さんが複数いました.さすが,テレビの影響はすごいなと改めて思ったのでした.先に私がこの番組を見たのも,外来での話題になることが確実と思われたため,内容を確認しておかなくてはと思ったからでした(自分で見てないと正確な論評ができませんから).

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コメント

ビザ皇帝様こんばんは。
さすが、先まわりで勉強家でいらっしゃいますね。
かつての「あるあるTV」でも同様な現象があったのでしょうねぇ?

投稿: おねむり快男児!! | 2011年2月18日 (金) 00:52

ビザ皇帝様 こんばんは!

わー、やっぱりそうなんですね。
バナナが身体にいいと放送された翌日に店頭からバナナが消え、釣り用にいつもバナナ買ってた父が不思議がってた事ありました。
一番いいのは偏らない食生活と規則正しい生活と体内リズム・運動という基本的なところですよね。

投稿: まーうさ | 2011年2月19日 (土) 21:55

まーうささん

こんばんは、コメントありがとうございます。
バナナダイエットに納豆ダイエットはやりましたね。
ただいずれもその後ウワサを聞きませんから、
効果のほどは … なんでしょうね。

やっぱり基本は適切な栄養摂取と適度な運動に勝るものはないということですね
(それが一番難しいというウワサですが)。

投稿: ビザ皇帝 | 2011年2月21日 (月) 18:16

おねむり快男児!!さん

こんばんは,順番が前後してしまいました.
メディアの影響は大きいですから,こちらとしても事前準備は欠かせません.

”あるある”は… あれはかなりひどい例もありましたね.「ためして」はまだかなりましな方だと思います.

投稿: ビザ皇帝 | 2011年2月21日 (月) 20:07

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