宇宙戦艦ムサシ
最近実写版が上映された宇宙戦艦ヤマト,最初の作品が作られたのは昭和49年のことで当時私は小学生でした.この時の本放送を見てはいたんですが,なにせ小学校の低学年でもあり,あまり印象には残りませんでした.世間的にもこの時はあまりヒットせず,半年の放送で終了しています.しかし,その後の再放送から人気が出てやがて劇場版を含めた続編が次々に作られていったのは有名なところです(このように本放送時はイマイチで再放送で人気が出た他の作品として,エースをねらえがあります).再放送そして劇場版,続編と来た頃,中学生となっていた私はこのシリーズにおおいにはまったものでした.
そんな当時,私だけではなく全国多くのファンが心の中で思ったであろうことは
宇宙戦艦ヤマトがあるんだったら宇宙戦艦ムサシがあったっていいんじゃないか.
ということでした.私の世代の男の子はプラモデル世代でもあります.当時軍艦や戦車のプラモに夢中になっていました.ですから宇宙戦艦ヤマトのモデルになっている戦艦大和についての知識もあり,大和型2番艦である武蔵のことも知っていたからです.
しかし,宇宙戦艦ムサシなんてあまりにも露骨かつ安易なため,結局心の中で思っただけで,世間でそんなアニメ作品等がつくられることはほとんどありませんでした.
ここでほとんど,と書いたのは例外があるからです.それが表題の宇宙戦艦ムサシと題する小説です.刊行されたのは昭和55年(ヤマトよ永遠にが上映された年),作者は若桜木虔氏,実は宇宙戦艦ヤマトにも関係のある人物です.
昭和50年代に入ってからのヤマトブームの頃,アニメ版や劇場版を基にした小説が刊行されていました.それを執筆していたのが若桜木氏だったのです.著者メッセージによると,
「戦艦ヤマト」が宇宙へとびたったのだから,それならば「戦艦ムサシ」もとびたたせようという発想で,この作品を作りました
とのこと.タイトルはまんまですが,世界はヤマトとは別です.あの当時話題だったノストラダムスの大予言,1999年第7の月を題材に1999年7月に異星人が地球に侵略,征服された地球で異星人と地球人の間に生まれた異星混血児パンテラたちがフィリピン沖に眠っていた古の戦艦武蔵と遭遇,これを宇宙戦艦に改造して宇宙に旅立っていくというお話です.本作はムサシの地球脱出,ワープで終わっています.作者自身は大河宇宙SFとして発展させたいと考えていたようですが,あまり売れなかったのか続編は刊行されず,ストーリー的には中途半端で終わってしまっています.
私自身も当時書店でこの本を発見して大いに感動して購入しましたが,一度読んでそのまま放置,行方不明となってしまっていました.今回ふと思い出して中古で購入,再び読んでみた次第です.1999年第7の月もそうですが,当時の世相を感じさせる作品世界,なんだか懐かしいなと思ったのでした.
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コメント
ビザ皇帝様 こんばんは!
あははははは!ムサシと来ましたか!
しかも登場人物が何となく似てませんか?
宇宙戦艦の斬新な形にチョットツボりました。戦艦なのに戦わず移動手段として利用されたまま消息不明なんですね。
異星混血児パンテラ
これが「ぱんちら」に空目してしまい、WOW!と思った事はナイショです(苦笑
投稿: まーうさ | 2011年2月11日 (金) 13:58
ビザ皇帝様こんばんは。地球を飛び立つまでがメインなんて、「宇宙空母ブルーノア」?(歌う時はアイドル麻世声で)
私はもちろん、ヤマトもエースもリアルタイムで見ました。
ところで、表紙の宇宙船がムサシ?改造の意味ないじゃん!です。キャプテンフューチャーの時代かと思った。
投稿: おねむり快男児!! | 2011年2月11日 (金) 14:50
まーうささん
こんにちは,コメントありがとうございます.
まんまの宇宙戦艦ムサシですが,登場人物も主役級3人のイメージが古代進,島大介,森雪でした(笑).
表紙絵の船ですが,小説の中身から言ってこれはムサシではなく当時一般の宇宙船のイメージみたいです.
>「ぱんちら」
そうきましたか(笑).
私には決して口に出せないギャグです(爆).
投稿: ビザ皇帝 | 2011年2月13日 (日) 09:18
おねむり快男児!!さん
こんにちは.
宇宙空母ブルーノア,ありましたね.
小説では,予算の関係からムサシ本体に宇宙を飛べる動力(波動エンジンみたいなもの?)を付けるくらいの改装しかしていない(武装すら満足にできていない)状態でしたから,外見は武蔵のまんまじゃないかと思います.
途中,ムサシが飛び立つのを妨害しようとする勢力が出てきたりとか,地球が異星人に征服されている点とか,作品イメージはむしろ松本零士氏のわが青春のアルカディアに近いと思います.
投稿: ビザ皇帝 | 2011年2月13日 (日) 09:25