« ロ短調ミサ曲演奏会~仙台編~ | トップページ | 第83回キネマ旬報ベスト・テン祝賀パーティー »

2010年2月 6日 (土)

ロ短調ミサ曲演奏会~盛岡編~

 ちょっと遅れてしまいましたが,リリングのロ短調ミサレポ完結編です.

 一夜明けて1月31日,いよいよ地元盛岡での演奏会本番の朝がやってきました.この日の集合は9時半ということでホテルで朝食を取って近くのコンビニで昼飯を買いこんでそのまま会場入りしました.会場は盛岡駅西口にある盛岡市民文化ホール,過去に何回かステージを経験したこともあるいわばホームグラウンドともいうべきホールです.練習だけの日はビル5階の事務室があるところから入るんですが,今日は本番ということで大ホールの入口が開放されていました.

 中に入ってまずは控室へ,荷物を置いてから集合場所のホワイエに集まります(昨日の萩ホールとは違って全フロアがホワイエでした 笑).昨日は仙台宗音が主幹ということで,宗音のメンバーによる発声指導でしたが,この日はMBKVメンバーによる音頭でした.

 発声練習後はホールに移動です.この日もステージ上の山台には椅子が用意されていました.10時半からリリング氏が登場してリハーサルが開始,この日は合唱中心のリハーサルでした(盛岡のメンバーはこの日がOEKとの初顔合わせのため).リハーサル後は立ち座りの練習,そして合唱指揮の佐々木正利先生からの最終的な注意事項の説明がありました.

 1時過ぎに解散となり,控室で各自昼食を摂ります.友人はいつものように本番前のセレモニーでユンケルの蓋を開けていました.昼食後着替えには早かったのでちょっとホールの外に出たんですが,なんとそこで私の母親に遭遇しました.彼女はは交友関係が広いので,盛岡の演奏会ではいつもチケット販売マシーンとして大活躍してもらっている(笑)んですが,この日も仲間を連れてきていました.私はといえばコーヒーを一杯飲んでから再びホールの控室に戻ります.ちょうどいい時間になっていたので着替えをしていよいよ集合時間です.

 昨日の萩ホールは舞台袖が狭いので廊下に集合でしたが,この日は舞台袖にスペースが十分なので合唱団一同舞台袖に集合です.予鈴が鳴って本鈴がなり,ステージマネージャーの方の合図でいよいよ入場,この日の私の立ち位置は最後列だったため必然的に最初の入場になります.拍手に迎えられての入場,ふと見ると前の方に私の母親とその仲間が陣取っていてこっちに手を振っていました(笑).客席を見渡すと昨日同様かなりの入り,気分が高まります.その後OEKが入場してチューニング,昨日同様コンマスの合図で客席にお辞儀,そしてソリストとリリング氏の入場です.

Hmoll_041 (写真1) リリング氏(中央)とソリストの先生方

 リリング氏の登場でひときわ大きくなった拍手が落ち着き,いよいよ演奏の開始です.合唱指揮の佐々木先生から「最初の4小節が勝負」といわれていたその場所です.リリング氏のタクトがおり,第一声のKyrie,なんとかきまったのではと思いました.その後演奏は粛々と進んでいきます.第1部が終わって,休憩をはさんで第2部へ.第2部は合唱のウエイトが大きく,厳しい曲の連続です.特にクレドの中間からは "Et in carnatus est" から3曲,バリトンソロ1曲を挟んで "Confiteor" 以下4曲の大きな合唱曲が続く難所です(ロ短調ミサ曲はマラソンのような曲で,後半に難所が待っているため,前半張り切りすぎると後半力尽きてしまう危険性があります.特にクレドの最後からサンクトゥスにかけての部分を私はマラソンにたとえて35キロ地点と呼んでいます).

 そうした難所を越えていよいよ終盤へ.アルトソロの "Agnus Dei" (神の子羊)からいよいよ終曲の "Dona nobis pacem" に入ります.合唱団全員の目がリリング氏のタクトにそそがれ,そしてフィナーレです.こういった演奏会では時にフライング拍手(終演時に余韻に浸る暇もなく起こってしまう拍手)の恐怖があるんですが,幸いこの日はそのようなものはなく感動のうちに終演となりました.

Hmoll_007 (写真2) レセプションでのリリング氏

 その後は着替えをして駅前のホテルでリリング氏やソリストの先生も交えてのレセプション,さらには二次会へとなだれ込み12時頃まで飲んでいたのでした.

 翌6日は二日酔いの中起きて仕事の待つ職場に戻るべく新幹線に乗り込んだのでした.こうしてビザンチン皇帝にとって今年前半最大と思われるイベントは終了したのでした.

|

« ロ短調ミサ曲演奏会~仙台編~ | トップページ | 第83回キネマ旬報ベスト・テン祝賀パーティー »

コメント

ビザ皇帝様 こんばんは!

大作レポ、お疲れ様でしたー!
本当に充実しているというか、ぎゅうーっと内容が凝縮された2日間だったんですね。
リリング氏のお写真・・・おなかに目が行っちゃいました(笑

投稿: まーうさ | 2010年2月 8日 (月) 14:08

<まーうささん>

 こちらにもありがとうございます.

 本当に充実したコンサート期間でした.
夢のような日々ともいえますが,
私の場合はこういうイベントは1~2年に1回ですが,

 まーうささんの方は素敵なコンサート体験をちょくちょくされているので凄いなぁと思いますよ.

 やっぱり,こうして見てもリリング氏のお腹が気になります.

投稿: ビザ皇帝 | 2010年2月 9日 (火) 13:06

どうも。
仙台・盛岡でロ短調前にユンケルを飲んでいたK.Yamagishiです。

私も仙台・盛岡から戻ってからのこの一週間は、どっと疲れが出ましたが、一方で結構仕事のツケがたまっていたので、皇帝陛下のブログにコメントするのを忘れてました。一応、私自身のHPは更新しましたが。

夢みたいな4泊5日でしたね。
Et resurrexitのバス・パートソロは仙台では少し走り気味でしたが、盛岡ではほとんど完璧にできたと思います。20年前の自分よりもうまく歌えたのも、巨匠リリングのオーラのおかげでしょう。

また、仙台本番の前の晩は、高級お寿司屋さんでの「おまかせ」という大変な贅沢する機会をともにできて光栄でした。(自分では絶対いかないもんなぁ。)

仙台宗音は今週末14日が強化練習です。
たぶんヴィヴァルディのマニフィカトを練習するはずです。
ヴェネチィアのサン・マルコ大聖堂に向けての第一歩ですね。
モツレクはまだ何版にするか決まっていないようです。そうそう宗音の演奏会の日程がまた変更になって1月15日(土)仙台市青年文化センターになりました。萩ホールが交通の便が悪いからだそうです。

モツレクの練習が始まりそうになったらまたお知らせします。では。

投稿: K.Yamagishi | 2010年2月10日 (水) 02:45

<K.Yamagiushi殿>
 わが友よ,コメントありがとうございます.
本当に夢のような日々でしたね.
Et resurrexitのバスパートソロは確かに盛岡での方が良かったかもしれません(仙台も決して悪いとは思いませんでしたが).

 あの晩のお寿司屋さんは私も学生時代には絶対には存在すらしらない店でしたから.たまには回らない寿司もいいものだと思いました(笑).

 モツレクは私にとっても青春の曲なのでなんとしても行きたい作品なので,練習が始まりそうになったらぜひ教えてください.

 モツレクで会いましょう.

投稿: ビザ皇帝 | 2010年2月10日 (水) 15:46

陛下へのご報告。

2月14日夜、現在私は仙台にいます。
本日の宗音の強化練習で、先生が
「今度のモツレクはリリングが初演したレヴィン版でやります」と宣言されました。
まだ楽譜が合唱団に入荷していないので、今日の練習はヴィヴァルディとシュッツでしたが、たぶん来月14日の強化練習ではモツレクをやると思います。
盛岡の方々の中にもモツレクやりたいという人が他にもいるようです。
以上、ご報告まで。

投稿: K.Yamagishi | 2010年2月14日 (日) 13:07

<K.Yamagishi殿>

 ご連絡ありがとうございます.
なんとレヴィン版ですか!それは楽しみですね.
 来月14日が宗音の強化練なら,なんとか都合をつけて行きたいと思います.

投稿: ビザ皇帝 | 2010年2月14日 (日) 16:12

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ロ短調ミサ曲演奏会~盛岡編~:

« ロ短調ミサ曲演奏会~仙台編~ | トップページ | 第83回キネマ旬報ベスト・テン祝賀パーティー »