酒とタバコ
世間は三連休ですが,先週遊びまくった反動でこの連休は仕事ばっかりです.昨夜は外勤で今日は当直となっています(明日一日置いてあさっても当直).
それはさておき,一般に男のたしなみと言われたのが酒とタバコ
です.昔はこれをやるのが一人前の男みたいな雰囲気があって,自分もかつては酒・タバコ両方をたしなんでいたものです.
その後健康に対する世間の認識が変わり,私も世間の健康増進に寄与すべき職業に就いていることもあって,禁煙に成功しタバコとは縁を切りましたが,一方の酒とは相変わらず深い付き合いがあります.
さてそんな酒とタバコですが,共通しているのは合法的な嗜好品である一方,未成年者の使用が禁止されていることです.要するに必ずしも健康に良いシロモノではないということです.ただ,この点では酒とタバコにはちょっと違いがあって,酒は一部に百薬の長などといわれ,適量ならばむしろ健康増進に役立つと考えられているのに,タバコの方は百害あって一利なしといわれるほど嫌われているということです.試みに手元にある脳卒中の診療指針を見ると,脳卒中治療における生活習慣への指導について,お酒に関しては
大量飲酒は避ける.アルコールは1日20グラム
と,ある程度の摂取を許容しているのに対し,タバコについては
禁煙
と問答無用に書かれています.実際にアルコール量と病気との関係についてはJカーブ,すなわちまったく飲まない人よりはちょっと飲む人の方がむしろ病気になりにくいが,適量を超えると以後は量に関係して不健康になっていくと言われています.それに対してタバコは吸っているということが既に病気の原因であり,量はあまり問題でないと言われます(要するにタバコは20本を10本に減らしてもさほど健康に好影響はなく,やめなければ意味がない).現在タバコは虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞),脳卒中,COPD(慢性閉塞性肺疾患)などでは独立した危険因子になっています.
このように健康という点では圧倒的に分の悪いタバコですが,これが人生となるとちょっと様相が変わります.
一般に男が人生を踏み外すのは酒・ギャンブル・女といわれ,タバコは入っていません.実際に酒の飲みすぎで人生を踏み外したというのはよく聞きますが,タバコを吸いすぎて人生を棒に振ったという話は聞きません.
酒とタバコの議論をする時には健康と人生の両面で見る必要がありそうです(ちなみに酒好きの私ですが,外勤や当直の晩は禁酒になるので,ほどほどに休肝日ができています).
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コメント
ビザ皇帝様 こんばんは!
私の場合はアルコールは体質的にムリ、タバコは吸った事もないんですが、父がタバコを吸ってるので、「ふくりゅうえん(字ぃド忘れ)」で子供の頃からたぶん肺は真っ黒だったんじゃないかと思います。
アルコールは適量が良いと聞きますよね?
これってやっぱり年齢によってその適量も変わって来るんでしょうね。
・・・ちなみに最近は酒気だけでクシャミが出るようになりました(←刺激臭に弱い)
投稿: まーうさ | 2009年11月22日 (日) 14:02
<まーうささん>
こんばんは.
まーうささんはアルコールダメなんでしたものね.
タバコの副流煙は近年問題視されるようになり,それとともに社会の禁煙エリアがどんどん拡大していったように思います.
適度のアルコールは心身共に明日への糧になりますよ(飲みすぎて翌日ひどい目にあうこともありますが 笑).
投稿: ビザ皇帝 | 2009年11月22日 (日) 17:38