イスタンブール滞在記4 ~9月3日~
まだまだイスタンブールネタが続きそうです.
さて,滞在4日目となりました.当然のように朝から快晴です(いったい2日目の午前中はなんだったのか).この日はけっこう欲張りな観光を思いつきました.旧市街北西部の見どころをずらっと回って,その後新市街にも足を伸ばそうという計画です.
イスタンブール旧市街北西部にはビザンチン関係の史跡が結構残っています.さあ出かけようとなりましたが,イスタンブールは人口1000万とほぼ東京並みの規模の都市なんですが,公共交通機関特に電車は東京とは比較にならないほど発達していません(じゃあ,ロスのようにみんなマイカー利用なのかというと,旧市街の道路の狭さから考えてそんなことはなく,要するに人口は多いけれど人の移動は少ない街だということです).特にこの地域は市電も走っていない地域なので,やむを得ずタクシー利用となりました.
向かった先はカーリエ博物館,ここはビザンチン時代コーラ修道院の付属教会堂だったところです.オスマン時代にはモスクに変更されましたが,ビザンチン時代のモザイク画やフレスコ画がたくさん残っているため,現在は博物館になっています.教科書なんかにも出てくる綺麗なモザイク画がたくさんありました.
その後は徒歩でテオドシウスの大城壁に向かいます.2日前は街の外側から城壁を眺めたんですが,この日は内側から見てみます.ところどころ登れるところがあったため挑戦してみました(高所恐怖症の人にはお勧めできません).またこの近くにはビザンチン時代の世俗建築物としては唯一現存している宮殿(テクフル・サライ)の廃墟がありました(我々が訪問した時には他に観光客はおらず,近くのコーラ修道院に団体観光客を降ろした観光バスが停まっていました).
(左 写真3) テクフル・サライ,(右 写真4) 大城壁に登ってみました
大城壁を後にして今度はコーラ修道院の反対側へひたすら歩きます.次の目的地はやはりビザンチンのモザイク画が残されているファティエ博物館です.ここもビザンチン時代は教会でオスマン時代はモスクだったところです.コーラ修道院に比べると地味ですが,綺麗なモザイク画がありました.
(左 写真5) ファティエ博物館外観,(右 写真6) 内部の様子
ファティエ博物館の次はそのまま金角湾のフェリエ地区を目指して歩きます.ここには現在のコンスタンチノープル総主教座やビザンチン時代から現在まで一貫して教会であり続けた唯一の教会,モンゴルのマリア教会がありました.
ここまで見学して13時過ぎとなっていました.海沿いのこの地域まで来るとバスが走っているので,ここからはバスで直接新市街に向かいます.新市街の中心タクシム広場でバスを降り,近くのカフェでランチをとりました.その後は地下鉄で軍事博物館へ,行くとちょうどオスマン時代の有名な軍楽隊の演奏が行われていました.
その後は軍事博物館内部を見学しました.ここには1453年のオスマン軍の攻撃を防ぐためビザンチン軍が金角湾を封鎖するのに使った鉄鎖が展示されていました.また同年5月29日のオスマン軍最後の総攻撃の様子がジオラマ等で再現されていましたが,これはビザンチン帝国にとっては首都陥落の悲劇の日です.ジオラマではビザンチンの双頭の鷲の旗が引きずり降ろされている場面まで再現されており,ビザンチン皇帝にとっては涙なしには見られない光景でした.
(左 写真8) 当時金角湾を封鎖していた鉄鎖,(右 写真9) コンスタンチノープル陥落の日,中央黄色地に双頭の鷲のビザンチン帝国の旗が降ろされています
その後は地下鉄と市電,徒歩で新市街の金角湾そばに建つガラタ塔に来ました.この塔は6世紀に灯台として建てられ,その後改築を重ねてきたもので,ここに登るとイスタンブールの旧市街を一望に臨める場所です.トプカプ宮殿やアヤ・ソフィア,ブルーモスクといったこれまでに見てきた場所がよくわかりました.
その後はホテルに戻りシャワーを浴びて,日没後にラマダンで賑わうヒッポドロームに繰り出しました.イスラムのラマダンの季節は日中飲食ができないため,こうして夜になるとたくさんの屋台が立ち並び,さながら縁日のようになるのでした.
というわけで,この日は今回の旅行中もっとも充実し,密度の濃い一日でした.
(左 写真11) ガラタ塔から旧市街を望みます(緑に覆われた地域),(右 写真12) 大勢の人で賑わう夜のヒッポドローム
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コメント
ビザ皇帝様 こんばんは!
コーラ修道院…まさか黒くてシュワッとするような建物←何か間違ってる
テクフル・サライでは何か感じるものあったんじゃないですか?
大城壁、上がってみたいような気がしますけど、どれくらいの高さなんですか?
ビザンチン帝国の旗が降ろされているジオラマ…………くっ…………泣けますなぁ~…。
投稿: まーうさ | 2009年9月 9日 (水) 14:19
場面ってなに?
投稿: BlogPetのアロイジア | 2009年9月10日 (木) 07:48
こんばんは。
軍楽隊の音色 素敵ですねぇ。
異国情緒たっぷり(異国なので当然ですが)で、遠い昔の暑い風を感じるような(ものすごく変な表現ですが・・)そんな音色に感じました。
それにしても一日でこれだけ廻るとは素晴らしい行動計画。見所満載で1週間では足りなかったと言われるk様の感想もよくわかりました。
大城壁には見たところ柵なども設置されてはいないようですが、現地の人はあまり登ったりしないのでしょうか?
でもそんな物があったら興ざめですが・・。
投稿: 琴 | 2009年9月10日 (木) 14:46
皇帝様、おはようございます。
地図を眺めながら皇帝様のレポを読み、イスタンブールの旧市街に想いを馳せつつコメント中です (・・・現実逃避中/笑)
旅行前の計画、テンション高い旅行中、そして想い出をたどりながらの写真整理やレポ作成。 ・・・・旅行好きには楽しさ3倍っすね(笑)
ビザンチン帝国の栄華を語るモザイク画や、オスマン帝国君主が住んだトプカプ宮殿、世界でもっとも美しいとも言われるブルーモスク。 あ~、この目で見たい (笑)
水に囲まれた旧城の風景、石畳の狭い路地、地元民しかいかないバザール。 どれも魅力的だわ・・・。 (・・・夢の中/笑)
しかも・・・私の心を揺さぶるのは 『テオドシウスの大城壁』 や 『ガラタ塔』 ですよ!
・・・あはは。 高いところスキなんで(笑)
続きも楽しみにしております♪
(・・・これから現実に戻って出社します/号泣)
投稿: 風雅 | 2009年9月11日 (金) 00:30
<まーうささん>
お返事が遅くなって申し訳ございません.
博物館でコーラ修道院についてのガイド本が売っていて日本語版もあったんですが,表紙にはただ「コーラ」とのみ… 絶対勘違いする人がいるなと思ったのでした.
テクフルサライは,自分の前世でそこに立っていたような気がして少しジーンときました.
大城壁は高さ12m,所々にある物見櫓は20mにもなります(怖いです 笑).
ビザンチンの旗が引きずり降ろされるジオラマは泣けます.
投稿: ビザ皇帝 | 2009年9月11日 (金) 11:12
<アロイジアへ>
場面とは? と聞かれてもなぁ~
投稿: ビザ皇帝 | 2009年9月11日 (金) 11:14
<琴さん>
こんばんは.このオスマントルコの軍楽,
昔NHKのドラマ「阿修羅のごとく」で使われ話題になった曲です.
この日は朝から晴天の中歩き通しでしたが(おそらく2万歩は歩いたのでは),充実感はありましたよ.
大城壁にはもちろん柵などはありません,上る階段にも手すりはありません.
上に登っているのは専ら観光客ばかりですが,そんな観光客相手の靴磨きやがいました(商魂たくましいです 笑).
投稿: ビザ皇帝 | 2009年9月11日 (金) 11:59
<風雅さん>
こんばんは.コメントありがとうございます.
旅行の楽しみは計画半分と言われていますが,そうですね,写真整理・レポもまたお楽しみですね.
イスタンブールは古代から近代までそれこそ数え切れないほどの史跡がひしめく町です(なにせ旧市街全体が世界遺産ですから).世界中から旅行者が集まる理由がよくわかります.
ガラタ塔の最上階は今レストランになっています.ここのお話は次回出てきますのでお楽しみに.
投稿: ビザ皇帝 | 2009年9月11日 (金) 12:36