日本100名城スタンプラリー48
日本100名城 根室半島チャシ跡群(1番)
家のメインPCのデータが救出され,ようやく100名城記事の再開です.
日本100名城スタンプラリー,その第1番に位置づけられているのが,根室半島チャシ跡群です.チャシとはアイヌ語で柵や柵で囲われた砦を意味するそうです.漢字では茶志という字を当てるようで,JR北海道函館本線にある茶志内駅もこのチャシにゆかりがあるのではないかと思われます(ナイはアイヌ語で川の意なので,砦のある川という意味でしょうか).ちなみにチャシ跡という意味ではチャシコツというそうです.
砦というと戦のための施設という印象ですが,チャシには防御施設(いわゆる砦)としての機能の他に祭祀場や倉庫,見張り場としての役割があったのではないかと考えられています.
チャシの成立時期は16世紀から18世紀ごろと言われており,本州以南では戦国時代から江戸時代にあたります.基本的に自然の地形を利用した造りとなっており,河野広道氏による分類が知られています.
1.丘先式: 岬などの突出した土地の先端を弧状の壕で区切ったもの
2.面崖式: 崖の上の土地を半円形もしくは四角形の壕で区切ったもの
3.丘頂式: 山や丘の頂周囲を壕で区切ったもの
4.孤島式: 川の中州や湖上の島など周囲から孤立した土地をそのまま利用するもの
現在では北海道全土に500か所以上のチャシ跡が確認されていますが,その多くは道東地区にあり,とりわけ根室半島には30か所以上のチャシ跡が見つかっており,このうち24か所が国の史跡に指定されており,この1群が100名城にもなっているわけです.
(写真2) チャシにはこのような標柱が立っているところが多く,見つける際の目印になります.
根室半島にある24のチャシ跡のなかで最もよく知られているのが,北海道最東端納沙布岬の近くにあるオンネモトチャシです.温根元小学校脇から小道に入り,海側を見るとなにやら標柱が立っています.そこを目指して藪の中を進んでいくと,そこが目指すオンネモトチャシでした.
(写真左) ノツカマフ1号・2号チャシの図,(同右) たしかに壕が掘られています.
岬の突端に形成されたチャシですから,先の分類では面崖式ということになります.そういえばなんとなく壕が掘られている感じがしました.
その他いくつかのチャシを訪問しましたが,当時をしのばせる遺構としては壕を思わせる窪みのみでした.
根室半島チャシ跡群へのアクセス: 代表的なオンネモトチャシへは,JR根室駅から納沙布岬行きのバス終点下車徒歩20分程度ですが,その他のチャシも回るならレンタカーなどが必要です.
スタンプの設置場所 JR根室駅前の観光インフォーメーションセンターにあります
登城のハード指数(★★☆ ややハードです) オンネモトチャシだけなら楽ですが,その他のチャシも見るなら,1日掛かりになります.
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コメント
ビザ皇帝様 こんばんは!
おおおおお城??←第一印象
こういう形のもあるんですね~~~!
何かスゴクお勉強になりました!!
投稿: まーうさ | 2009年4月 5日 (日) 16:46
<まーうささん>
こんばんは.本州以南の近世城郭を見慣れてしまうと,こういった遺跡はかなり戸惑うと思います.
とはいえ,城=戦の施設・政治の拠点などの視点に立てばこういうものも立派に城の範疇に入るのでしょう.
当時の姿を何らかの方法で再建できればもっといいんですが….
投稿: ビザ皇帝 | 2009年4月 6日 (月) 13:48