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2009年2月23日 (月)

フィルムカメラの行方

 先日ネットの記事で興味深いものを見つけました.

 統計から銀塩カメラが消えて1年

 昔はカメラといえばフィルムというほど,お互い切っても切れない関係にあったカメラとフィルムでしたが,デジタルカメラが登場し急激に進歩するとともに,フィルムカメラはあっという間に市場の片隅に追いやられてしまいました.

 それでもちょっと前なら,「利便性はデジカメでも画質はやっぱりフィルム」と言われていたんですが,せいぜい数百万程度だったデジカメの画素数も最近は飛躍的に向上し,現在ではコンパクトデジカメでも1000万画素を超える製品が当たり前になってきています.

 こうなってくると普通の写真を撮る分には,画質的にもさほど問題がなくなってしまい,最近ではプロのカメラマンでもデジカメを使うことが多いのだそうです.

 かくしてフィルムカメラの生産は激減し,昨年には月産1000台ほどになってしまったのだそうです.確かに最近ではフィルムカメラといえば使い捨てカメラくらいしか見なくなってしまいました.

 じゃあこのままフィルムカメラは無くなってしまうのでしょうか.記事はそうではないだろうと言っています.理由は写真そのものを楽しむ人にとってはフィルムカメラの魅力は決して衰えていないからです.暗室で写真を焼き付ける手間や現像するまで仕上がりがわからない不便さが逆にフィルムの魅力だというのです.またフィルムのアナログさによる写真の奥深さ(あいまいさ?)はデジタルにはまねのできないだろうと思われます.

 この記事を見て私はLPレコードのことを思い出しました.

 私が高校生だった頃の音楽ソフトの主役はLPレコードでした.しかしコンパクトディスク(CD)が普及し始めるとあっという間に市場から消えてしまいました.なんたってレコードは埃を払ったり手間がかかるソフトです.その点CDは扱いも簡単で好きな部分を頭出しでき,しかも音質がいいのですから普及して当然です.今では音楽ソフトとしてのLPレコードはほとんど見かけなくなっています.

 しかし昨年末に盛岡市内の老舗の電気店に行った折,オーディオコーナーで店員さんと話していたら,いまでもLPレコードを愛好する人は結構いて,しかも最近では新規にハマりだした若い人もいるとのことでした.レコードプレイヤーやカートリッジ,針なども細々とはいえ生産されており,お店にもいろいろな品が並んでいました(ナガオカの針です 懐).

 先のカメラにも通じますが,LPレコードを聴くにはジャケットから慎重に取り出して埃をきちんと払い,ゆっくり針を落とす一連の作業が必要です.一見余計な作業に見えますが,この作業によってこれから鑑賞する音楽への期待が膨らんでくるのです.

 昔から言われていましたが,LPレコードはすべての周波数の音を再現しますが,CDでは決まった音域以外,その上下はカットされています.もちろんカットされた音域は本来人間の耳では認識できない領域なんですが,そういった形而上学的な領域を心の耳で聴く作業もまたLPレコードの味わいでしょう(時にあるあのボツっという傷もまた魅力です).

 私の実家にもたくさんのLPレコードが眠っているはずですが,いずれまた引っ張り出して鑑賞してみたいと思ったのでした.

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コメント

ビザ皇帝様 こんばんは!

見なくなりましたね~…フィルム。
そして「昔ながらの写真屋さん」もあんまり行く事なくなったりお店も無くなったり。
自分で撮影・加工するのもいいんですが、やっぱりプロは違いますよね。
溜まってるデータをいつかまとめて持って行こうかと思い始めてます。
LPレコード懐かしい!!
父のステレオ横にガガガッと並んでますよ!
昔壊れて回転数上がっちゃって、死ぬほど笑った記憶あります!

投稿: まーうさ | 2009年2月23日 (月) 15:20

<まーうささん>
 コメントありがとうございます。
 フィルム時代は限られた枚数でいかに良い写真が撮れるか気にしながらの撮影でしたが,デジカメでは失敗してもすぐ消せるので,撮りまくりですもんね.写真のありがたみが薄くなっている気がします.
 昔は発表のスライドなんかも写真屋さんに持ち込んで作ってもらってましたが,今はパワーポイントの時代ですからね(発表直前まで修正が可能というのはありがたいですが).
 LPレコード懐かしいですね.カビがはえてなきゃ引っ張り出して聴いてみたいです.

投稿: ビザ皇帝 | 2009年2月24日 (火) 12:48

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