トンブクトゥが…
アフリカ西部,現マリ共和国の中央部にトンブクトゥという町があります.サハラ砂漠の最南部,ニジェール川の北にある小さな町です.
今は砂にまみれた寂しい町ですが,中世のマリ王国・ソンガイ王国時代にはサハラ経由での北アフリカと中央アフリカの交易拠点として繁栄を謳歌した都市でした.14世紀にマリ王マンサ・ムーサがメッカに巡礼した際に,莫大な黄金を惜しげもなく喜捨したため,当地の金の相場が大暴落したという伝説は有名です.中世の旅行家イブン・バツータやレオ・アフリカヌスがこの街の繁栄ぶりを紹介したことから,ヨーロッパでも黄金の都トンブクトゥとして多くの人々の憧れの地となりました.
しかし16世紀以降,ヨーロッパ人によってサハラを介さない海路での交易が盛んになるとこの街の繁栄も終わりを告げ,さらにはモロッコ軍の侵略による荒廃も重なり,19世紀にヨーロッパ人として初めてこの地に足を踏み入れたルネ・カイエの時代には,砂漠化した泥の街に過ぎなくなっていたそうです.
そんなトンブクトゥ,珍しもの好きの私の琴線を大いに刺激する憧れの地なのでした.毎年行きたいと思いつつ行けないでいます.今年の抱負にも書いたように,今年こそ行きたいな~と思っていたんですが…
先日BSでやっている海外安全情報という番組を見ていたら,
なんと! トンブクトゥ-付近の危険情報が引き上げられたとのことでした.
外務省の海外安全情報では,その国・地域を訪問する際の危険度をランク付け5段階で表わしています.簡単にいえば
1.表記なし:
海外に来ているという基本的な注意を守ればまあ大丈夫でしょう.
2.十分注意してください:
結構ヤバいところもあるので,それなりに注意してください.
3.渡航の是非を検討してください:
危険,絶対行くなとは言わないが,できればやめといた方がいい.行くならそれなりの準備を.
4.渡航の延期をお勧めします:
相当に危険,行くのはよしましょう.命にかかわる可能性があります.
5.退避を勧告します,渡航は延期して下さい:
激しく危険,今いる人はすぐに避難を.行くなんて問題外,行ったら死にます.
となっています.ちなみにフランスやドイツなどの先進国はおおむね1,昨年・一昨年私が行ったナミビア・マダガスカルは2に該当します.ちなみにソマリアやアフガニスタンは5です.これがどんなに凄いことかは,今現に戦争が起こっているガザ地区ですら4だという事実が如実に物語っています.
さて,これまでマリはほぼ全土が2,一部3だったんですが,今回トンブクトゥを含む一帯が3に引き上げられたそうです.トンブクトゥの町自体は2のままのようですが,周辺が引き上げられたことから訪問に黄色信号が灯ってしまいました.
さらには最近発表されたルックJTBの地球の詩シリーズのアフリカ編最新版からトンブクトゥが消えてしまいました(地球の詩アフリカ 泣).やっぱりマニアックすぎて,商売が成り立たなかったんでしょうか.他の旅行会社がどう出るのか気になります.
私はトンブクトゥに行けるのか?
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コメント
道祖神ではまだ扱ってるようです
二週間という日程だから扱えるのでしょうか
家族連れで世界各地へ赴任手配が得意な旅行社です
利用されてますか
投稿: Gustus | 2009年1月19日 (月) 14:41
<Gustusさん>
コメントありがとうございます.
そうですね,道祖神でも取り扱っていそうです.他にもユーラシア旅行社やファイブスタークラブなんかでも扱っているんですが,今後どうなるか注目です(個人的にはJTBだとクレジットカードが使えて便利だったんですが).
投稿: ビザ皇帝 | 2009年1月20日 (火) 08:57