山陰本線
現在日本で最も長い鉄道路線はどこか?
東北本線と答えた人は惜しい.以前はそうだったのだが,2002年に東北新幹線が八戸に延伸した際,東北本線の盛岡-八戸間が第三セクター(いわて銀河鉄道・青い森鉄道)に移行した結果,東北本線の距離は短縮してしまい首位の座を明け渡してしまった.現在の第1位は表題の山陰本線である(673.8km).
山陰本線は京都駅を基点として北上し,福知山・城崎を経て日本海に達し鳥取・倉吉・米子・松江・出雲・浜田・益田・萩・長門を経て本州最西端の下関にいたる路線である.
ただこの山陰本線,最長ではあるのだが沿線に大都市がない(最大で鳥取市の20万)ため,全線(京都-下関)を通しての特急列車が運行されたことがない路線でもある(京都の人が下関に用がある場合は,よほどのマニアでないかぎり山陰本線ではなく,より距離が短い山陽本線や山陽新幹線を利用するのが普通).今に至っても山陰本線はほとんどの区間が単線で,電化されている区間も少ない(京都近郊と米子・出雲付近のみ).国鉄時代には北海道と並んで古い列車が運行されている路線でもあった.私が初めてこの地域に足を踏み入れた昭和60年頃にはディーゼル機関車に牽引された青とこげ茶色の客車(走行中もドアが自由に開けられるアレです 笑)が走っていた.
そんな路線であるから,国鉄時代からダイヤの主眼は山陰各都市から広島・岡山など瀬戸内海各都市を経過しての新幹線への接続が優先され,日本海沿岸各都市間の連絡は二の次にされていた.
しかしJRになってからはそれではマズイと思ったのか,都市間交通にも力を入れるようになり,線路の改良なども行われ,現在では山陰各都市を結ぶ特急列車も数多く運行されている.先週末の山陰旅行の際,鳥取・松江間の移動に利用した特急スーパーまつかぜ号もそのひとつである.
前述の通り山陰本線はその多くの区間が電化されていないため,基本的に気動車(ディーゼルカー)での運用である.気動車は電車に比べて加速性能など高速運行には向かないが,スーパーまつかぜ号は線路の改良と新型気動車の投入によって時速120キロ走行を実現し,鳥取・米子間90キロを1時間弱で結んでいる(途中国道9号線と並走するが,自動車をビュンビュン抜かしていき,電車でありながら国道1号線と並走して逆に自動車にどんどん追い越される箱根登山鉄道と対照的である).
(写真2) 鳥取市内にそびえる鳥取城山上の丸から見た景色です.日本海と鳥取砂丘も見えます.
ところで鳥取の発音であるが,私は「鳥取」と特に抑揚を付けずに発音していたのであるが,今回スーパーまつかぜ号に乗車していたら車掌が,「ご乗車ありがとうございます.まもなく終点鳥取,鳥取」と前半にアクセントと抑揚を付けた発音をしていた.これが真実なのか?
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コメント
ビザ皇帝様 こんばんは!
東北本線しか知らない(=身近)ですが、山陰本線に抜かれるまでは1位だったんですか。ううむ、惜しい!
「鳥取」の発音に特徴あるんですか?
岩手だったらどっちかってと「取」部分にアクセント来ませんか?
投稿: まーうさ | 2008年10月28日 (火) 15:51
<まーうささん>
こんばんは.そうです,かつての1位は東北本線だったんです.なんたって上野から青森ですから.私が幼少のころは青森・上野間を”はつかり”が,盛岡・上野間を”やまびこ”が走っていました.どちらも食堂車を併設した編成で,子供心にあこがれの列車でしたね.
鳥取の発音,「とっとり」の最初の”と”にアクセントがありました.たしかに岩手なら最後の”り”にアクセントが来そうですね.
投稿: ビザ皇帝 | 2008年10月29日 (水) 12:56