赤塚不二夫さん逝く
漫画家の赤塚不二夫さんが亡くなられたそうです.
赤塚不二夫さんといえば,おそ松君,天才バカボン,もーれつア太郎,ひみつのアッコちゃんなどの作品で知られる漫画家です.昭和40年代のナンセンスギャグ漫画の走りのような人で,当時幼かった私もその強烈な作品に魅せられた一人です(もっとも,あまりに強烈過ぎて,復刻版などでは一部表現が書き換えられているほどですが…).
赤塚さんの作品は数々ですが,私にとって印象深いのはなんといっても天才バカボンでしょう.そりゃないだろうというようなギャグが,これでもかとばかりに畳み掛けてくるスタイルは,まさにお腹の皮がよじれるほど面白いものでした.少年マガジンやテレビマガジンなど講談社の雑誌に連載されていましたが,一時は進化しすぎたのかバカボンやパパが登場しないというトイレット博士状態になった時期もありました.テレビでも放送され,「これでいいのだ」,「見ない奴は死刑なのだ」というフレーズはとりわけ有名です.特に後者は,幼心に「見ないと死刑にされるのか」という感慨を抱かせたものでした(尤も,それが強烈過ぎてクレームがついたらしく,後の元祖天才バカボンでは「見ないと逮捕なのだ」と表現が弱められていました).脇役陣も凄くてレレレのオジサン,ウナギイヌ,目ん玉つながりのおまわりさん(初期のバカボンには登場せず,このキャラはア太郎がオリジナル?)など個性的な面々がそろっていました.
(写真) 復刻版の天才バカボン.実家には昭和40年代版もありますが,読み比べるとかなり表現が変えられていることがわかります(それだけ昭和40年代が強烈な時代だったということか?)
数年前に脳内出血で倒れられて執筆を中断したという話は聞いていましたが,今回の訃報に接して,改めて古きよき(?)昭和がまた一つ消えたのかと感慨深く思ったのでした.
赤塚不二夫さんのご冥福を心からお祈りいたします.
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コメント
ビザ皇帝さま、こんばんは!
赤塚不二夫さんの訃報は・・・なんか喪失感を感じましたね。
どの作品も何度かリメイクされて・・・知らない人がいないんじゃないかというぐらい。
自分が子供の頃の写真にも、「シェ~~!」ポーズで写ってるものがあります。
それほど当時の子供の心を捉えていたんでしょうね。
私は一応(笑)おなごなので、「ひみつのアッコちゃん」をずーっと見ていたんですが、この作品を描いた人が、「天才バカボン」を描いていた人と同一人物だと知った時は、結構驚いたことを覚えてます。
2年前に(再婚の)奥さんを亡くされ、3日前には離婚した奥さんも亡くなっていたそうですね。
私も3名のご冥福を改めてお祈りします。
投稿: 風雅 | 2008年8月 3日 (日) 20:15
<風雅さん> こんばんは.秘密のアッコちゃんと天才バカボンetc.が同じ作者というのは、私も少し時間がたってから知って驚いた記憶があります(後から考えると,アッコちゃんとバカボンのママは同じ系列の顔ですよね).
現代では絶対に描けないと思われる赤塚さんのギャグ漫画は昭和の大いなる遺産となることでしょうね.
投稿: ビザ皇帝 | 2008年8月 4日 (月) 00:45
・・・・・・そういえば。
「魔法使いサリー」と「鉄人28号」が同じ作者だというのも驚いた気が(笑)
投稿: 風雅@ふたたび | 2008年8月 4日 (月) 10:07
赤塚不二夫記念館に行って来た
ばかりなので今回の訃報はびっくりしました。うわさで何年も前から意識不明ということだったので来るべき日がとうとう来てしまったという感じがします。
シェー等々、誰にも考え付かなかった
そして鮮烈なギャグは日本人の精神に染み付いているのでしょうね。
そういえば、1966年のビートルズ来日時、インタビューした編集者が「今一番
コドモに人気があるのよ」と
あの!!ジョンレノンとリンゴスターに
「シェー!」やらせてる画像がありますデス。
投稿: フミヲ | 2008年8月 4日 (月) 15:21
<風雅さん>
そうそう,魔法使いサリーと鉄人28号(またはバビル2世)も同じ作者ですね.ついでに言えば,天才バカボンのママとルパン三世の峰不二子の声は同じ人(増山江威子さん)なんですよね.
<フミヲさん>
赤塚不二夫記念館に行かれたんですね.
赤塚作品のギャグはまさに革命的で,「シェ-」のようにポーズでギャグになるものとしては,山上たつひこさんの”がきデカ”の「死刑!」と双璧ではないかと思います.
ビートルズまで巻き込んでいたとは恐れ入ります.
投稿: ビザ皇帝 | 2008年8月 4日 (月) 23:32