チルチル・ミチル VS ヘンゼルとグレーテル
子供の頃から時々混乱するものに,今回表題に挙げたものがある.
チルチル・ミチルはベルギーの作家メーテルリンクが書いた「青い鳥」の登場人物で,幸せの青い鳥を探す貧しい兄妹である.一方のヘンゼルとグレーテルはグリム童話の登場人物で母親に捨てられて森で魔女に遭遇する兄妹だ(お菓子の家が登場する).
冷静に見るとストーリーなどまったく違う作品なのだが,時に「あれっ,どっちだっけ」と一瞬考え込むのは,どちらも兄と妹で,家を出て冒険(さすらい?)を繰り広げた後帰宅すること,青い鳥やお菓子の家などのメルヘンチックなアイテムが登場するからだろう.
青い鳥の方は青い鳥症候群などという使われ方をするように,身も蓋もない言い方をすると,人間の欲には限りがないというもので,幸せの青い鳥を探していろんな国を巡るのだが結局見つからず,家に帰ってみたら家の鳥がそうだったという話である.
一方のヘンゼルとグレーテルの方は,本当は怖~いグリム童話の例に漏れず,飢饉から口減らしのために子供を捨てる話である.親に捨てられ森をさまよう兄妹はお菓子の家を見つけるが魔女に捕らえられてしまう.しかしグレーテルの計略で魔女をやっつけて家に帰るという話である.
こんな二つの作品であるが,混乱ついでにチルチル・ミチル兄妹とヘンゼル・グレーテル兄妹が戦ったらどうなるんだろう.おそらくはヘンゼル・グレーテル兄妹の圧勝に終わりそうだ.理由としてグレーテルという童話界屈指の策略家の存在がある.兄妹が魔女をやっつけて家に帰ることができたのは9割方グレーテルの功績である(ヘンゼルはほとんど活躍しない).呑気に青い鳥を追っかけているチルチル・ミチル兄妹は簡単にグレーテルの計略にかかりそうだ(笑).
追伸) メーテルリンクというと,銀河鉄道999のメーテルを思い出す.松本零士氏は関連を否定しているそうだが,アニメ999のオープニングの最後の歌詞が「きっといつかは君も出会うさ青い小鳥に~」となっているのは偶然だろうか?
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