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2008年1月21日 (月)

大学入試センター試験

 この週末大学入試センター試験が行われた.この試験は元々昭和54年に国公立大学受験者用の共通一次試験として始まり,その後私立大学も参加する形で平成2年から大学入試センター試験となっているものである.私にとっても非常に懐かしい試験である.

 受験生とその関係者以外には用のない試験ではあるが,歴史愛好家の私は毎年このセンター試験の世界史の問題にチャレンジしている.今年もさっそくやってみた.

 共通一次時代から問題を見てきて感じるのだが,世界史の問題の質は格段に上がっていると思う.昔の共通一次時代は,出題者側もマークシートの選択形式の試験に馴れていなかったこともあり,単純に年を選ばせる問題や,文章中の空欄に入る人名を選ばせるような問題が多かった.このような問題では,たまたま知っていた人が正答できることから,「歴史は暗記物」という誤ったイメージが広がってしまったのである.これに対して最近の問題は,単に教科書を暗記しているだけでは正答できない問題が多くなっている(例えば,ある時代の文章を読ませて,この時代について正しいのはどれかなど,知識と共に時代の流れなどが判らないと答えられない問題).

 今年の世界史Bの問題は大問が4問である.それぞれテーマが与えられており,

第1問 ユーラシア大陸(ユーラシア大陸の東端の東アジアと西端のヨーロッパおよびその間に入る,諸民族などを取り上げて,東西文明の交流などを問う問題 合計25点)

第2問 島について(地中海におけるシチリア島やコルシカ島,インド洋のマダガスカルやセイロン,東南アジアの島々を取り上げ,大陸の文化の影響を受けながら,独自の価値観などを形成していった島々の歴史について 合計25点)

第3問 敗者からみた歴史(これは思いっきり私の琴線をくすぐる問題である.歴史を学ぶとは,当時の記録を読み解くことであるが,そのほとんどは勝者の記録によっている.実際の歴史では敗者もまた歴史を構成しているのだが,この敗者に視点をあてた問題である.例として紀元前202年に垓下の戦いで漢の高祖に敗れた楚の項羽と,同じ年にザマの戦いでローマのスキピオに敗れたカルタゴの将軍ハンニバルなど 合計25点)

第4問 被服(歴史上被服は単に体を覆うということではなく,たとえば身分を表すなど様々な役割を担っていた.またその原料となる繊維や布が歴史上重要な役割を果たすこともあった.合計25問)

 そんな今年のセンター試験世界史Bの私の得点は… ジャスト70点でした.おそらく平均点が60点台後半と予想されるので,ゼロ勉にしてはよくできたと思う反面,歴史愛好家としてはもっとできなきゃダメじゃないかとも思い,なんとなく複雑な気分であった.

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