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2008年1月12日 (土)

救急医療の現場

 今日は救急日直だった.日勤帯(8時30分~5時15分)救急外来につめていて,救急患者の対応に当たる業務である(もちろん代休はない).例年この季節はインフルエンザと感染性胃腸炎(ノロウイルスなど),高齢者の肺炎などが多いのだが(その他雪道でスリップした事故なども),ご他聞にもれず今日もインフルエンザと胃腸炎が多かった(特に今年はA型のインフルエンザが多い).当然救急車もやってくるのだが,さっき見たネットのニュースにこんな記事があった.

 21病院で受け入れ拒否=70歳男性、10日後に死亡

 大阪府南部で昨年3月に起こったものらしいが,最近同様の事例が多く見られているのだという.詳細が不明なのでなんとも言えないが,少なくとも当地では絶対に起こりえない事例と感じた.なぜなら,私の住む地域では救急車に対応できそうな病院は,私の勤務先以外にはなく,”受け入れ拒否という概念”そのものが存在しないからである.私も勤務していて,「搬送してよろしいでしょうか」と聞かれたことは一度もない.有無を言わさず搬送されてくるのである.従って当地の患者さんは,受け入れ拒否に遭遇することはないと思われる.僻地のメリットとかもしれない(もっとも僻地ゆえ,距離が遠くて搬送自体に30分以上かかることもざらにあるが).ただウチは都会にある高度救命救急センターのような施設も人員も整ってはおらず,対応できる内容にはおのずと限度があるのも事実ではある.

 と,堅い話はさておき,昨年忘年会用に某駅で撮影した鉄郎とメーテルの後ろ向きの写真,どこかで見たことがあるなぁと思っていたのだが,元ネタと思われるものを発見しました.

Pc020042_2 P1120009_2

(左)今回撮影した写真、(右)元ネタと思われる構図

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コメント

ビザ皇帝様、こんばんは!

すべての病院が、「受け入れ拒否という概念」 が存在しない病院であれば、こういう事例は起こらないんでしょうけれど・・・。
とはいえ、昼夜を問わず医療の最前線でお仕事をなさっている方々に、心より敬服の念を抱いている今日このごろです。
ところで、皇帝さまが撮影した写真、元ネタと構図がそっくり!(爆笑) 

投稿: 風雅 | 2008年1月12日 (土) 13:46

 風雅さんこんにちは.私の勤務先の医療圏はなんと東京23区の1.5倍の面積があるんですが,それでも人口は7万人余りしかいません.ですから救急搬送といってもそれほど件数が多いわけではなく,だからこそ受け入れも可能なのです.都会のほうの救急車がひっきりなしに出入りするような場所とは明らかに違います(マスコミは受け入れ拒否といいますが,誰も好き好んで拒否するはずもなく,受け入れ困難,受け入れ不能というのが実際のところでしょう).どういう救急医療体制が望ましいのが,そしてそれを実現するためには何が必要なのか(人員や予算など)という国民的な議論が必要な時期になっているような気がします.
 写真,元ネタの構図にそっくりですよね.撮影した後で発見したんですが,もしかしたら深層心理にこの構図があったのかもしれません(笑). 

投稿: ビザ皇帝 | 2008年1月13日 (日) 08:31

ビザ皇帝隊長 こんばんは!

そうそうそう!!このニュース出てました!
関西はそんなに病院不足してるのかっ?とまで思いましたよ!
日本のお医者さんが1人あたり年間診療する患者は日本ダントツに多いそうですよね?
(FMで聞きました)
医師不足が解消されるような何かあったらいいなって思います。

イラストとお写真並べて見ると同じっすよねー!!岩手で再現できるんだ…!!なーんて感動しちゃいましたよ!!

投稿: まーうさ | 2008年1月13日 (日) 14:45

 まーうささんこんばんは.仰るとおり,日本の医師が1年間に診察する患者数は,先進国ではダントツです.私も毎日50~70人位の外来をやっています.それでもちょっと前までは,医師過剰時代が来るなんて言われてましたが,あれは何だったのでしょう(昭和40~50年頃に流行っていた「地球氷河期がやってくる」という説みたいなものでしょうか,今では地球温暖化の話ばかりで,氷河期説は聞かなくなりました 笑).

 写真の構図,そっくりですよね.判っていたら背景も似たような場所で撮ればよかったと,ちょっと後悔しています.
 

投稿: ビザ皇帝 | 2008年1月14日 (月) 14:21

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