テープ逆回し合唱曲
先日実家の押入れを整理していたら昔のカセットテープが発見されました.
これは昭和50年代にソニーから出ていたカセットテープで,AHFという種類です(主としてクラシック音楽用テープ).当時のソニーからはこの他,CHF(赤いラベルで会議等録音用),BHF(緑のラベルで一般音楽用),JHF(クロムテープ),フェリクロムテープ,メタルテープなどが出ていました.
何が録音されているのだろうと聴いてみたら,なんと思い出のテープ逆回し合唱曲でした.学生時代合唱団に所属していた私は,合唱関係のVOWなイベントもやっていたのですが,その中のひとつがこれでした.
具体的には,たとえば歌を歌う時には,音程・母音・子音の組み合わせで演奏が完成します.そこで,ある楽曲の音程・母音・子音を全て逆転させた楽譜を作って歌い,それを録音したテープを逆回転させたら本来の楽曲が出来上がるはずと考えて仲間内でやってみたものです.
例) 花
これはご存知滝廉太郎作曲の「花」の一節です.これを音程・母音・子音全てを逆転させると…
このようになります.逆転させた歌詞を発音すると”アワガディムソナラルオヌラフ”となります.本来子音から始まるため,逆転させると子音で終わることになるので,最後のHは母音のない”フ”という発音になります.こうして逆転した楽譜を歌い,録音したものを再度逆回転させると本来のモノができるはずです.
ここでは当時私たちが録音した曲のひとつを聴いてみてください(歌いにくい逆転楽譜を歌ったのと,テープがボロボロでひどい演奏ですが 泣).曲は大中恩氏作曲の「わたりどり」の一節です.
↑
まずは逆転させた楽譜を歌います(最後に入った言葉は曲名です).
↑
それをさらに逆再生すると…,一応わたりどりに聴こえます.
当時が非常に懐かしく思い出されました(またやってみたくなった 笑).
| 固定リンク
コメント
きょうアロイジアが感動された!
でも、関係した?
投稿: BlogPetのアロイジア | 2007年11月14日 (水) 05:28
アロイジア,君は何を言いたいんだ.君にはいつも感動させられているよ.
投稿: ビザ皇帝 | 2007年11月14日 (水) 14:12
ビザ皇帝様、これ、すごいですねー!
まずは楽譜を作ることからはじめるんですか? で、母音と子音は、ローマ字表記にしてひっくり返す??
昔、クイズドレミファドンって番組で、こういう逆回しの曲名あてがあったと思いますが、逆からだと、まったく別の曲ですよね(笑)
あ。今思い出したんですが、高校時代写真部だった私、当時の文化祭で、フィルムの逆回しを上映したことありますよ。 ラーメンを食べてるフィルムを逆回し。 画像的にはちょっとアレですが、ウケは良かったです(爆)
投稿: 風雅 | 2007年11月16日 (金) 05:35
風雅さんこんばんは.テープ逆回し合唱曲は,まず譜面に各パートの全音符をひっくり返して記入します.次に歌詞を全て母音と子音に分解して(ローマ字表記して)ひっくり返して歌詞割りをします.それを皆で歌って録音したテープを逆再生して完成です.逆転させた楽譜を歌うのは結構大変です.
ビデオの逆再生は昔仲間内で楽しんでいました(特にプロレスなど,取っ組み合っていたのがいきなり分かれて,勝手に横になったり楽しいです 笑)
投稿: ビザ皇帝 | 2007年11月16日 (金) 16:51
ビザ皇帝隊長 こんばんは!
すごい!すごーーぉい!!ですよ!
高度なVOWネタというか…
もう…何と言うか…スタンディングオベーションです!ブラボォーー!!
楽譜をひっくり返す…私だったら譜面そのものを真裏にして「真っ白です」とか、上下逆さまにして妙に高い音だらけにしそうです。
我が家にもこのテープありましたが、もう使う事もないだろうというので数年前に処分したんじゃないかと思います。
井上陽水やらYMOやら…全部父のコレクションですが、カセットレーベルに「音無響子さん」が使われてたのをシッカリ記憶してます!
投稿: まーうさ | 2007年11月18日 (日) 09:35
まーうささんこんばんは.お褒めいただき恐縮です.「母音と子音を分解して逆転させたものを喋って,さらに逆再生すると元々の言葉になる」,理論的にはそうなんですが,実験してみると本当にそうなんです.「アワガディムソナラルオヌラフ」と喋ったのを逆回転すると本当に「春のうららの隅田川」になります.テープの逆再生なんて、昔はマニアックな機材でないと無理でしたが(作曲が趣味の友人がいて,彼の家で録音してました),いまでは”アナログ録音”という便利なソフトがあるので簡単に遊べます.
音無響子さん…,私の世代の男にとっては忘れられない名前です(懐).
投稿: ビザ皇帝 | 2007年11月18日 (日) 13:49