本州最東端
先週末一関であまり気合の入らない学会があって出かけてきた.ちょうど台風9号が抜けて,台風一過の晴天の日であった.当地から一関までは,車で行く場合,高速を使うのが手っ取り早くて,これだと3時間ちょっとで行ける.しかし,せっかくの晴天にそんなコースでは面白くないので,沿岸沿いを南下して行くことにした(このコースだと6時間はかかる).ただ行くのは面白くないので,どこかを観光しようと思ったのだが,地元ゆえめぼしい所は大方行きつくしている.どうしようと思ったら,まだ行っていない魅力的な場所を発見,それはとどヶ埼,ここは2つの意味で重要な場所である.1つは本州最東端の地として,2つめは映画「喜びも悲しみも幾歳月」のモデルの地として.地図を見るとわかるが本州の最も東に位置するのが,岩手県宮古市の海岸に突き出た重茂半島の先端にあたるとどヶ埼なのである(東経142度4分34秒).
物好きな私が,どうして今までここに行ったことがなかったかというと,ここにたどり着くのがかなりハードだからである.とどヶ埼に行くには,宮古市内から車で林道のような道を30分くらい走り,半島の先端付近の姉吉キャンプ場に行く.そして更にここから登山道を4キロ近く歩かなければならないのだ.最近すっかりものぐさになってしまって歩くことが少なくなったが,元来歩くのは苦手じゃないので,気合を入れて歩くことにした.
(左)とどヶ埼灯台への入り口です.ここからはひたすら歩きます.(右)遊歩道の途中です.これはほぼ中間地点です.
キャンプ場付近に車を停め,いよいよ歩き始める.いきなりの上り坂で早くも息が上がる.しばらく登ると,今度は平坦な道になった.快晴の天気だが木が生い茂っているため,直射日光は当たらず快適だ.所々から真っ青な海が見えて気分を盛り上げる.時折水分補給をしながら歩いていると,あちこちでアブラゼミが鳴いている.エッチラオッチラ歩いて,結局45分位で岬にたどり着いた.
岬には巨大な灯台が建っていた.これがとどヶ埼灯台で,今は無人だが,昭和40年ごろまでは燈台守の人たちが住み込んで働いていたらしい.平成の今ですら,たどり着くのに苦労するのに,当時ここに暮らすというのは,俗世間と隔離された生活だったに違いない.
灯台から離れて海岸に行くと,本州最東端の地と書かれたプレートが填められた石があった.記念写真を撮ってしばし休憩する.同じ端っこでも,本州最北端の大間崎はいつも大勢の観光客で賑わっているが,こことどヶ崎はアプローチの困難さからか,貸切状態だった.
帰路は下りが多いので,少し楽である.夕方近くなってきたためか,先ほどのアブラゼミに代わって今度はヒグラシがあちこちで鳴いていた.
そしてこれが,本州最東端訪問証明書です.とはいってもとどヶ崎は無人で売店もないので,ここでは手に入りません.浄土ヶ浜などの宮古市内の観光地で購入します(最東端に行かなくても買える!)
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コメント
ビザ皇帝様、学会出席お疲れ様です!
・・・・あれ?
ついでの「とどヶ崎巡り」がメインのような趣ですねー(笑)
しかしここ、すごいとこだわ。 秘境っぽいです。 上り坂45分なんて・・・聞いただけで息切れしますよ(爆)
ここで生活していた灯台守のご家族の苦労は、並大抵のものじゃなさそうですが、天気のいい日の灯台は・・・のどかに見えますね(笑)
投稿: 風雅 | 2007年9月11日 (火) 00:33
風雅さんこんばんは.いえいえあくまでも学会がメインで,とどヶ崎はついでですから(笑).それはさておき,アプローチの困難さからか,おっしゃる通りここは秘境の雰囲気を思いっきり醸し出していました(当然携帯も圏外).知らない観光客が夕方にやって来たりしたら,帰路には真っ暗になって遭難するんじゃないかと,余計な心配もしてしまいました(暗くなったら確実に遭難します).
4km歩くなんて,本来は大した距離じゃないんですが,現代人は本当に歩かなくなりましたね.そういえば北海道の礼文島の西海岸(?)を縦走する12km位のハイキングルートがあったと思いますが,学生時代にここを歩いた時は結構しんどかったです(ここを歩いているうちに,見知らぬ男女がカップルになるとかいうウワサで,ロマンスコースだったかいう名前が着いていましたが,カップルができれば楽しくて疲れも感じないでしょうが,私の場合ロマンスのカケラもなかったので,余計疲れを感じました 懐).
投稿: ビザ皇帝 | 2007年9月11日 (火) 17:36