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2007年7月12日 (木)

人類の黙示録

 6月30日に行われた「トンデモ本大賞2007」で見事(?),大賞に輝いたのが枡谷猛 著の「人類の黙示録」(文芸社)である.帯を見ると「歴史次元学で読み解く人類の未来図」とある.

 予言を扱った本は1999年以前にはノストラダムス本を中心に,それこそ無数にあったのだが,1999年7月が何事も無く過ぎてしまうと,すっかり忘れ去られたようになっていた(そういえば,1910年にヨーロッパを中心に,ハレー彗星が地球に衝突するのではと,大騒ぎになったそうである).21世紀に入ってからはあまり予言本ははやらないようである(それだけノストラダムスのインパクトが強烈だったというわけだ).

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 そんな中,今回大賞に輝いたこの本は,有名な新約聖書のヨハネの黙示録にでてくるハルマゲドン(ちなみにハルマゲドン=最終戦争と考えている人が多いが,聖書によるとハルマゲドンとは地名のようである)と戦前に流行した大本教の教祖,出口王仁三郎が唱えたという「日本は世界の縮図である!」という説を融合させた予言本である.

 日本が世界の縮図という話は,今でも四国はオーストラリアに似ているとネタにされるが,北海道が北米大陸(知床半島がフロリダ半島なのだそうだ),本州がユーラシア大陸(下北半島がカムチャツカ半島,琵琶湖がカスピ海で中国地方がヨーロッパなのだそうだ),四国がオーストラリア,九州がアフリカ大陸に相当するそうである.南米はというと,なんと台湾らしい(この辺が戦前の日本である.また南極大陸に関しては完全に無視されている).

 さて,この本では黙示録の獣の数字666を,日本で武家政治が続いた年数のことであるといっている(定説の鎌倉幕府成立1192年から大政奉還1867年までは675年であるが,どの時点をもって鎌倉幕府の成立とするかは諸説がある).そして,武家政治の時代に日本で起こったことが,これから世界で起こるのだと主張している.ちなみに京都にあたるのはバグダッドで,江戸はバンコクなのだそうである.

 これから世界で起こることはあまりに多く,とてもここでは紹介しきれないため,興味のある方は是非この本を見て頂くしかないのだが,個人的な感想を言えば,書かれている事柄は凄いのだが,その根拠付けが乏しいというか,ほとんど無いのである.一般にこうした予言本を読む楽しみの一つが,どんな根拠から予言を引き出しているのかを見ることにあるのだが,この本にはそういったものはあまり無く,読み進めているうちに退屈してくるのである.少なくとも五島勉氏の「大予言シリーズ」で見られたような緊張感は全くないのであった.

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コメント

ノストラダムスは時効かもしれませんが

いまちょうど彼本人が霊媒を通して
4行詩を語る本を紹介しています。

アンゴルモアもそうですがほかにも予言があり
人類が太陽系での学びを終えるまでの壮大な予言です(温暖化→極ジャンプ→氷河期再来、混乱に乗じて3人目の反キリスト再来と第三次大戦など)

もしご興味がありましたら^^

今なら不都合な真実やテロリズムなどもう少し彼の予言を受け入れやすい状況かも知れません
(読んでいただけばわかりますが)ちなみに1999年7月は彼の目に映った時間軸です
戦争などの変えられない、避けられない事象ははっきりと数字が浮かんだようです。
また一人目の霊媒とのやり取りの部分でわかるのですが時間は一方向性の不可逆のものではなく
現代のわれわれの時間と彼が生きていた時間とは同時に存在しているものであり
彼のマジクアイテム=すりガラスの鏡を通して意志を疎通させることが出来るようです。
(この辺は先日のアニメ「時をかける少女」をみていただくとわかるかも知れません)

※アンゴルモワの大王とは本当は何だったのか
http://ameblo.jp/gitarcla/entry-10041323618.html

※ファティマの予言も実は3番目のないようはリークされ同名の小説がでております。こちらも載せる予定です
ジョーマクモニーグル 日本の自然災害について
http://ameblo.jp/gitarcla/entry-10025682551.html

【テーマ】スピリチュアル・サイキック
【検索用語】ノストラダムス、ジュセリーノ、マクモニーグルなど

投稿: gitarcla | 2007年7月29日 (日) 15:22

 gitarcla様コメントありがとうございます.20世紀後半の日本を席巻したノストラダムスの大予言,当時小学生だった私も夢中になって本にかじりつきました.主として元ネタは五島勉氏の大予言シリーズだったと思いますが,1999年が何事もなく過ぎてしまい,あの騒動はなんだったのかという気分になりました.
 その後も予言ネタはあるようですが,あまり読んでいません.ご紹介いただいた作品,機会があれば読んでみたいと思います.

投稿: ビザ皇帝 | 2007年7月30日 (月) 19:04

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