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2007年1月10日 (水)

風評被害

 今年の冬は全国的にノロウイルスによる感染性胃腸炎が流行してることから,しばしばノロウイルスによる食中毒の材料になるカキが敬遠されているらしい.広島や宮城県松島の水産業者は頭を抱えているし,ついには長崎ちゃんぽんの店「リンガーハット」が赤字に転落するらしいという記事まで出ていた(ノロウイルス風評被害で販売不振).

 冷静に考えればわかるのだが,今年のノロウイルスの流行はカキとは何の関係もない.巷に溢れているノロウイルスによる胃腸炎の患者さんのほとんどはカキを食べて感染したわけではなく,人から人への感染によるものである.それゆえカキを食べないからといって感染しないという保障はまったくない.勿論カキを生食すれば感染する可能性はあるが,それとて今年特別にカキの汚染率が高いわけでもない(調理人の手からノロウイルスがカキに付着する可能性はあるかも知れないが,それはカキの責任ではない).ましてやたとえウイルスが付着していても,加熱すれば問題はない(85℃1分以上の加熱で死滅する).したがって十分に火を通した牡蛎鍋を食べてノロウイルスにやられる可能性はないのである(十分に中まで火を通すことが大事).

 しかしこういう情報はなかなか一般の人には理解してもらえないのか,わが国では風評被害が後を絶たない.大腸菌O-157騒動時のカイワレは有名だし,鳥インフルエンザが出てくると,鶏肉が敬遠される.甚だしいのだと下北半島の六ヶ所村で核燃施設が話題になった際には,同じ六ヶ所村で作られている牛乳(レイクファーム牛乳というブランド品である)の売り上げが落ちたという.

Kakinabe おいしそうな牡蛎鍋です(広島牡蠣のクニヒロさんのHPから引用しました).

 風評被害は罪もない人々(今年の場合はカキの養殖業者)を苦しめるばかりでなく,無用な社会不安から景気にも悪影響を与える.我々市民は正しい知識を持って行動したいものだ.ちなみに我が家では,風評被害からカキを守るべく,今年は例年以上にカキを食べている(もちろん牡蛎鍋にして).

 オマケ(ノロウイルスに感染しないために)

Norovirus_1 これが話題のノロウイルスです(International Committee on Taxonomy of Virusesのデータベースより引用).

 手洗いの徹底.アルコールや逆性石鹸は効果が期待できない.普通(塩基性の)石鹸と流水でよく洗い流すことが大事.食器などは塩素系漂白剤(次亜塩素酸,キッチンハイター?)で消毒する.加熱消毒でもよい.

 感染性胃腸炎が疑われる人の吐物,排泄物を素手で扱わない.汚染物はしっかり密封して捨てる(特に汚染物が乾燥すると,ウイルスが飛沫になって空気中に飛び散るため,早めの処理が重要).

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