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2006年11月 1日 (水)

アーノンクールとヴィンシャーマン

 いよいよ今日から11月である.1年間盛り上がったモーツァルトイヤーも残すところ2ヶ月となった.NHKの「毎日モーツァルト」もいよいよ終盤にさしかかった感じである(今週はモーツァルトのプロイセン旅行がテーマ.今後は歌劇「コシ・ファン・トゥッテ」やピアノ協奏曲27番を経て,いよいよラストイヤーの1791年に入る).

 ご当地オーストリアは勿論,日本国内でもモーツァルト関連のコンサートが目白押しだが,NHKでもNHK音楽祭2006と題して,海外の著名演奏家を招いての演奏会が行われる.そのトリを務めるのが,巨匠ニコラウス・アーノンクールとウィーン・コンツェントゥス・ムジクスによるモーツァルトのレクイエムの演奏会だ.アーノンクールは1960年代から,古楽器を用いたバッハなど,バロック音楽のオリジナル演奏を行ってきた古楽器演奏の老舗である(自身もチェロ奏者).

 1960年代といえばカール・リヒターの絶頂期で,「バッハといえばリヒター」という程,リヒターの影響力が大きかった時代である.リヒターは1925年生まれで,幼少時から教会の聖歌隊に所属し,声変わりに合せてソプラノからアルト,テノール,バスとバッハの教会カンタータの全てのパートを歌ったことがあるといわれるほどのバッハ研究家(本職はミュンヘン音楽大学教授,教会カンタータを全て暗譜していたとのウワサあり)であり,自身チェンバロやオルガンの名手でもある.

Vhd2 ドイツのお城で演奏するリヒター(写真左のチェンバロ).

 こんなリヒター全盛期にはアーノンクールの影は薄く,ヨーロッパはともかく日本での注目は低かった.しかし,1981年のリヒター死去の後,徐々に古楽器演奏が注目され始めると,その老舗として大いに脚光を浴びるようになった(グスタフ・レオンハルトと組んで,バッハの教会カンタータ全曲録音もやっている他,マタイ・ヨハネの両受難曲,クリスマス・オラトリオ,ロ短調ミサなどの録音も複数回行っている).

 本来バロックの人というイメージが強かったが,1980年代からはモーツァルトなど古典派以後の曲も取り上げるようになり,最近ではむしろモーツァルトの人という感じになっている(1981年録音のモーツァルトのレクイエム バイヤー版は当時衝撃的な演奏だった).最近では2002年以降,ザルツブルグ音楽祭でモーツァルトのオペラを振って注目されている.今年はアンナ・ネトレプコをスザンナ役にした”フィガロの結婚”を指揮している(毎日モーツァルトの案内人,山本耕史氏もこの舞台を観劇していた.なんてうらやましい!).2005には京都賞受賞のため来日している(この時は演奏は行っていない).

Harnoncourt 若い頃のアーノンクール氏

 そんな巨匠が来日し,しかもモーツァルトのレクイエムを振るというのだから,「こりゃ行くしかない」と,チケットぴあをチェックしていた(5月)のだが‥‥,その後すっかり忘れてしまい,気が付いた時(7月半ば)には既にチケットは売り切れになっていたのだった(泣).しかし,別プログラムで行われる,京都でのコンサート(11月18日,ヘンデルのメサイア)の方のチケットが取れたため,なんとかアーノンクールの顔を拝むことはできることになった.ヘンデルのメサイアも私の大好きな曲で,学生時代には,年末のメサイアコンサート(年末といえば日本ではベートーベンの第九が有名だが,ヨーロッパではむしろこのメサイアの方がメジャー)に合唱団員として参加していた.また2005年末には,所属する盛岡バッハ・カンタータ・フェライン(以下MBKV)のドイツ演奏旅行でも,ドイツ語版のメサイアを取り上げている.

 そんなわけで11月18日に京都に行くことが決定した.せっかく行くのだから,たっぷりと秋の京都を満喫し,ついでに新選組ゆかりの地なんかも見てこようと考えていた.しかし!予定表を見ると,なんと京都のコンサートの翌日(11月19日)にはMBKVの強化練習(来年1月28日に盛岡でバッハのヨハネ受難曲の演奏会が行われる)が入っているではないか,しかもその日の練習は,本番で指揮をするヘルムート・ヴィンシャーマン氏がやってくるのだ(ヴィンシャーマン氏はオーボエ奏者で,ドイツ・バッハ・ゾリスデンを振っている,バッハ演奏の巨匠だ).いくらなんでも練習を休むことはできないため,18日はコンサート終了後現地に宿泊し,翌朝伊丹空港から飛行機でとんぼ返りすることにした.

Vin H. ヴィンシャーマン氏との記念撮影(2000年,バッハのクリスマスオラトリオ演奏会にて)

 かくして,11月18,19日とアーノンクール,ヴィンシャーマン両巨匠を目にすることになったのだった.

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