モーツァルトとジェネリック
ある薬の特許が切れたあとに,他社が発売する同一成分の薬剤のことをジェネリック医薬品(通称ゾロ)という.さらに我が家ではマイナーなメーカーから発売されたパクリ商品のこともゾロと呼んでいる.今年はモーツァルトイヤーということもあり,今回はモーツァルト絡みのゾロのお話です.
オーストリアのお土産の定番として,モーツァルトクーゲルン(Mozart Kugeln)と呼ばれる丸いチョコレートがある.赤い箱に入った,モーツァルトの顔の絵が描かれた金紙に包まれたお菓子で,見たことのある人も多いと思う.オーストリア全土(主要観光地や空港など)はいうまでもなく,日本国内でも大きなデパートで扱っていることもあるし,ザルツブルグの現地ガイドの話では,中央アジアのカザフスタンでも目撃されてるという情報もある.それほど有名なお菓子なのである.
みんな一度は眼にしたことがあると思われる赤と金のモーツァルトクーゲルン.
しか~し!この赤いモーツァルトの顔が描かれたモーツァルトクーゲルン,実はゾロ品なのである.本家のモーツァルトクーゲルンはザルツブルグにある”フュルスト”というカフェで作られたものであり,銀紙に包まれて全体的に青っぽい色調となっている.一つ一つ手作りらしく,形も真球には程遠く,値段も高めである(先発品だから当然か?).
どうしてゾロ品のほうが有名になったのか?何でも,モーツァルトクーゲルンを発明したフュルストの主人が特許申請をしなかったためとか.かくして大手お菓子メーカーがこぞってモーツァルトクーゲルンをゾロゾロと発売したのであった.実際ゾロ品のクーゲルンは一種類ではなく,色調は皆,赤と金であるものの,何種類かある.今回写真に載せたものの他に,ミラベル社製のクーゲルンが特に有名である(毎日モーツァルトの案内人の山本耕史がモーツァルトの足跡を辿ってウィーンやザルツブルグを旅する番組が今月放送されるが,取材の時にこのクーゲルンを食べたのだろうか?).
先発品と後発品.並べると先発品のほうが大きめです.後発品はみな赤と金を基調としており,青と銀を基調とした後発品はないようです(本家にはばかっているのか?).
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