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2006年8月16日 (水)

第1回カシオペア計画

 9月に3連休がある.ここをどう使うかが今の我が家での関心事である.現段階で決まっていることは連休初日の9月16日に仙台で学会があることだけである.ゆえに16日午前に仙台にいることは確実なのだが,その後は全く未定である.愛知県の友人Nからも遊びに来いという誘いが来ているのだが,せっかくだから,ただ行くのは面白くないので,16日の昼に仙台から札幌に飛んで,そこから寝台特急カシオペアに乗って東京まで出るという企画を考えた.

 カシオペアは全室A個室のJR東日本が誇る豪華寝台列車である.シャワー室やトイレまで完備したカシオペアスイートと普通の2人用個室のカシオペアツインからなる(その他スイートとほぼ同じだが若干狭いカシオペアデラックスも1室のみある).非常に人気がある列車で発売と同時に売り切れることでも有名だ.このチケットをゲットしようというのが今回の企画である.JRの特急券は丁度1ヶ月前の午前10時に発売ということで,本日がその日であった.

 前日8月15日は当直だったため,朝起きてシャワーを浴びてから8時半に岩手沼宮内駅に出発する.距離は約70kmである.なぜ岩手沼宮内なのか,実はこういうプラチナチケットは発売と同時に売り切れるため,発売時刻である午前10時かっきりに購入する必要がある.このため盛岡駅や仙台駅のような窓口が混んでいる駅では10時に自分の順番が来る保証がないのである(行列を待たせて購入するようなことはしたくない).その一方ローカル過ぎる駅では,一人の駅員が何役も仕事をこなすため10時に窓口にいない恐れもある.このためプラチナチケット購入に適した駅とは

 1.常に窓口に駅員がいる

 2.窓口が混んでおらず,しかも10時ごろに発着する電車がない.

 こんなムシのいい条件を満たす駅こそ,岩手沼宮内駅である.この駅は東北新幹線の八戸延伸時に開業した駅で,元は特急はつかりも停車しないローカル駅であった.ここに新幹線が停まることになったのは,そうしないと盛岡の次が70kmはなれた二戸まで駅がなく寂しいからと思われる.こういう駅であるから利用状況も寂しく,新幹線も1日8往復しか停車せず,1日の利用客も100人と新幹線の駅としては全国で最も利用客が少ないところであった.しかし,曲がりなりにも新幹線の駅であるため窓口には常に駅員がおり,新幹線も2時間に1本のため,丁度10時ごろは客もいないのであった.実は以前,寝台特急北斗星の個室チケットを取る際にこの駅を利用し,見事にゲットできた経験があったのである(北斗星もカシオペアほどではないが,個室チケットの取りにくい列車である).

 さて,快調に車を走らせ午前9時50分頃に駅に到着した.切符購入申込書に必要事項を記入して窓口に行くと,いつもはいないはずのお客さんが,そうお盆の帰省シーズンで臨時列車がたくさん走っているのだった.予想外の展開にちょっとあせる(前回の北斗星の時は,貸切状態の窓口で9時55分くらいから全ての事項を機械に入力して,10時かっきりにENTERキーを押してもらって購入したのである).なんとか10時ちょっと前に順番が回ってきたが,今日の駅員はなれていないのか入力に手間取り,10時を回ってもまだキーを操作している.オイ大丈夫か,と心配していたが10時5分頃に「いやー,ヨーイドンで売切れてしまったようですね」とにこやかに言う.オイオイだから10時かっきりに買いに来たのにと泣きたい気分になった.手際の悪い駅員を怒るわけにもいかず,肩を落として寂しく帰ったのだった(せっかく70kmも走ってきたのに).

 かくして第1回カシオペア計画は無残な失敗に終わったが,次回に向けて決意を新たにする私であった.

Hokutosei (写真)今年の5月に乗った北斗星.今回残念ながら2匹目のどじょうはいなかった

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