先週末、久しぶりに大西洋岸方面に出かけてきました。昨年夏以来ナミビアに在住していますが、実は2008年に観光で訪れたことがあります(ナミビア旅行記)。この時は8日間という短い日程だったものの、ヒンバ族のいる北部やナミブ砂漠中心部のソッサスフレイ、スワコプムントやウォルビスベイといった大西洋岸など主だった見所をコンパクトに巡りました。昨年こちらに来てからは休日を利用しながら、そうした過去に行った場所を再訪しているんですが、実は2008年に訪問していてまだ行っていない場所もありました。それが表題のウェルウィッチアと月面世界で、どちらもスワコプムントからほど近い場所になります。首都のウィントフックからも1泊2日で行ってこられるので、今回行ってくることにした次第です。
朝9時に自宅を出発、まずはA1号線を北上します。A号の国道はナミビアでは数少ない完全4車線の高速道路です。日本の高速道路のイメージに最も近い道路ですが、山がちな日本とは違い砂漠&平原が続くこの国では道路のカーブはほとんどないため、全線で120キロ出すことができます。ただしサービスエリアなんていう便利なものがない点と、たまに歩行者や自転車、さらには動物が走っていることもあるため注意が必要です。約1時間ほどでオカハンジャの町を通過、ここから西に向きを変えて号線に入ります。ここからは通常の対面2車線道路ですが、こちらもひたすらまっすぐな道路なので、一部アップダウンのある部分を除き120キロ道路です。オカハンジャから約1時間でカリビブという町に到着、ここはウィントフック・スワコプムント間のちょうど中間地点に位置する町です(なので自分はバラン星と呼んでいる 笑)。休憩ポイントとしても絶好の位置にあるため、ここで給油およびトイレ使用となります(ナミビアには日本でいうところのサービスエリアや道の駅はないため、ガソリンスタンドとそこに併設されている売店が休憩スポットとなる)。
出す物を出してすっきりした後は再び西へ、20分ほどでウサコスという町を過ぎてさらに進み、徐々にB2号線は南西へと向きを変えます。ここからはスワコプムントまでまっしぐらなんですが、この日は途中のアランディスというところからD1991号線に左折し南に進路を変えます。D号線は基本砂利道です。交通量は少なく、走ると砂が舞いあがるのであっという間に車が汚れるのが悲しいところ、そんな道をひたすら南下していきます。約30分ほど走ったところで三叉路があり、ここから左折、今度は東へと進路を変えます。この道がWelwitschia Driveという観光道路(?)なんですが、先ほどのD1991号線に比べて圧倒的に路面が悪く、ガタガタでサスペンションが壊れるんじゃないかという悪路です。当然スピードも出せないので、距離の割には時間がかかることになります。それでも40分ほどで最初の目的地であるウェルウィッチアスポットに到着です。
(左写真1)ご神体のような巨大なウェルウィッチア、(右同2)最初はこんな感じ
ウェルウィッチアは裸子植物の一種でウェルウィッチア科に分類される唯一の種です(1科1属1種)。世界でもナミビアからアンゴラにかけての海岸砂漠地帯にしか生息していない貴重な植物で、乾燥地帯で生き残るために地中に巨大な根を張ります。特徴的なのはその見た目で、一見すると地面に枯れかかった草が詰んであるように見えるのですが、実はこれ、最初に生えた2枚の葉がひたすらに伸び続け(時には途中で割けてスズランテープ状になりながら)、こういう形になっているという点です。こうした独特の姿から奇想天外という和名が付けられています。このスポットにはたくさん尾ウェルウィッチアが観察できますが、保護区なので個体周囲に石が巡らされており、中に入ることは禁止されています。ひときわ大きな個体は、まるでご神体のように柵に囲まれて鎮座していました(日本ならしめ縄とかが取り付けられそう)。
ウェルウィッチアを観察した後は来た道を戻ります。当然あの悪路をもう一度ですが、そこはなんとか堪え忍び、例の三叉路に到着します。そこからは来た道ではないD1991号線西に向かう)になって道が安定してきました。その道を少し進んだところにあるのが次の目的地月面世界です。ここはその名の通り、まるで月面を思わせる荒涼とした景色が広がるところです。案内板によるとスポット1から10くらいまであるようで、今回はその中から景色が良さそうな4カ所程度から観察しました。約180度広がる荒涼とした大地、こんな景色を目にしたら些細なことはどうでもいいと思えてくること間違いなしです。日本では絶対に見られない光景の一つでしょう。
(左写真3)月面世界、(右同4)クレーターのようです
月面世界を堪能した後はD1991号線をそのまま西へ、1時間ほどでスワコプムントに到着です。そのままこの日の宿泊先であるハンザ・ホテルへ、名前のイメージからハンザ同盟と関係があるのではないかと思いました。中庭を有するきれいなホテルでした。
(写真5)中庭がきれいです
チェックイン後しばし休んだ後、夕食になります。スワコプムントにはたくさんのレストランがあるんですが、この日はせっかくだからとホテル内のレストランへ。予想以上に高級な雰囲気でびっくり、注文したのは前菜で生牡蠣とエビのスープ、メインがWagyuのステーキ、デザートがシャーベットでした。どれも良かったですが、特にエビのスープが出汁が利いていて美味でした。
(左上写真6)生牡蠣、(右上同7)エビのスープ、(左下同8)Wagyuのステーキ、(右下同9)シャーベット
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