2021年6月15日 (火)

尾瀬旅行(1)

 先週後半(6月10~12日)尾瀬に行ってきました.その旅行記録です.

 当初の予定では6月6日から1週間の予定で北海道の離島旅行(礼文島&利尻島 etc.)を計画していましたが,北海道の緊急事態宣言が延長になり,現地の自治体からも観光等での不要不急の来島を自粛するよう要請が出たことを受けてこの旅行は取りやめとなり,その代替の企画として計画したものです.地理的には比較的近場ということもあって日程は大幅に短縮し,週の後半のみとしました.尾瀬といえば歌曲「夏の思い出」の舞台として有名ですが,歌にも登場する水芭蕉が見られる時期が今だというのも訪問を決めた理由です.

 尾瀬は福島・群馬・新潟3県にまたがる高層湿原です.西側の尾瀬ヶ原と東側の尾瀬沼に大別され両方合わせた大きさは東西6km,南北3kmにもなります.標高の高い場所にある平地ということで信州の上高地に似ていますが,自動車で入れる上高地に対して尾瀬の内部には自動車道はなく徒歩以外に移動手段がないという決定的な違いがあります(なので足腰が弱る前に行っておきたい場所です 笑).今回は尾瀬ヶ原・尾瀬沼両方を見て回るのを計画しましたが,そうなると日帰りは不可能であり,どこかで宿泊する必要があります.幸い尾瀬には山小屋と呼ばれる簡易宿泊所が複数あるため,これらを利用しながらの観光となりました.尾瀬ヶ原・尾瀬沼の縦走は健脚なら1泊2日で可能な行程ですが,日ごろの運動不足で体がなまっている我々の体力と,途中で100選滝のひとつである三条の滝にも寄りたかった事情を踏まえて2泊3日とし,

 1日目(6月10日) 群馬県の鳩待峠から尾瀬ヶ原に入り北東に向かい日本の滝100選の一つである三条の滝を見学しその後最寄りの山小屋である温泉小屋に宿泊

 2日目(6月11日) 尾瀬ヶ原から東に向かい,白砂峠を越えて尾瀬沼に出て沼を北岸から半周して桧枝岐村営の山小屋である尾瀬沼ヒュッテに宿泊

 3日目(6月12日) 尾瀬沼東岸を南下し三平峠を越えて下山する.

という計画になりました.第1日目がちょっとハードですが,初日ということで気力体力とも充実しているだろう(?)と考えたからです.

 前述のように尾瀬は徒歩以外の移動手段がない場所です.それこそ日が暮れてしまったら遭難必至になるため,計画には時間的な余裕が求められます.なるべく早朝に現地入りし午後の早い段階で山小屋に着くのが理想となるため,6月9日に群馬県側の尾瀬の玄関口である戸倉温泉の旅館に前泊しました.

Img_0169(写真1)尾瀬第1駐車場

 そして6月10日6時に旅館で朝食を食べそのままチェックアウト,近くの尾瀬第1駐車場に移動します.ピークシーズンの尾瀬は特に土曜日は大混雑でこの駐車場も満車になるらしいんですが,この日は木曜日ということでかなり空いていました.駐車場から尾瀬の群馬県側の入り口である鳩待峠まではバスか乗り合いタクシーでの移動になります.バスは大体1時間に1本程度で,その間の時間を乗り合いタクシーが埋めている印象です.空いているとはいえ,それなりに尾瀬に向かう観光客はいるのでそれほど待たずに出発できました.

Img_0174 Img_0182(左写真2)鳩待峠休憩所,(右同3)ここから徒歩です

 駐車場から狭い道を揺られること20分ほどで鳩待峠に到着,ここからいよいよ徒歩移動となります.トイレを済ませて身支度を整え(靴ひもを締めなおし,スパッツを装着)まずは尾瀬沼の入り口,山の鼻を目指します(この時時計を見たら7時55分).鳩待峠の標高1590mに対して山の鼻は1410m,この180mの標高差を3.3kmで下っていくことになります(平均斜度5.4%).

Img_0202 Img_0208(左写真4)複線の木道,(右同5)きれいな沢

 遊歩道は基本的に木道と木の階段がメインで所々石の階段のところもあります.尾瀬の木道といえば雨上がり後などの濡れた状態では滑りやすいことで知られます.もっともここ数日は天気が良かったのでこの日は日陰を含め木道は乾いていたため問題ありませんでした.ただ下り道は足首を痛める可能性があるため慎重に,また後からくる健脚の方々を先にやり過ごしながらゆっくり進んでいきます.この区間は基本的に雑木林地帯なので展望はありませんが,それでも周辺に咲いている花々を見ながらの移動でした.約1時間で山の鼻に到着,最初の小休止です.売店で尾瀬の植物図鑑やクマ鈴を購入したりトイレを使いました(尾瀬のトイレは1回100円のチップ制となっている).

Img_0193 Img_0197(写真6,7)尾瀬の花々

P6100002(写真8)山の鼻の至仏山荘

 小休止後いよいよ尾瀬ヶ原に入っていきます.周囲の視界が一気に開け,ガイドブックでもおなじみの尾瀬ヶ原の絶景が広がっています.日ごろの良さもあるのかお天気は一面快晴の青空です.青々とした湿原のかなたに向かって二本の木道がひたすら伸びています.我々が目指す方角には東北地方最高峰である燧ケ岳(標高2,356m)の雄姿が遠くに見えていました.また後ろを振り返ると雪渓の残る至仏山(標高2,228m)が目の前に鎮座しています.早くも尾瀬の絶景に感動する我々でした.

P6100029 P6100031 (左写真9)はるか彼方に燧ケ岳が見えます,(右同10)至仏山

 ここからの尾瀬ヶ原横断は標高差がほとんどない平坦な湿原に敷かれた木道をひたすら歩いていきます(湿原保護のため木道から外れることは禁止されている).この辺りの木道は複線になっていて原則右側通行です.ピークシーズンの土曜日などは人で渋滞することもあり,おちおち写真も撮れないそうですが,木曜日の朝は人影もまばらで回りを気にせず自分のペースで歩くことができました.しばらく進んでいくと,たくさんの荷物を背負った歩荷の姿も見かけます.自動車の乗り入れができない尾瀬ではヘリコプターとともに歩荷が貴重な輸送手段となっているのです.

P6100015(写真11)たくさんの荷物を背負う歩荷

 「夏の思い出」にも登場する尾瀬を代表する植物が水芭蕉です.雪解け後の水辺や湿原に姿を現し,尾瀬では5月下旬から6月上旬がピークといわれています.ただ近年は温暖化の影響で見ごろが早まっているようで,今年は尾瀬ヶ原付近はすでにピークを過ぎていたようです.とはいえ,まだまだ群生している姿を見ることができました(木道の脇など日陰になっているところに多い).

P6100013 P6100018(左写真12)数は多くありませんが水芭蕉の群生です,(右同13)白いのは仏炎苞という葉が変形したもので花は真ん中のヤングコーンみたいな部分です

 尾瀬ヶ原を北東に進んでいくと次第に前方の燧ケ岳が大きく,後方の至仏山が小さくなり確実に歩いてきていることを実感します.尾瀬の湿原には池塘と呼ばれる小さな湖がたくさんあり,空の青さや湿原の緑との色彩の対比が素晴らしいです.池を覗くとイモリが泳いでいる姿も見えました.

P6100042 P6100052(左写真14)美しい池塘,(右同15)イモリ

 山の鼻から40分ちょっとで牛首分岐と呼ばれる木道の分岐点に到着します.ここをまっすぐに進むと竜宮小屋,左に折れるとヨッピ吊橋に向かうことになり人の流れもここで2つに分かれる地点です.分岐点にはベンチの設置されたテラスがあって休憩に便利,我々もここでしばし小休止しました.

P6100068 P6100081(左写真16)牛首分岐,(右同17)至仏山がかなり小さくなりました

 10分ほど休んで再び歩き始めます.この日は牛首分岐をまっすぐ竜宮小屋方面に向かいました(時間的に竜宮小屋で昼食にしたかったことが主な理由).この辺りは尾瀬湿原の中央部とでもいえる地域でたくさんの池塘や沢があります.それらの沢の一つを渡ろうとしたら,なにやら沢の対岸に柵がめぐらされています.今当地では鹿の食害が問題になっているそうで,尾瀬の代名詞の水芭蕉も食害で数を減らしているのだとか.この柵もそうした鹿対策の一環のようです(実際柵の内側には水芭蕉が結構あった).

P6100075 P6100078(左写真18)鹿対策の柵,(右同19)柵の内側には水芭蕉が

 その先には湿原を流れる川がいったん地下に潜ったあと池塘に湧き出る現象”竜宮現象”が見られるスポットがあります.伏流水が池に湧き出るといえば静岡県清水町の柿田川を思い出しますが,そことおんなじできれいな湧き水でした.

P6100083 P6100084(左写真20)水芭蕉の水中花,(右同21)竜宮現象

 そんな湿原を歩いていくとまもなく木道の分岐点とその先に林に囲まれた建物が見えてきます.この分岐点が竜宮十字路という分岐点,ここを左折すると先ほど牛首分岐で左折した先のヨッピ吊橋へ行くことができます.右折すると富士見田代という尾瀬外輪山南側の尾根線へ,まっすぐ進むと尾瀬で最もにぎやかな見晴になります(見晴は山小屋6軒が立ち並び,尾瀬銀座と呼ばれる).十字路にもベンチがあるんですが,この日は見晴方面に向かうためそのまま林と建物方面へ向かいます.この建物が竜宮小屋という山小屋,2021年は休業ということで小屋は閉まっていますが,小屋前のベンチとトイレは使用することができます.我々もベンチの一角に腰を下ろし昼食タイムとなりました(この段階で11時半).この日のお昼は持参したおにぎりと携帯ガスでお湯を沸かして味噌汁を作りました(長時間歩くと塩分の補給も大事).

P6100086P6100089 (左写真22)林の中に竜宮小屋が見えてきます、(右同23)林の中の沢

 ここでは約1時間の大休止,食後もしばらくゆっくりと休み先への英気を養いました.その後トイレを済ませ12時20分に出発します.林を抜けて再び湿原地帯になります.前方には朝方は遠くに見えていた燧ケ岳がいよいよ迫ってきた感じがします(だいぶ歩いてきたなと実感).この辺は山に向かってひたすら草原を歩く感じで,母を訪ねてのマルコの気分になりました(笑).燧ケ岳の麓には林が広がりその中に建物の姿が見えます.ここが尾瀬銀座と呼ばれる見晴地区です.姿は見えているがなかなかたどり着かないという遠近法のような感覚が不思議でした.

P6100092 P6100094(左写真24)見晴地区が見えてきました.ここまでくると燧ケ岳が目の前です.(右同25)弥四郎小屋

 それでも20分ほどでやっと見晴地区に到着,6軒ある山小屋の一番手前にある弥四郎小屋で小休止します.建物が複数あるだけで都会に見えてしまうのが印象的です.

 弥四郎小屋前は三叉路になっていて,来た道をまっすぐ進むと尾瀬沼方面に,左に折れると赤田代地区から三条の滝方面に向かうことになります.この日は三条の滝を訪問する予定なのでもちろん左折します.さっきまで正面に見ていた燧ケ岳を右に臨みながら歩いていきます.改めてこの辺は燧ケ岳の麓なんだと実感したのでした.

P6100096 P6100097(左写真26)見晴の分岐点,(右同27)赤田代に向かう木道

 この日の予定は赤田代にある温泉小屋に荷物を預けて身軽になった状態で三条の滝までを往復,その後温泉小屋に宿泊というものでした.ただここまでの行程で結構へばっていました.鳩待峠から赤田代まで距離にして約10km,普通の土地ならそれほどでも無いハズですが,2泊分の荷物を背負って慣れない山道や木道の移動は運動不足の我々にはダメージが大きかったようです.しかも温泉小屋から三条の滝までの片道2.2kmは距離こそ大したことはありませんが,標高差200メートルの岩場や鎖場もあるかなりきつい登山道とのこと,特に往路が下りで復路が登りというイやなパターンです.時間的にはまだ1時過ぎ,標準時間で往復できれば十分夕方4時には戻ってこられるんですが… いろいろ考えた末,この日の訪問は断念することにしました(疲労困憊,途中で立ち往生しても困るので).

 滝には行かないと決まったことから後は気楽になりゆっくりと温泉小屋を目指します.途中東電小屋へ向かう分岐路(東電分岐)で小休止し,そこからは少し登りになる部分もありましたが,結局1時30分過ぎに本日の宿泊地温泉小屋に到着しました.

Img_7426 Img_7425(左写真28)温泉小屋本館,(右同29)こちらが別館

 受付をするとすでに部屋は使えること,お風呂もすぐに入れるとのことだったのでそのまま中に入りました(今回は別館の個室を利用).温泉小屋のある赤田代地区は尾瀬で唯一温泉が湧くところです.泉質は鉄泉でやや赤茶けたお湯が特徴です.一日の汗を流したのは言うまでもありません.

 入浴後は小屋の前に設置されているテラスで生ビールをいただきます.時間的には1日で最も気温が上がる時間帯ですが,標高1400mの尾瀬の空気は爽快です.チェアに寝そべってしばしウトウトしていました.

Img_7424 Dsc_1739(左写真30)テラスで生ビール,(右同31)夕食

 山小屋の夕食は早く,夕方5時スタートです.温泉小屋の夕食は定番のカレーライス(と牛すき小鉢)でした.またまたビールを飲んだのは言うまでもありません(笑).

 しばらくしたら夕暮れ,周囲は真っ暗になっていきます.消灯時間は9時,明日に備えてさっさと寝たのでした.

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2021年6月14日 (月)

梅雨入り

Fb92  気象庁は14日,関東甲信が梅雨入りしたらしいと発表しました.

 関東甲信が梅雨入り 平年より7日遅く

 今年は西日本で梅雨入りが早く、東海以西ではすでに5月16日には梅雨入りとなっており,関東は約1か月遅れとなったわけです.先週の尾瀬旅行を計画したときに「梅雨入りに当たったらいやだな」と思っていたんですが,自分が旅行から帰ってきた直後に梅雨入りするとは,持ってるな自分、と思ったのでした.

 これからしばらく鬱陶しい天気が続くのでしょうか.

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2021年6月 8日 (火)

爽やかな気候

 6月に入ってはや一週間が経過しました.最近更新頻度が落ちているのは、要するに日常に変化がなさ過ぎて書くことがないからでもあります(笑).

 6月といえば梅雨時です.今年は沖縄や九州地方から近畿,東海など南や西の方は梅雨入りが早かったんですが(5月半ばには梅雨入りした)、関東や東北など東日本・北日本ではまだです.当初は西日本に引き続き5月中の梅雨入りも予想されていましたが、その後は雨が降っても長続きしない天気が続き,梅雨入りしそうでしない感じになっています.週間予報を見ても今日を含めて今週は良い天気が続く模様です(一方日曜日ごろからは雨模様が続くようなので,その辺で梅雨入りするのかもしれません).

 梅雨入り前の好天は大陸からの移動性高気圧によりもたらされます.この高気圧は程よい温度で乾燥した高気圧なので,夏の高気圧と異なり,いわゆる爽やかな陽気をもたらします.

 今日も当地は朝から爽やかな気候となっており,まさに新緑の春という言葉がぴったりします.

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2021年6月 2日 (水)

6月になりました

 気が付けば6月になりました.「祝日が1日もなく,夏休みや冬休みとも関係がない1年でもっとも嫌な月」と言ったのはドラえもんののび太君ですが,まあ梅雨時で天気もイマイチなので気持ち的には賛同できる部分もあります.一方で今月が終われば2021年も半分が過ぎた計算になりますから時間の流れの速さも実感します(今年はコロナ禍なので余計に時間の速さを感じる).

 そんな6月ですが,以前ここでも予告した通り私のホームページの掲示板が従来のプレミアム版から無料版にダウングレードしました.

Keiji

 無料版になると広告が掲載されてちょっと見づらくなるんですが,元々訪問者の少ない秘境掲示板なので全く問題にならないだろうと思います.

 今月は尾瀬への旅行のほか,ホームページ本編の作成に力を入れようと思っているのでした.

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2021年5月31日 (月)

歌劇「ドン・カルロ」

Img050  単調な生活の中でのたまの息抜きは重要です.特に自分にとっての音楽鑑賞は心の洗濯ともいえる存在です.

 音楽鑑賞といえば,ほぼ90%以上がオペラというほどオペラ好きの我が家ですが,コロナ禍で頻度は減ったものの行けるときには行くようにしています(劇場や音楽家を応援するという意味もある).

 先週末の土曜日,5月29日には初台の新国立劇場で公演中の歌劇「ドン・カルロ」を鑑賞してきました.オペラ観劇と終演後のディナーがセットになる我が家ではいつも電車で行くのですが,現在東京では飲食店での酒類の提供が中止されているため、お酒が飲めないなら無理にディナーにしなくてもよいのと,感染のリスクを減らす意味もあり、今回は自家用車での訪問です(ものすごく久しぶりに首都高を走った 笑).

 今回鑑賞したドン・カルロはマルコ・アルトゥーロ・マレッリによる演出で,2006年に初出,2014年11月に一度再演され今回は2回目の再演となります.2014年の再演の際に鑑賞したはずなんですが,実はあまり記憶がありませんでした(汗).指揮はイタリア人のパオロ・カリニャーニ,ヨーロッパの劇場で活躍している指揮者です.キャストはタイトルロールのドン・カルロがジュゼッペ・ジバリ,フィリッポ2世が妻屋秀和、ロドリーゴが高田智宏、エリザベッタが小林厚子、エボリ公女がアンナ・マリア・キウリ,宗教裁判長がマルコ・スポッティという面々です.コロナ禍ではありますが、メインキャストのうち3人が海外招聘ということで、関係者の努力は大変なものだったろうと想像します.ちなみにフィリッポ2世役は当初ミケーレ・ペルトゥージの予定でしたが、本人の都合でキャンセルになり妻屋さんに変更になったいきさつがあります(妻屋さんは2006年と2014年の公演では宗教裁判長をやっていた).

Img_7414  ヴェルディの「ドン・カルロ」は16世紀スペインに実在したスペイン・ハプスブルク家の親子である国王フィリッポ2世(世界史ではスペイン風にフェリペ2世と呼ばれる)とその長男ドン・カルロの物語です.史実のドン・カルロは資料の少ない人物ですが,18世紀にシラーが設定を大幅に膨らませて戯曲化し,それを原作にヴェルディがオペラ化しました.作曲時期は「運命の力」と「アイーダ」の間でヴェルディの作曲技法が円熟していた時代になります.この作品は元々1867年に開催されるパリ万博(日本が初めて参加した万博,今年の大河「青天を衝け」でもいずれ出てくるでしょう)に合わせてパリのオペラ座から依頼されました.このため当時のフランスのグランドオペラの形式によって書かれた5幕ものでした.言語もフランス語でした.ただ肝心のフランスでの初演が失敗したことと(招待されたナポレオン3世の皇后ウジェニーが熱心なカトリック教徒だったため,反カトリック的な内容を含むこのオペラに嫌悪感を示した),上演時間が長いことから,すぐに改訂が施され,現在主流となっているイタリア語による4幕ものとなっています.今回の公演もこの4幕版です.5月29日公演は千秋楽ということもあり,オケもキャストも非常にまとまってよい演奏だったと思います.劇場の公式ツイッターで,初日に指揮者が登場して拍手が起こったのを聞き,海外招聘キャストが「本当に客がいるんだ!」と感動していたというツイートが流されていましたが、欧米ではまだ客を入れての公演が不可能なんだと実感した次第です.

 

 休憩を含めて3時間半の公演,久しぶりに心の洗濯ができました(ドン・カルロって最後カルロが先代の王(カール5世)に天上に引き上げられるシーンで幕となるんですが、これも一種の地獄落ちだよなと感じました).

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2021年5月29日 (土)

緊急事態宣言の延長を受けて

 昨夜政府は東京,大阪など9都道府県に発出されていた緊急事態宣言を6月20日まで延長することを正式に決定しました.沖縄を除く8都道府県の期限が5月31日だったものを,一番最後に発出された沖縄県の期限である6月20日に合わせた形です.それらの自治体の状況を見るとまあ仕方ないなという気がします(沖縄に6月20日期限で出された時に,これは他もそこまで合わせて延長させる布石だろうと思っていた).

 で,この決定を受けて6月上旬に計画していた北海道離島旅行を中止することにしました.

 毎年夏季休暇に旅行に出かけている私です.2019年までは19年連続で海外に繰り出していましたが,昨年はコロナで海外が封印されたため小笠原諸島に行きました.今年も海外は無理なので,普段ならなかなか行く決意をしないところにしようと思い,北海道の礼文島にレブンアツモリソウを見に行こうと計画しました.しかし5月16日に北海道に緊急事態宣言が出たことを受け,礼文町からは宣言期間中の観光目的などの不要不急の来島を自粛するよう要請がありました.また期間中レブンアツモリソウ群生地も閉鎖する旨が告知されました.6月1日以降は未定となっていましたが,宣言の延長を受けこの措置が継続されることは明確です.仮に訪問してもレブンアツモリソウは見られないわけで,これは今回は辞めろという天の声と思った次第です.

 *6月1日追記 5月31日礼文町から、レブンアツモリソウ群生地を6月1日から一般開放するというアナウンスが出ました(不要不急の自粛要請は続くようですが、不要不急でないレブンアツモリソウ鑑賞はできるもよう…)

 ただ,休むことを前提にして準備してきたこともあり(私が外来を休診することで休める職員もいる),今更休暇を全部取り消すのも申し訳ないため,当初よりも短縮して休暇はとることにしました.そして北海道の離島に代わって候補地になっているのが尾瀬です.

5d3_40551012x674  尾瀬は群馬・福島・新潟の3県にまたがっている湿原地帯,歌曲「夏の思い出」に描かれるなど有名な場所です.とはいえ交通アクセスに難があるため,これまで真面目に訪問したことがありませんでした.せっかくだから,今回行ってみたいなと思った次第です.実は当地は今,水芭蕉の季節です(夏の思い出とはいうものの,水芭蕉は春の植物です).今回はせっかく行くので,山小屋に宿泊して湿原の水芭蕉のほかに日本の滝100選になっている三条の滝も訪問したいと考えています(尾瀬は土地には結構混むらしいですが,今回は人の少ない平日に行ってきます).

 *写真はフリー素材から持ってきました.

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2021年5月27日 (木)

ノートPCを買い換えました

 仕事や何やらで使うノートパソコン,近年はタブレットが進化していることもあり、webの閲覧やメール程度ならタブレットで十分なんですが,仕事上のプレゼンの作成なんかはマウス操作のPCの方が使い勝手がいい場面が多く,いまだに置き換わるには至っていません.そんなPCですが,特に自分の場合ポータビリティーが非常に重要なため,購入するのはいわゆるウルトラブックというジャンルのものになります.

 とはいえピカピカの新品を購入して喜んでいたのは昔の話、最近ではPCは消耗品であると割り切ったため、数年おきに中古品を買いつなぐ生活になっています.前回購入したのはNECのVersaPro VG-G,これは2018年4月にそれまで使っていた東芝のDynabook R632が突然死してしまったことを受けて急遽購入した中古品です.特に不具合もなく使い続けてきたんですが,粗雑な扱いが災いしたのか液晶画面にヒビが入ってしまいそれが広がってきました.視野がさえぎられるシーンも多くなってきたため,いよいよダメになる前に新しいのに乗り換えることを決意、今日新しいのが到着しました.

 今回購入したのは富士通のLIFEBOOK U938(中古),サイズは13.3型とこれまで使っていたものと変わりません.さっそくセットアップや必要なソフトのインストール等を行いました.かつては新品で買えば20万円くらいしたウルトラブックも今は中古なら数万円ですからいい時代です(どうでもいいですが,これまでの自分のノートPCって SONY → TOSHIBA → NEC → FUJITSU って全く脈絡がありません).

Img_7412 Img_7413 左がこれまで使っていたNEC(見事にヒビが入ってます),右が今回買ったFUJITSUです.

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2021年5月26日 (水)

皆既月食

 今日2021年5月26日は日本で皆既月食が見られるということで話題になっていました.皆既月食とはは月に地球の影がかかることにより,月が完全に欠けて見える現象です.太陽-地球-月が一直線上に来ないと起こりえないため,これが見られるのは必然的に満月の夜ということになります(逆に太陽の前面に月が入ることで起こる日食は新月の日に起こる).今回はさらに月が最も地球に近づくためサイズも大きい,スーパームーンと重なったことから注目されていました.

 が,しか~し

 当地は夕方から曇り空,まったく月は見えませんでした😢

 仕方がないので前回2018年1月31日に撮影した皆既月食の写真を載せておきます.ちなみに次回日本で見られるのは2022年11月とのことです.

P1311864 P1311962 写真左は欠けていく途中,右は皆既月食のものです(明るく見えるのは絞りの関係).

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2021年5月24日 (月)

第86回日本温泉気候物理医学会

Image2  私の専門は神経内科なんですが、一方でサブ分野として勉強しているのが旅行医学と温泉医学です。それぞれ専門の学会に所属して活動しており、メインの神経内科については日本神経学会がそれです.そして旅行医学については日本旅行医学会,温泉医学については日本温泉気候物理医学会となります.どの学会も基本的に年に1回大きな大会が開催されており、日本神経学会に関しては5月19~22日まで京都で開催されたことはすでに記事にした通りです(緊急事態宣言下の京都でリアル参加をメインにするという強気な設定).

 一方でその神経学会と入れ違いのようにこの週末に第86回温泉気候物理医学会大会が開催されました.こちらは完全web開催です.第86回という数字からもわかるようにこの学会,実はかなり歴のある学会です.設立されたのが昭和9年(1934年)で日本の医学の元締めともいえる日本医学会の加盟団体としてもかなり古い組織です.元々日本には温泉が多く、古くから健康のための湯治文化があったことと,戦前の日本の医学に深い影響を与えたドイツ医学において温泉医学が盛んだった影響と思われます.そんな古い学会が完全webで,歴史が新しくよりアカデミックに思える神経学会がリアルメインというのがなんか興味深いなと思いました.

P5120195 Img_3110 ちなみに日本温泉気候物理医学会の大会は例年温泉地で開かれることが多く,学会に参加するだけで温泉に行けるというのも大きな魅力です.今はコロナ禍で仕方ないですが,落ち着いたらぜひまた温泉地で開催してほしいものです.

Bep2これは別府温泉で開催された際についでに観光に行ったワンショット(もう10年くらい前かな)

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2021年5月21日 (金)

平湯温泉と奥飛騨

 先週末のお出かけ最終編です.

 安房トンネルを抜けて岐阜県側に入りました.次の目的地は日本の滝100選の平湯大滝です.トンネル出口から平湯温泉とは反対側に向かい少し行ったキャンプ場から左折します.細い道を進んでいくと数分で平湯大滝展望所の駐車場に到着しました(この駐車場は昨年整備されたもので,それ以前はもう少し手前にある平湯大滝公園駐車場から10分くらい歩く必要があった).

0hirayu (写真1)平湯大滝

 平湯大滝は1~2万年前の噴火で流れてきた溶岩塊の端から落ちてくる滝で,落差64メートルと迫力十分です(平湯大滝).午前中の三本滝は我々以外の環境客がいなくて貸し切り状態でしたが,こちらはアクセスの良さもあるのか数組の観光客がいました.

 この日の宿泊先は平湯温泉なんですが,チェックインまでまだ少し時間があるため,温泉街の外れにあるナガセスッポン養殖場へ.ここは平湯温泉のお湯を利用してスッポンを養殖し,栄養補助食品を製造しているところです(温かい温泉水を利用することで早く成長するのだとか).水槽でスッポンを眺めたり,ここの定番商品スッポン球のお試し版を購入してみました.

Dsc_1689 Dsc_1683 (左写真2)スッポン養殖場,(右同3)水槽のスッポン

 ちょうどいい時間になったため,この日の宿泊先の匠の宿深山桜庵へ.平湯温泉では一番立派な旅館です.チェックインを済ませてさっそく温泉に繰り出します.コロナ禍の今はチェックインと同時に温泉に入るのがミソで,そうするとほぼ貸し切りでお風呂を堪能できます(この日も最初の30分貸し切りでした).昨日の白骨温泉が硫黄泉だったのに対してこちらは鉄泉,なかなか味わい深いものがありました.

Img_uchiburo Img_catch01 (写真4,5 旅館の内湯と露天風呂,浴室内撮影禁止の為公式からいただきました)

 温泉を堪能して部屋で休んだ後,夕食の時間です.この日は飛騨牛がメインのコース,飛騨牛のすき焼き風鍋と炭火焼が中心です.すき焼き風鍋は卵を付けていただくのですが,一般的な生卵ではなく温泉卵だったのが新鮮でした.炭火焼は火力がやや弱めに設定されているため,じっくりと焼くことができ(火力が強いと油断していると焦げてしまうので),時間をかけて味わうことができました.そのほか追肴と食事は選択制だったので稚鮎の南蛮漬けと白海老天のお蕎麦をいただきました.

Dsc_1690 Dsc_1691 Dsc_1694 Dsc_1695 Dsc_1696 Dsc_1698 (左上写真6)前菜とお造り,(左中同7)飛騨牛のすき焼き風鍋,(右上同8)飛騨牛の炭火焼,(左下同9)稚鮎の南蛮漬け,(右中同10)白海老天蕎麦,(右下同11)デザート

 夕食後は部屋でまったり,この日は半露天の温泉付きの部屋だったので,大浴場が混みそうな時間帯は部屋の温泉を堪能しました.

 翌朝の朝食は充実の和定食,飛騨といえばこれ!ともいうべき定番の朴葉味噌ももちろん出てきました.結局チェックアウト時間の11時までゆっくりして宿を出ました.

Dsc_1700 Dsc_1701 (左写真12) 朝食,(右同13)朴葉味噌

 最終日は天気が良ければ上高地に行こうと思ってたんですが,残念ながら雨☔☔☔,仕方ないので雨でも大丈夫な観光地ということで奥飛騨クマ牧場に行きました.ここは100頭くらいのツキノワグマが飼育されている場所です(温泉があって暖かいため冬眠しないらしい).個性様々なクマの観察と共に,ここ名物の小熊との記念撮影にも挑戦しました.

Dsc_1721 Img_9137 (左写真14)たくさんのツキノワグマ,(右同15)小熊との写真撮影

 クマ牧場の後は髙山方面に少し下ったところにある飛騨大鍾乳洞へ.ここも雨とは無縁な観光地です.観光用に整備された鍾乳洞は全国にたくさんありますが,ここは標高900mと観光鍾乳洞としては全国でもっとも高所にあるんだそうです.またここには鍾乳洞の発見者である大橋外吉氏の個人収集品を展示した大橋コレクション館併設されています(鍾乳洞入洞券でコレクションも見学できる).時間が無い人は鍾乳洞だけ見学するようですが,雨降りで時間がいっぱいある我々はコレクションも見学しました.館内撮影禁止なので写真はありませんが,世界各地の様々な壺や絵画などが展示されていました(一番はかつてここに展示されていて盗難に遭った金塊でしょうか).

P5161178 P5161206 P5161200 P5161189 (写真16~19)飛騨大鍾乳洞

 その後洞窟を見学,「竜宮の夜景」,「月の世界」等鍾乳石の作り出す独特の景観を堪能しました.見学後は駐車場の向かいにあった食堂で遅い昼食として奥飛騨ラーメンをいただきました.昭和のあっさり系醤油ラーメンで懐かしい味でした.

P5161248 (写真20)奥飛騨ラーメン

 食事後は帰宅の途に.来た道を引き返して再び安房峠トンネルを通り長野県へ,国道158号線を下って松本ICから長野道,中央道と進みます.日曜日の夕方といえば中央道上り線は渋滞が発生するのが普通ですが,この日はかなり交通量が少なくスムースに走行できました(結局4時間半くらいで自宅に戻れた).こうしてコロナ禍の隠密旅行は無事に終了しました.

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